Nintendo Switch(有機ELモデル)のディスプレイはいつ焼き付くのか。海外ユーザーによる1800時間検証の結果は

任天堂が今年10月8日に発売した、Nintendo Switch(有機ELモデル)。有機ELの特性による「焼き付き」が発生しやすい懸念があった。その懸念について、海外YouTuberが実際に検証したようだ。

任天堂が今年10月8日に発売した、Nintendo Switch(有機ELモデル)。有機EL(OLED)ディスプレイ搭載で、色鮮やかかつ黒のコントラスト際立つ映像を楽しめる。しかし、有機ELの特性による「焼き付き」が発生しやすい懸念があった。その懸念について、海外YouTuberが実際に検証したようだ。


有機ELディスプレイは、有機物の発光現象を利用して映像を表示する装置だ。液晶ディスプレイでは、液晶素子で光を遮って映像を表示する仕組みになっている。一方で、有機ELディスプレイでは素子そのものが発光して映像を表示する。そのため、素子の劣化が蓄積して、一部の描画が暗くなってしまうような現象(焼き付き)が起こりやすい傾向がある。Nintendo Switch(有機ELモデル)においても、この焼き付き現象はユーザーの懸念の対象だ。任天堂側は、搭載の有機ELディスプレイが可能な限り長寿命となるよう設計しているほか、スリープや輝度調整などNintendo Switchの機能を活用することで焼き付きを抑えられるとしていた(関連記事)。

しかし、実際のところはどうなのか。有機ELの原理上、焼き付き現象は避けられないにしても、いつ焼き付くのかは気になる点だ。そうした疑問を、長時間にわたって検証したユーザーがあらわれた。YouTuberのBob Wulff氏だ。同氏はNintendo Switch(有機ELモデル)の有機ELディスプレイを、1800時間にわたって同じ表示のまま放置。焼き付きが発生するのをひたすら待ち続けたのだ。実験の様子は、Wulff氏のYouTubeチャンネルに投稿されている。

Wulff氏が実験用のタイトルとして選んだのは、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』だった。理由としては、多くのプレイヤーが長時間遊んでおり、ディスプレイに負荷がかかりやすい明るい描写が多いからだそうだ。実験場所としては、昼夜の変化や敵の出現などがない「試練の祠」の内部をチョイス。白く輝く天井を見上げたアングルで固定している。有機ELにとっては厳しめの環境だ。しばらくはゲームを起動しっぱなしにしていた同氏だったが、ニンテンドーアカウント関係の兼ね合いでスクリーンショットを表示しっぱなしにする方針へと変更している。

そして、実験を開始して約1800時間。結論からいえば、焼き付きは「ほとんどない」という驚くべき結果が出た。ほぼディスプレイを使用していない方の実機と比較しても、焼き付きの気配はほとんど見られない。Wulff氏によれば、強いていえば天井の白い部分がやや暗く見えるとのこと。同氏は、有機ELディスプレイの個体差の可能性もあるものの、Nintendo Switch(有機ELモデル)のディスプレイパネルはサムスンが単独で提供しているはずなので、個体差による変化とは考えづらいと見解を示している。ただ、さまざまな画像を表示してみても、天井を表示していた部分だけが焼き付いているような気配はなかったようだ。Wulff氏は、今後も同じ実験を継続するとのこと。

Image Credit:Bob Wulff on YouTube


1800時間といえば、1日5時間ゲームをプレイしても約1年はほとんど焼き付きが起こらない計算になる。一方で、ユーザーによって焼き付きへの感覚も違い、「ゲーム画面が絶えず動いていたらどうなのか」といった点も気にはなる。しかし、少なくとも極めて短期間で焼き付きが発生する心配はなさそうだ。クリスマスや年月年始にNintendo Switch(有機ELモデル)を購入することを検討していた人にとっては、嬉しい検証と結果かもしれない。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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