ハクスラ・ダンジョン探索マルチRPG『Nevergrind Online』が、特に日本で売れているとの開発者報告。開発者も驚くユーザーの熱


現在Steamで早期アクセス配信中のRPG『Nevergrind Online』が、日本で特に売れていることを開発者が明かした。開発者によれば、本作が日本語に対応した後の1週間で日本からの売上が急上昇。このまま推移すれば、本作において売れている言語としては日本語がトップになる可能性もあるという。日本での売れ行きについて、開発者のJoe Leonard氏から話をうかがった。

『Nevergrind Online』(以下、NGO)は、リアルタイム戦闘を備えた、ダンジョンクローラー方式のRPGだ。舞台となるのは中世風のEdenburg王国。プレイヤーはゲーム開始時に自身のクラスを選択する。ソロプレイまたはもしくはマルチプレイでパーティを構成し、装備を整えてダンジョンに向かう。ダンジョンは入るごとにランダムに変化し、回収した素材をもとに装備を強化。いわゆるハクスラと呼ばれるトレジャーハンティング要素を含んでいるわけだ。

開発はNeverworks Games。同社はKickstarterで開発資金を募り、まず『Nevergrind』を制作。ソロプレイ用のブラウザゲームだった『Nevergrind』をベースに作ったのが本作『NGO』だ。もともとクラシックなMMOを意識した作品だったこともあり、『EverQuest』のような2000年前後にリリースされたMMORPGと類似する部分も多い。


『NGO』の開発者であるJoe Leonard氏いわく、「7月5日に日本語版を公開してから、日本での売れ行きが急激に加速した。13日までの1週間は、『NGO』の売上全体の34%が日本からの購入だった。このままの勢いならば、本作において売れている言語としてはアメリカを抜いて日本語がトップになる可能性もある」と述べている。

開発チームの方針として、固有名詞はあえて翻訳しないとのこと。言語間での混乱を防ぐためと思われる。


なぜここまで、日本からの購入が増えたのか。Leonard氏は理由について、「トレジャーハンティングとダンジョンクローラーというジャンルが日本で根強い人気があるからではないか」と考えているようだ。これらの要素を持つ『EverQuest』や『ウィザードリィ』シリーズが日本で人気があることから、Leonard氏は『NGO』も日本のプレイヤーに興味を持ってもらえると以前から考えていたという。実際に、日本語対応が完了するより前から、日本人プレイヤーが本作のプレイ動画をYouTubeにアップロードしていたとのこと。それを見たLeonard氏は「できるだけ早くローカライズを進めなくてはと思った」と述べている。

※ Leonard氏は、本作が日本で好評な理由について、バーチャルVaultBoyのたまチャンネルの動画による影響もあげている

もちろん、日本語に対応したことも売上につながる重要な要素だろう。Leonard氏にとって、日本語対応に協力してもらえるプレイヤーとのつながりができたことも幸運だったという。日本語ローカライズに協力したばんちゃん氏に対して、「翻訳を担当してくれたうえに、日本のゲーミングコミュニティを紹介してくれた」と、深い感謝を述べている。ばんちゃん氏を含む一部プレイヤーの支持により、日本での人気が広まりつつある『NGO』。これに応じる形で開発チームは公式Discordサーバー内に日本語用のチャンネルを設けている。プレイヤーからの質問や意見に対して、開発チームが(おそらく自動翻訳ツールを介して)日本語で回答する場になっている。英語が読めないプレイヤーも参加できる空間として、このチャンネルが情報共有に一役買っているようだ。

日本に3年間住んでいたことがあるというLeonard氏。本作がここまで日本で人気になるとは思っていなかったようで、反響に対して「驚いている」とも語っている。『NGO』は自身がプレイしていた『ファンタシースター』シリーズや『シャイニング・ザ・ホーリィアーク』といった日本のRPGの影響を受けているとのこと。現在購入を検討しているプレイヤーに対して、「『NGO』のグローバルな成長を見届けるとともに、プレイヤーと一緒にゲームコミュニティを構築したい」とコメントしている。

Twitterにて『Nevergrind Online』にて検索をかけてみると、数多くの日本人Steamerが本作を楽しんでいる姿が見受けられる。Leonard氏はさまざまな好調の要因をあげてくれた。しかしそれらの理由の大前提として、国内のコアなSteamerが本作を楽しそうに遊んでいる様子が良い影響を及ぼしているというのは間違いなさそうである。

『Nevergrind Online』はPC(Steam)にて、早期アクセス配信中。価格は2050円。正式リリースまでは1年を見込んでいるとのこと。