『アサシン クリード ミラージュ』開発陣がファンからの質問に回答。凝縮された内容や、DLC配信なしの方針などについて明かす

 

Ubisoftは7月13日、『アサシン クリード ミラージュ』についてRedditにてAMA(Ask Me Anything・何でも聞いて良いよ)企画を実施。クリエイティブディレクターのStéphane Boudon氏、ナラティブディレクターのSarah Beaulieu氏、アートディレクターのJean-Luc Sala氏らが、ファンからの質問に回答した。

『アサシン クリード ミラージュ』は、アクションアドベンチャーゲーム『アサシン クリード』シリーズの最新作だ。開発は『アサシン クリード ヴァルハラ』の拡張コンテンツ「ドルイドの怒り」を手がけたUbisoft Bordeauxがメインに担当。本作では、イスラムの黄金時代を迎えた9世紀アッバース朝のバグダッドを舞台に、謎めいた過去をもつ主人公バシムが、素行の悪い盗賊からマスターアサシンへと成長していく姿が描かれる。

今回実施されたAMAにて複数寄せられた質問のひとつとしては、コンプリートするまでには何時間かかるのかといった、本作のボリュームを問うものがあった。それに対しては、シリーズの初期作品に近いプレイ時間になると回答された。本作のボリュームに関しては、エグゼクティブプロデューサーを務めるMarc-Alexis Côté氏も以前同様のことを述べたうえで、15〜20時間程度でメインストーリーをクリアできるとしていた(関連記事)。

メインストーリー以外のコンテンツとしては、バグダッドの街を探索するなかでイベントに遭遇したり、出会ったキャラクターに関する短い物語を体験できたりといったものがあるという。また、隠れし者の拠点にて暗殺依頼を請け負う要素も用意されるとのことだ。

『アサシン クリード』シリーズの近作では発売後も長期間運営され、DLCやアップデートが配信された。しかし本作においては、現時点でDLC配信などによるゲームプレイコンテンツの拡張をおこなう計画はないそうだ。比較的小規模なボリュームにて、本作における物語は完結する模様である。

本作にはフォトモードが収録予定で、その機能としては『アサシン クリード ヴァルハラ』と同じものが用意されるとのこと。ちなみに本作には、初代『アサシン クリード』のゲーム画面の色味に近づけるフィルター機能が備わっている。やや青みがかった色味が特徴で、そのままプレイできるほか、フォトモードにも適用できるそうだ。

『アサシン クリード』シリーズの多くの作品では、さまざまな時代を描く背景として現代を生きるアサシン教団の存在があり、ゲーム内にも現代編をプレイするパートがあった。一方、『アサシン クリード ミラージュ』には現代編が収録されないことが明らかになっている。この決断についてBeaulieu氏は、本作は物語要素がより凝縮された作品であることから、主人公バシムのバグダット時代に焦点を当てることにしたと説明する。ただ、ゲーム冒頭には背景情報として現代のカットシーンが流れるそうだ。

本作の舞台となるバグダッドには、行政区域である円形都市を中心とした4つの特徴的な地区が存在。労働者が暮らす産業地区や、交易が盛んにおこなわれている地区、科学者が多く集まる地区といったかたちで、それぞれに特色があるという。また、隠れし者の拠点は各地区に存在するそうだ。当時のバグダッドの街の再現は、学者ル・ストレンジの著書「アッバース朝カリフ治下のバグダード」をもとにしながら、社内外の歴史家の助けを借りておこなったとのこと。ちなみにマップの広さについては、『アサシン クリード リベレーション』のコンスタンティノープルや、『アサシン クリード ユニティ』のパリといったマップと同じくらいであると以前明かされていた(関連記事)。


本作のパルクールアクションについては、滑らかな身のこなしやその操作に焦点を当てながら、本作独自のものとして開発しているとのこと。過去作のアクションも参考にしているそうだが、一部ファンが要望しているBack EjectやSide Ejectといった技(壁を蹴って後方や横方向に飛ぶ技)の復活はないと明言された。

AMAではこのほか、今年6月に公開されたゲームプレイ映像のなかで披露された新たなスキル「Assassin Focus」についての質問もあった。このスキルは、複数の敵をマークしてから発動すると、それらの敵を自動的に次々に暗殺していくというもの。その際に、バシムがテレポートするように瞬間移動することから、世界観にそぐわないという批判が一部ファンの間で上がっている。

これについてStéphane Boudon氏は、バシムは非常に俊敏なアサシンであり、特にAssassin Focus中の動きはアニムスが追跡しきれないとして、瞬間移動表現の設定を説明した。また、同スキルを発動させるにはステルスキルを重ねてゲージを溜める必要があり、プレイヤーにステルスプレイを促す動機付けとして、Assassin Focusを導入した側面もあるとのこと。もちろん、同スキルを使用するかどうかは任意となる。

*Assassin Focusを使う場面は5分59秒辺りから。


アサシン クリード ミラージュ』は、PC(Epic Gamesストア/Ubisoft Store)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに10月12日発売予定だ。今回実施されたAMAでは、本稿で紹介した以外にも多くの質問と回答が寄せられており、興味のある方はチェックしてみてほしい。