基本プレイ無料航海冒険RPG『大航海時代 Origin』Steam版に人が集まる。“LINEが贈る大航海時代”、賛否は分かれる

 

LINE Gamesは3月7日、『大航海時代 Origin』のサービスを開始した。PC(Steam/FLOOR)およびiOS/Android向けに、基本プレイ無料で提供されている。Steam版は一定の人気を博しているものの、ユーザーレビューは「やや不評」ステータスとなっている。

『大航海時代 Origin』は、海洋冒険シミュレーションRPG『大航海時代』シリーズ30周年を記念する、基本プレイ無料タイトルだ。開発はコーエーテクモゲームスと株式会社Motifが共同で手がける。本作の舞台は16世紀、大航海時代の世界。プレイヤーは艦隊を編成して自由に航海し、探検や戦闘、交易などをおこなう。なお本作のゲームエンジンにはUnreal Engine 4が採用されている。

本作は3月7日9時よりサービス開始。Steamでの同時接続プレイヤー数は同日中に4136人を記録し、直近でも約2000人を維持している(SteamDB)。Steamだけでも一定の人気を博しているといえるだろう。



一方でSteamユーザーレビューでは本稿執筆時点で、290件中好評率が20%の「やや不評」ステータスとなっている。ユーザーからさまざまな課題点が挙げられており、特にゲーム内通貨に関するシステムやバランスについての指摘は目立つ。本作では等級の高い航海士の雇用に数十から数百万ドゥカート(ゲーム内無償通貨)が必要。場合によっては高レベルの船を造るよりも高額であり、ひとりの高級航海士を雇うだけでかなりの出費が必要となるわけだ。

高級航海士は主にレッドジェム(有償通貨)を利用して購入するボックス(ガチャ要素)からも入手可能。課金に誘導するために、高級航海士の雇用が骨の折れる設計となっている側面もあるだろう。なおドゥカートはログインボーナスなどでも配布されており、ログインを続けていれば高級航海士雇用に向けて一定の資金は確保可能。

『大航海時代』シリーズにおいて、特にバリューをもつのは航海士。その航海士をガチャマネタイズ要素にしているゆえに、不評が出るのはやむを得ないだろう。さらに本作では海域によって航海可能な船団LVが設定されている。従来の『大航海時代』シリーズに比べて、冒険の自由は制限されているといえそうだ。


『大航海時代』は根強い人気を誇るシリーズ。近年ではスマートフォン向けのオンラインゲームとして展開されており、オフライン専用タイトルは『大航海時代IV』が最近リマスターされたものの、新作は長らく発売されていない。そんななかで、本作『大航海時代 Origin』はシリーズ30周年を記念するタイトルだ。基本プレイ無料タイトルとして、ガチャを採用。長く遊ばせる構造となっている。買い切りの『大航海時代』作品とは違うデザインとテンポになっており、そうした点が賛否を分けている印象だ。

なお本作には、PvP要素がなくマイペースに遊べる「平和」サーバーも用意されている。同サーバーにて課金要素を気にせずストーリーなどをじっくり楽しむ遊び方も可能で、期待値や遊び方によって評価が変わりやすいタイトルではある。「やや不評」で開始した本作のSteamユーザーレビューの評価ステータスは、今後どのように変化していくのだろうか。