荷ほどきゲーム『Unpacking アンパッキング』にて、「ゲームキューブ」が分からないユーザーがチラホラ。開発者はせつない

 

オーストラリアのインディースタジオWitch Beamが手がけ現在配信中のパズルゲーム『Unpacking アンパッキング』。引越し先での荷ほどきをテーマにした作品であり、プレイヤーは段ボール箱からアイテムを取り出しては、各部屋に配置していく。次の引越し先(ステージ)へと進むには、それぞれのアイテムに相応しい場所に配置する必要があり、たとえば調理道具はキッチンに、衣類であればクローゼットに仕舞わなければならない。

ただ、特定のアイテムについてそれが何なのかが分からず、どこに配置すれば良いのか迷うプレイヤーもいるようだ。SNS上では「これは何?」と質問する人がみられ、なかには世代の違いを実感させられる内容もある。海外メディアPolygonが報じている。
 

 
SNS上では、横に取っ手のようなものが付いた青色の四角い箱について、これは何なのかや、どこに置けば良いのかを質問する人が複数みられる。結論からいうと、本作の開発元いわくこれは“とある古いゲーム機”である。あえて固有名詞を述べていないが、ニンテンドー ゲームキューブをモチーフにしていることは明らかだろう。実は本作には、特徴的な専用コントローラーも用意されており、共にテレビのある場所の近くに配置するのが正解である。

ドット絵とはいえ細かく表現されているため、知っている人ならすぐにゲームキューブであると判別できるはず。ただ、質問者はこれが何か分からなかったようだ。ゲームキューブは2001年に発売され、2006年には後継機であるWiiへと世代交代した。当時をリアルタイムで過ごした世代でなくとも、ゲーマーであればゲームキューブの存在を知っている人は多いだろう。とはいえ、20年前のゲーム機である。若い世代のなかでも過去のゲーム機への興味が薄い人となると、ゲームキューブを知らなくても不思議ではない。

こうしたユーザーの反応に、本作のゲームデザイナーSanatana Mishra氏は、世代間のギャップを感じた様子。ネット上では、知っていて当然と思っていたものが最早そういう時代ではないと知った際に、歳をとったと感じる家電やエンタメ作品などがミームとして紹介されることがある。同氏は、ゲームキューブもそうしたミームのひとつになりつつあると実感したようだ。
 

 
ちなみに本作では、1997年を皮切りに、少しずつ年月が経過するかたちでステージが進行していく。このなかではゲームキューブ以外にも、WiiやPS2、Xbox 360らしきゲーム機や、それぞれのコントローラーも登場。また、対応ゲームのパッケージも、特徴を捉えたドット絵にて表現されている。

本作のアイテムのなかにはインタラクトできるものも存在し、実はテレビの側にゲーム機を置くことでゲームを起動可能だ。実際にプレイはできないが、開発元Witch Beamが以前手がけた『アサルトアンドロイドカクタス』などのオマージュや、同スタジオの次回作とされる未発表の『TemPoPo』らしき画面を見ることができる。
 

 
SNS上ではほかにも、本作に登場するさまざまなアイテムについての質問がみられる。多くの場合は、世代による認知度の違いというよりも、個人的に、あるいは文化・地域的に馴染みがないため、分からなかったようだ。開発元が意図したことかどうかは不明だが、友人などとコミュニケーションをとりながら、そうしたアイテムについて調べて配置場所を探すことも、本作の楽しみ方といえるかもしれない。

『Unpacking アンパッキング』は、PC(Steam/Humble Store/Microsoft Store)/Nintendo Switch/Xbox One向けに国内配信中。Xbox Game Pass向けにも提供されており、ゲーム内は日本語表示に対応している。