『スプラトゥーン3』公式ホームページが更新され、「タイカイサポート」なるサービスが開発中であると告知された。これを受けて、コミュニティは大いに湧いている。任天堂からコミュニティへの歩み寄りが垣間見えるからだ。
「タイカイサポート」は、プライベートマッチ機能を利用した大会支援サービスだという。『スプラトゥーン3』と、ゲーム外サービス「イカリング3」の2つのシステムを連携させることで、プライベートマッチを利用した大会を開催・運営支援するものになるとのこと。
タイカイサポートの機能としては「対戦表の作成と大会中の進行管理支援」や「大会で使用するプライベートマッチの部屋の自動生成」、そして「対戦結果の自動報告」などがあげられる。大会をする上で必要な機能を揃えるといった基本的な機能がメイン。しかしながら、こうしたツールが用意されるということ自体が、かなり衝撃的だ。
というのも、任天堂はこうした非公式大会やコミュニティとは一線引きがちなのである。『スプラトゥーン』シリーズでは、公式大会は定期的に実施されている。「スプラトゥーン甲子園」などがその代表だ。一方で、大人気ゲームということもあってか、コミュニティ活動も盛ん。非公式大会も頻繁に開催されている。そんな非公式大会を紹介するTwitterアカウント「スプラトゥーン大会予定表」などを見れば、その活発さがわかるだろう。
一方で、大会の実施手法は割とアナログ。プライベートマッチを駆使しつつ、トーナメント管理はユーザー側が手配。Discordなどでフレンドコードを交換し、バトル。結果が出ればGoogleフォームに結果を入力し、その結果をスプレッドシートで管理していくなど、マニュアルベースで大会を進行する必要があったのだ。しかしタイカイサポートが導入されれば、そうした手作業で管理していた部分が機能として提供される。大会運営者の工数がぐっと下がるわけだ。
「タイカイサポート」実装が告知されたことに、コミュニティは歓喜を見せている。特に喜んでいるのは、積極的に非公式大会を主催したり、あるいは参加したりしてきたユーザーだ。れどるふ氏もそのひとり。れどるふ氏は、さまざまな非公式大会を主催し、コミュニティ運営に尽力してきた人物。「タイカイサポート」実装告知にあたって、大喜びを見せている。
そんな喜びを見せるれどるふ氏に弊誌は話を聞いた。れどるふ氏は今回の「タイカイサポート」の実装のニュースを見て「任天堂さんが『スプラトゥーン』というIPをとても慎重に、そして大切に扱いたいという気持ちが伝わった」という。前述したような機能的な嬉しさはもちろんのこと、「プライベートマッチを利用した大会を開催・運営支援するもの」と明示されたことが嬉しかったそうだ。
公式がコミュニティを意識し、そのコミュニティの活動を支援するという点で、歩み寄り以上の後押しを感じたという。『スプラトゥーン』シリーズの歴史の中で初めての出来事であり、そうした経緯もありれどるふ氏は感銘を受けているようだ。
実は、『スプラトゥーン』公式は、今年に入りコミュニティの遊びを支援する動きを続けている。たとえば5月のアップデートでは「イカリング3」にてヘヤタテ機能が追加。これはスマートフォンでプライベートマッチのグループを作り、そこでの招待をSNSなどで共有できる機能だ。コンテンツ追加やゲームのバランス調整と並行して、ユーザー同士のふれあい機能も強化してきたわけだ。
『スプラトゥーン3』では、ユーザーからの声を耳にして調整をしたり、あるいは説明をしたりと、コミュニティに寄り添う姿勢が示されたことも多い。「タイカイサポート」実装は、そうした運営方針を体現する例だといえるかもしれない。
『スプラトゥーン3』はNintendo Switch向けに発売中。「タイカイサポート」機能は現在開発中だ。
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