『エルデンリング』、通常エンディングより“あのエンディング”を見てる人が多いと話題。あんなに大変なのに

 

『エルデンリング』のエンディングにおいて、通常エンドではなく星の世紀エンドを見ている人が多いと、話題になっているようだ。熱心なプレイヤーの間では知っている人もいるかもしれないが、その意外さが海外を中心に話題を呼んでいる。なお、本稿では『エルデンリング』のエンディング分岐に触れているので、注意してほしい。




『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。対応プラットフォームはPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam)。本作は広大なオープンワールドを舞台としつつ、『ダークソウル』シリーズなど同スタジオ過去作のゲームプレイを色濃く継承。フロム・ソフトウェアによる近年のアクションRPG作品の、集大成的な作品となっている。2022年2月25日に発売され、瞬く間に記録的大ヒット作品となった。

そんな『エルデンリング』では、マルチエンディング形式が採用されている。エンディングはさまざまに用意されているが、大きく分けると3種類。エルデの王エンド、狂い火の王エンド、星の世紀エンドだ。普通にプレイしているとエルデの王エンドにたどり着く……かと思いきや、星の世紀エンドを見ている人が多いのだという。PC Gamerが報じている。

根拠となるのは実績やトロフィーだ。Steamの実績取得率を見ると、星の世紀エンドの取得率は26%。エルデの王エンドは19.3%なので7%ほど上回っている。PSのトロフィーにおいても、Xboxの実績においても、やはり星の世紀エンドを見た人は通常エンドより多い。


星の世紀エンドは、いわゆるラニエンドだ。どのような内容なのか詳細説明は控えるが、キャラのひとりであるラニにフォーカスを当てたエンディングである。初見では内容を理解するのが難しいものの、やたらと壮大で清涼感のあるエンディングである。しかしこのエンディング、見るのがかなり大変なのである。

通常エンドは、ゲームを進めていればたどり着ける。しかしラニエンドを見るにあたっては、こなすイベントが多い。さまざまなイベントを見つけて回収しつつ、メインルートではないエリアを数多く探索する必要あり。本作はイベントを進行させるにしてもはっきりとしたヒントは明示されないため、フラグを発生させるのも一苦労。そんな苦労づくめの旅路を経て、ラニエンドのフラグを立てることができるのだ。通常エンドを見ている人より、ラニのイベントをこなしてエンディングを見ている人の方が多いというのは、プレイヤーとしてはちょっとしたサプライズかもしれない。


一方で、この結果に納得する人もいるだろう。そもそもとして、『エルデンリング』は攻略情報を見なければイベント回収なども難しいゲーム。攻略情報を見るうちに、ラニエンドを見ることをゴールにゲームを進める人も多そうだ。またラニエンドをもっともグッドなエンディングと評する人が多い。『エルデンリング』に惹かれ、しっかりゲーム内の要素を堪能したいと考えた人は自然にラニエンドに誘導されることだろう。

ちなみに、第三のエンディングである狂い火の王エンドは、いずれのプラットフォームでも実績/トロフィー取得率がもっとも低いルート。Steamの実績取得率は13.2%と星の世紀エンドの約半分。狂い火の王エンドもフラグ立てこそシンプルではないものの、ルートには入りやすい。しかし、エンディング自体がバッドエンドを彷彿とさせることや、一度ルートに入ると特定条件を満たさなければほかのエンディングにいけないなど、ややプレイヤーに圧を強いるエンディングでもある。長い旅路を経てわざわざ後味悪く終わりたくない、というプレイヤーの願いがなんとなく感じられるかもしれない。

前述したように、このデータは熱心なプレイヤーの間では既知であっただろう。しかしながら、改めて数字として見てみると興味深い。エンディング取得率をひとつとっても、『エルデンリング』というゲームの強烈な個性の一端が見て取れる。『エルデンリング』は、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに発売中だ。