『マリオカート8 デラックス』にて「サンセットこうやの日が沈まない」ことが物議を醸す。周回すれど夕暮れ

 

任天堂は7月12日、『マリオカート8 デラックス』の更新データVer.2.4.0を配信開始した。本アップデートにて有料DLC「コース追加パス」の第5弾追加要素が実装。追加コースのひとつである「サンセットこうや」の“日が沈まない”ことが波紋を広げている。


『マリオカート8 デラックス』は、2014年5月に発売されたWiiU向け『マリオカート8』に、新要素を追加したNintendo Switch向けタイトル。2017年4月に発売され、アップデートを重ねつつ、2022年3月からはDLC「コース追加パス」所有者向けに新要素も実装されてきた。今回配信された更新データVer.2.4.0では、コース追加パス第5弾の追加要素が実装。またバランス調整や、遊びやすさ向上を図る調整も加えられている(関連記事)。

実装された追加要素としてはボスパックン/ハナチャン/カメックの3キャラクター、および2カップ8コースが登場した。追加コースには過去作品におけるコースのリメイクも含まれており、中でも「サンセットこうや」はとある仕様がなくなったことが国内外のユーザーに注目されている。サンセットこうやの日が沈まなくなったのだ。


サンセットこうやはゲームボーイアドバンス向け『マリオカートアドバンス』にて初登場した荒野を舞台にしたコース。コースの一部にはテントが立ち並んでおり、これにぶつかると日本版ではネイティブアメリカン風の装いのヘイホーたちが怒ってマシンにまとわりつくギミックが用意されていた。

その後、サンセットこうやはiOS/Android向けの『マリオカート ツアー』において初のリメイクを果たす。グラフィックは3Dに刷新され、お邪魔ギミックは、テントの代わりに探検家姿のヘイホーがコース上に配置されているというものに変更された。そしてサンセットこうやには、『マリオカートアドバンス』と『マリオカート ツアー』に共通する演出があった。コースの周回ごとに日が沈み、空の色が変わる演出だ。


サンセットこうやはスタート時、美しい赤い夕焼けが荒野を照らしている。一方で周回すると日が沈み、空は深い紫色・濃紺色になり月が昇る。レース中の時間経過を表しつつ、周回ごとの新鮮さを味わえる演出が盛り込まれていたわけだ。ちなみに『マリオカートアドバンス』ではコースを3周するため、日没が3段階で表現。『マリオカート ツアー』ではコースが2周のため、2段階で表現されていた。

そしてサンセットこうやは「コース追加パス」の第5弾の追加コースとして『マリオカート8 デラックス』にも登場。今作のサンセットこうやは、『マリオカート ツアー』の通常版サンセットこうやとほぼ同じ内容だ。コースのつくりや、探検家姿のヘイホーなどのギミックも共通。しかし、コースの特徴でもあった周回時に日が沈む演出については削除。3周とも変わらず、赤い夕焼けが背景となっている。

サンセットこうや(sunset wilds)の太陽が沈まなくなった点については、国内外のユーザーが反応。特徴でもあった日が沈む演出がなくなったことを嘆く声が見られる。海外メディアNintendo Lifeもこうした事態を取り上げている。ハッシュタグを用いて日が沈む演出の復活を集団で訴えるTwitterユーザーも見られる状況だ。


『マリオカート8 デラックス』にてサンセットこうやの日が沈まなくなった理由は不明。グラフィックが向上したことによる実装コストの増加や、オンラインマルチプレイ時の仕様など、さまざまな理由がユーザーにより憶測されている。なお演出がなくなったことはさておき、サンセットこうやがコンソール作品に復刻したことを歓迎する声も一部見られる。日没の演出だけでなく、BGMやコースのコンセプト自体も多くのユーザーに親しまれている様子だ。

『マリオカート8 デラックス』にて、日が沈まなくなってしまったサンセットこうや。本コースが含まれている「コース追加パス」は、発売から6年あまりが経過した本作にキャラやコースを追加するコンテンツだ。第6弾で実装予定のコースを含めると全48コースが提供される。本編の収録コースも48コースであり、コース数が倍増するわけだ。さらに第5弾までには4体の追加キャラも実装されており、大ボリュームの内容といえる。開発リソースの調整から、やむを得ず日が沈む演出の実装が断念された可能性はありそうだ。


なお『マリオカート8 デラックス』では、復刻コースに過去作から変更が加わる例が過去にも存在。中でもコース追加パス第2弾にて復刻した「ココナッツモール」では当初、コース終盤のお邪魔要素である車が“停止”していた。従来のシリーズにおける同コースでは、終盤の車が道路をふさぐように走り回っている点が特徴。お邪魔要素がほとんど邪魔でなくなる改変に、一部ユーザーは不満を述べていた。一方でその後のアップデートにて、止まっていた車はクルリと回転する動きを見せるように変更。過去作の仕様に近づける調整がおこなわれたわけだ(関連記事)。サンセットこうやでも、ユーザーの声を受けて今後調整が検討される可能性はあるだろう。

『マリオカート8 デラックス』はNintendo Switch向けに発売中。本日よりコース追加パス第5弾が配信されている。『マリオカート8 デラックス』本編を所持していれば、コース追加パス(税込2500円)を購入することでプレイ可能。あるいは「Nintendo Switch Online + 追加パック」に加入していれば、加入期間中に遊ぶことが可能となっている。