『The Last of Us Part I』への「ぼったくり」との批判に関係者らが反論。『The Last of Us Part II』並のクオリティを目指して再構築している

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Naughty Dogが手がけ、PS5向けに9月2日発売予定の『The Last of Us Part I』。本作の価格設定について一部に批判的な意見があり、開発者が反応しているようだ。海外メディアKotakuなどが報じている。

『The Last of Us Part I』は、PS3向けに2013年に発売されたサバイバルアクションゲーム『The Last of Us』のフルリメイク版だ。シングルプレイのゲーム本編と、オリジナル版では追加エピソードとして配信された、エリーの前日譚などを描く「Left Behind -残されたもの-」が収録。Naughty Dogがもつ最新PS5エンジン技術を駆使し、根幹からすべてをリメイクし、現実味のあるビジュアルを実現しているという。より精度の上がった環境ストーリーテリングやエフェクト、フェイシャルアニメーション、臨場感の増した探索や戦闘により、かつてない没入感を味わえるとアピールされている。また、ゲームプレイの仕組みや操作性、アクセシビリティのオプションなども、全面的にアップグレードされているそうだ。

本作は、今年6月に開催されたイベントSummer Game Festにて発表。ステージではトレイラーが公開されたのち、PS4向けリマスター版との比較にて、上述した最新のビジュアルが披露された。また、同日より予約受付が開始され、本作の価格が明らかに。その価格設定について、一部のゲーマーから批判的な意見が上がっているようだ。

Bend StudioのシニアアニメーターであるRobert Morrison氏は7月10日、「本作は、ただのぼったくりだ(It’s just a cash grab)」という何者かのコメントを引用し、意見を述べている。同氏は、シネマティックアニメーターとして本作の開発に参加した人物だ。“ぼったくり”というのは、本作はリメイク作品であり、またマルチプレイモードが削除されているにもかかわらず、フルプライス(69.99ドル/8690円)で販売されることに対する批判である。

Morrison氏は、自身が携わったあるいは目にしたプロジェクトのなかで、本作はもっとも細部まで行き届いた開発がおこなわれたとコメント。ディテールへの配慮は最高レベルだったとし、チームの仕事ぶりには感心していると述べている。ちなみに同氏は、『ゴッド・オブ・ウォー(2018)』や『バイオハザード7 レジデント イービル』などにも携わった実績をもつ。Morrison氏は、価格についてどう感じるかは人それぞれだとしているが、フルプライスの価値がある作品だと言いたいのかもしれない。

本作では、原作当時には技術的に不可能だった表現を、最新技術を用いて実現しているという。グラフィック面に関してはいちから再構築された。アニメーションディレクターのJeremy Yates氏は、その“再構築(Rebuilt)”という言葉は、マーケティングの戦略として使用したわけではないとコメント。PS5向けに先行してリリースされた『The Last of Us Part II』と同等のクオリティにすべく取り組んだそうだ。

こうした開発者らのコメントに対しては、擁護する意見が少なくないが、依然として価格面などの不満を述べるリプライもみられる。Naughty Dogは、本作のビジュアルや技術、そしてゲームプレイをさらに紹介する機会を、発売日までに設けるとしている。本作がフルプライスの価値があるのかどうかは、そうした続報を見てから判断しても遅くはないだろう。

なおNaughty Dogは7月12日、本作の開発が完了したと発表している。遅延なく発売されることがほぼ確定したといえそうだ。『The Last of Us Part I』は、PS5向けに9月2日発売予定。また、PC版の開発も進められており、こちらの発売日は未定である。

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