『スプラトゥーン3』にチーターらしきプレイヤー出現との報告多数。延々と飛び続けるミサイルの嵐


任天堂より9月9日に発売されたシリーズ最新作『スプラトゥーン3』に、チーターらしきプレイヤーが現れたようだ。SNS上で挙げられた報告では、普通ではありえない回数のスペシャルウェポン(以下、スペシャル)を撃ち込んでいるプレイヤーが確認されている。

チーター出現の報告

『スプラトゥーン3』の発売から約2週間。目立ったチーターが報告されてこなかったこともあり注意喚起がなされている。今回報告されているチートらしき現象は、スペシャルが撃ち放題になるというものだ。スペシャルとは、床にインクを塗ることによってスペシャルゲージが溜まり、それがフルチャージされると使用できる、言わば“超必殺技”である。そんな必殺技を無制限に使っている、というのがチーターらしきユーザーの特徴のようだ。

通常1試合でスペシャルを使用できる回数は、試合時間の長いバンカラマッチでも多くて10回程度で、平均すれば5~6回ほど。しかし、今回の報告では87回使用するユーザーが現れている。『スプラトゥーン3』をプレイしていない方にも、その異常さは伝わるだろう。

バンカラマッチでのリザルト一例。右枠内のポイント横に並ぶ数字が、左からキル、デス、スペシャル回数となる。

https://twitter.com/tekkin_splatoon/status/1573007335777505280


そして、今回被害報告が多数あがっている“疑惑のスペシャル”がマルチミサイルだ。発動後、相手プレイヤーをロックオンして発射でき、射程距離はマップ内の全体となっている。つまり、どこにいても狙われるようになっているわけだ。ロックオンされたプレイヤーの場所にはミサイルが落下してくるため、その場から移動せざるを得ない。そして、逃げた場所にミサイルが落ちると敵のインクが塗られてしまう。『スプラトゥーン3』に登場するスペシャルの中でも、“強い”と評価されることの多いスペシャルの1つだ。

スペシャル乱れ撃ち

チーターらしき人物に遭遇した、上のてっきん氏のツイートを見てみたい。疑惑の人物が目撃されたのはバンカラマッチのチャレンジで、ルールはガチヤグラ。このルールでは中央にあるガチヤグラを占拠し、相手の陣地まで押し込み切ると勝ちとなる。映像では開始から約30秒が過ぎた段階で、スメーシーワールドのマップ中央でエメラルドグリーンの自チーム4人と、オレンジの相手チーム3人がガチヤグラを取ろうと激突。自チームが立て続けに相手チームの3人を撃破するも、戦場に降り注ぐ相手チームのマルチミサイルに動きを制限されてしまっている。結果、この試合では87回のマルチミサイルを撃たれたようだ。


被害者がバトルメモリーと呼ばれる本作から追加されたリプレイ機能で、チーターと思しき人物の視点に切り替えてみると、敵陣の最奥で一定距離を左右に動き、マルチミサイルを撃ち続けている姿が確認できる。その規則的な動きを繰り返す姿は、まるでBotのようでもある。右上のスペシャルゲージはマルチミサイル使用後、微減してすぐにフルチャージ。スペシャルゲージは使用されるものの、床を塗らずしてすぐにフルチャージになるというのが今回の現象の正体のようだ。この一連の動作とゲージ状況は、ほかのプレイヤーの報告からも確認できる。


同一の被害は複数報告されており、チーターらしきユーザーはいずれも同じプレイヤー名だったようだ。また、このプレイヤーがサメライドを無限に使用していたという報告もあがっている。やはり、無限にスペシャルが使用できるという類のものだろう。

『スプラトゥーン』vsチーター

前作『スプラトゥーン2』でもチーターの存在は定期的に報告されていた。無敵になったり透明になったり、サブを連射したりといったものから、床のインクを一瞬で塗り替えてしまうもの、スペシャルの1つ、ジェットパックで飛び続けるもの、お金をはじめとしたゲーム内の数値を書き換えるものなど、さまざまなチートが確認されている。

特にチート関連で話題になったのは2018年7月、ウデマエXのランキングボード上で海外のプレイヤーがアンチチートシステムを導入するよう訴えた事件だろう。チーターが開発元へのチート対策を求めてランキングボードを占拠した形だ。後に当人と思われる“PleaseAddAntiCheat”なる人物が、チート対策を求めてウデマエXでのレーティングにあたるガチパワーの数値を操作したと、Redditで語っている。


こういった主張があったおかげとは言い切れないが、『スプラトゥーン2』に関しては、運営・開発側によってチートは都度対応されていた。Nintendo SwitchでのチートにおいてはCFW(カスタムファームウェア)の存在も一種の素地になっており、それらの対策として同機ソフト・ハードレベルでの防止策も講じられている。チーターと運営のイタチごっこは、オンラインゲームではお決まりの構図ではあるが、『スプラトゥーン3』でも、なるべく早期の対応を期待したいところだ。

ちなみに、今回使用されたブキ・LACT-450は、“ラクト談合”で注目されている最中である(関連記事)。それに今回のチーター疑惑が重なり、続けて妙な注目を受ける羽目になった。ヴァリアブルローラー、ソイチューバーといったブキでもマルチミサイルの使用は可能だが、使用するために必要なランクはLACT-450が一番低い。それが理由で採用されたのかもしれない。いずれにせよ、件の談合も今回のチート疑惑もLACT-450が悪いわけではないため、見かけたからといって妙な決めつけは避けるべきだろう。


チーターの排除にはプレイヤーからの協力も不可欠だろう。『スプラトゥーン3』では、ゲーム内で悪質プレイヤーの通報が可能となっている。疑惑のあるプレイヤーに遭遇した際には通報機能を利用し、運営側の対応を待つようにしてほしい。


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