『VALORANT』人気ストリーマーの差別発言に全世界から批判殺到。ひどすぎて、開発者直々にRiot Games作品から永久追放される

 

『VALORANT』において、人気ストリーマーがボイスチャットで発したあるまじき暴言に、全世界から批判が殺到している。渦中の人物であるIShowSpeed氏は、Twitchではアカウントを永久停止されているなど、以前から問題発言を続けていた、いわゆる過激派ストリーマーのようだ。


IShowSpeed氏はYouTube上で活動するゲーム配信者であり、チャンネル登録者数は記事執筆時点で700万人を超える人気ストリーマー。カメラの前で暴れまわったり、味方プレイヤーに対して暴言を発したりといった過激な配信スタイルが、注目を集めているようだ。同氏は昨年末に、人気ストリーマーAdin Ross氏が主催する「E-Date」と呼ばれるTwitchの企画配信において、インフルエンサーであるAsh Kaashh氏と共演。同配信内でIShowSpeed氏がKaashh氏に対しておこなった、恫喝の入り交じるセクハラ発言が原因で、Twitchのアカウントを永久停止されている。

そんなIShowSpeed氏の『VALORANT』配信におけるボイスチャットでの暴言が、物議をかもしている。問題となっているのは4月7日、Full Squad GamingのオーナーであるJake Lucky氏によってツイートされた、IShowSpeed氏の配信クリップだ。

1対1の撃ち合いに負け、クラッチチャンスを逃したIShowSpeed氏。ボイスチャットで残り時間や相手の位置などをこまめに報告していたチームメイトに対して激怒し、「黙れ」「俺は初心者(Noob)じゃないんだ」「分かったな?」などと叫び続けている。見かねた別のチームメイトが不満を漏らすと、同氏はさらにヒートアップ。声をかけた女性プレイヤーに対して、「女が話しかけてくるな」「こんなゲームやめて夫の皿でも洗っていろ」などという女性蔑視発言が飛び出したのである。その後1分ほど、汚い言葉をまじえて大声で暴言を吐き続けた。試合に負けた後も、そうした暴言は続いている。

このクリップおよびツイートは、瞬く間に世界中で話題となった。Riot Gamesにてゲームプロデューサーを務めるSara Dadafshar氏も、これに強く反応。「こんなプレイヤーは私たちのゲームコミュニティに必要ない」としたうえで、IShowSpeed氏を『VALORANT』のみならず、Riot Gamesのすべての作品から永久追放すると言い渡した。さらに、YouTubeのゲームクリエイター部門でグローバルヘッドを務めるLester Chen氏も同ツイートへのリプライで、本件に対応中であることを示唆している。

こうした反響を受けて、IShowSpeed氏は、Jake Lucky氏とLester Chen氏に向けて謝罪動画をツイート。言い訳するつもりはない、としつつも、クリップが数か月前の配信内のものであることや自身の若さを引き合いに出し、「あのころの自分とはもう違う、成長したんだ」と弁明した。しかし、そのあとにおこなわれた“you guys might not see me no more.(君たちはもう僕を見られなくなるかも)”と題された配信で、同氏は再び『VALORANT』をプレイ。配信内では、女性プレイヤーに対してボイスチャットで独身かどうかを尋ねるなど、反省の色は一切見られないようだ(該当部分は削除済み)。

オンラインゲームにおける、ボイスチャットやテキストチャットでの暴言・差別発言は、過激派ストリーマーに限った問題ではない。昨今では、そうした発言をおこなう悪質なプレイヤーに対して、アカウント停止などの罰則を設けているゲームがほとんどだ。今回、問題の現場となった『VALORANT』においても、暴言プレイヤーへの対策は試みられている。先日、北米で限定配信されていたパッチ4.05のPBE(パブリックベータ環境)では、暴言検出のためのボイスチャット録音および音声検出機能がテスト実装されていたようだ。将来的にはこの機能が、本作から暴言プレイヤーを一掃してくれることに期待したい。また、『VALORANT』には報告機能も用意されている。悪質なプレイヤーから暴言を受けた場合は、迷わず報告機能を活用しよう。