ゲーム開発ツール「Cocos Creator」がNintendo Switch対応へ。『モンスト』でも採用されたエンジンを搭載、初のコンソール対応

 

Cocos Technologyは本日6月30日、同社が提供しているモバイル向けゲームエンジン「Cocos Creator」が新たにNintendo Switchに対応することを発表した。このエンジンは開発者向けに、無償で提供されるとのこと。

Cocos Creatorは、Cocos Technologyが提供するモバイルゲーム用の統合開発環境だ。核となるのはオープンソースのフレームワークとして開発されたCocos2d-x。2Dゲームに特化したCocos2d-xをもとに、ユーザーインターフェースや3Dゲーム開発に必要な機能を搭載したものがCocos Creatorだ。シーンエディターやアニメーション機能を備え、さまざまなスマートフォン用OSとブラウザ間のクロスプラットフォームでの開発に対応。今回対応するCocos CreatorはC++言語で記述されており、JavaScriptとTypeScriptをサポートしている。


特筆すべきは、Cocosシリーズのモバイルゲーム市場での採用数の多さだ。現在、Cocosが使われているゲームは25000本以上。中国の企業が管理していることもあり、公式発表によれば中国国内でのモバイルゲーム市場でもっとも使用されているエンジンだという。特にCocos2d-xの導入例は多く、日本でも知名度の高い『モンスターストライク』『LINE:ディズニー ツムツム』『ポケモンマスターズ EX』などの作品での採用実績があり、大手・インディー問わず幅広いゲームがCocosで動いている。多様な動作環境に対応し、軽快であることが採用数の理由だろう。


Cocosにとって、今回のNintendo Switchへの対応が最初のコンソールゲームへの対応となる。現在Nintendo Switch向け作品で多く使われているのはUnityだ。UnityはNintendo Switch向け作品の約半数で採用されていると同時に、モバイル向けのシェアも多く獲得している。今回Cocos CreatorがNintendo Switchに対応したことで、モバイル向けに開発した作品のNintendo Switchへの移植が容易になる可能性もある。なお、Cocos CreatorはMITライセンスで配布されている。そのため、著作者の表記などの条件を満たすことで、デベロッパーの規模を問わず無償で利用することができる。現状のままであれば、これからゲームを作ろうというデベロッパーにとって選択肢になりうるだろう。Nintendo Switch向けの移植・新規開発のいずれも促進されるかたちだ。

Nintendo Switch用のCocos Creator for Nintendo Switchは、開発者向けポータルNintendo Developer Portalにて提供される予定。提供は7月上旬より開始する見込みだ。詳細は公式ブログをされたい。


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