クランクを回して遊べる携帯型ゲーム機「Playdate」、出荷開始から1年で約5万3000台を販売。計画どおりの順調売上

 

パブリッシャーのPanicは4月18日、同社が手がけた携帯型ゲーム機Playdateの出荷開始から1年を迎え、これまでに5万3142台を販売したことを明らかにした。

Panicは、PC/モバイル向けアプリを開発するほか、『Untitled Goose Game ~いたずらガチョウがやって来た!~』や『Firewatch』といったゲームの販売を手がけている企業。同社は2019年にPlaydateを発表し、ゲームハードウェア事業に参入した。


Playdateは、74×76×9mmという手のひらサイズの携帯型ゲーム機。十字キーやABボタンに加え、側面にクランクが搭載されていることが大きな特徴だ。クランクを前後に回すことでアナログ入力が可能で、これを活かしたゲームを開発できる。ディスプレイは2.7インチのモノクロである。

対応ゲームは、24本の作品がPlaydate本体に同梱され、本体を最初に起動してから毎週2本ずつ提供されるというユニークなスタイルが取られた。その中には、『塊魂』などで知られる高橋慶太氏の『Crankin’s Time Travel Adventure』や、『Getting Over It with Bennett Foddy』を手がけたBennett Foddy氏の『Zipper』といった注目作も含まれている。現在は、Playdate内に公式ストアCatalogが実装され、さらなる対応ゲームが配信中。またゲーム開発者向けには、Playdate用の開発キットの提供もおこなわれている。

Playdateは2021年7月に予約受付を開始。Panicはどのくらいの需要があるのか分からなかったとして初回生産分を約2万台に設定したが、結果的に予約開始から20分経たずして完売。当時、他社の大きな製品が同時間帯に発売された影響もあり、注文システムのサーバーがパンクするトラブルにも見舞われた。

その後、搭載バッテリーの不具合が発見され、初回生産分の出荷開始時期が2021年内から2022年前半へと延期され、このたび出荷開始から1年を迎えることとなった。これまでに累計5万3142台を販売したとのこと。もともと、2023年前半までに5万台を出荷する計画が案内されていたため、ほぼ予定どおりに生産・出荷されてきたことがうかがえる。

今回の発表では、itch.ioにて配信されているPlaydate対応ゲームについても言及。現時点で400タイトル以上が配信されており、Playdate所有者の39.7%が、そうしたタイトルを少なくとも1度はサイドロードして楽しんでいるという。外部サイトで配信されている対応タイトルは、Playdate公式サイトにログインしてアップロードすることで、ユーザーのPlaydate本体に直接ダウンロードさせることが可能だ。

*itch.ioで配信され人気を得た『A Joke That’s Worth $0.99』。現在はCatalogを通じて販売中。

Playdateの今後についてPanicは、現在はまだ予約を受け付けて順次出荷しているが、即時出荷できる体制に移行したいと語る。合わせて、Playdateと組み合わせて使用できる周辺機器Stereo Dockの出荷開始も見込んでいるとのことだ。

Playdateは、公式サイトにて予約受付中。価格は今年4月7日から20ドル値上げされ、199ドル(約2万7000円)である。いま予約した場合、2023年後半に出荷される予定となっている。