『マインクラフト』にて、谷岡久美氏による音楽が実装される。日本人として堂々の楽曲提供

 

Mojang Studiosは10月20日、『マインクラフト』Java Edition向けのスナップショット21W42Aを公開。大型アップデート「Caves & Cliffs(洞窟と崖)」第二弾のコンテンツの一部がテスト的に先んじて実装された。新たなBGMも導入され、その中で日本人作曲家の谷岡久美氏が、同作に楽曲を提供していることが明らかになった。


谷岡久美氏は、広島県出身のコンポーザー。神戸大学を卒業し、1998年にはスクウェアに入社。スクウェアおよびスクウェア・エニックスのさまざまな作品に携わった。同氏の代表作といえるのが『ファイナルファンタジーXI』および『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル』。『ファイナルファンタジーXI』では、グスタベルグ地方を彩る音楽Gustabergや、闇の王との戦闘を盛り上げるAwakeningを制作。『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル』では、曲全般のほか、主題歌であるカゼノネやエンディング曲である星月夜を手がけた。ファンタジーな世界観を、音楽をもって鮮やかに演出したわけだ。

2009年にはスクウェア・エニックスを退社しフリーに。『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル』シリーズ関連作に加えて、『ラグナロク・オデッセイ』や『逆転オセロニア』など、メーカーやゲームタイプを問わず数多くの作品に携わった。最近では、サウンドプロダクションATTIC INC.と共に作品に携わることが多く、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』ではATTIC INC.のチームとして、楽曲制作に参加していた。


活躍の場をさらに広げていた谷岡氏はなんと、『マインクラフト』の作曲に携わっていたようだ。現在公開されているのは、Floating DreamとComforting Memories、そしてAn Ordinary Dayの3曲。ピアニストとしても活躍する同氏の、ピアノ音がゆっくりと流れていく非常に落ち着いた楽曲群となっている。日本人コンポーザーとして、堂々の『マインクラフト』作曲家デビューを果たしている。

「Caves & Cliffs(洞窟と崖)」では、主にLena Raine氏が作曲を担当。同氏は『Celeste』にてアンビエントで美しい音楽を手がけたコンポーザー。『マインクラフト』でも、そうした氏の持ち味が出ており、そこに谷岡久美氏の新たな息吹が吹き込まれたわけだ。谷岡氏も、Raine氏と共に作曲できたことを光栄に思うと喜んでいる。


谷岡氏の音楽を正式に『マインクラフト』で聴けるのは、年内配信予定の「Caves & Cliffs(洞窟と崖)」第二弾アップデート後となる。ただし、音楽はすでに先行配信中。SpotifyApple Musicを介して聴くことができる。もちろん、スナップショット21W42Aを介して聴くことも可能。その美しい音色に浸るといいだろう。




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