国内ゲーム会社アリカ、同社への脅迫被害と犯人の有罪確定を公表。脅迫への毅然とした態度を示す


国内デベロッパーのアリカは10月25日、同社および同社役員に向けた脅迫文が送られた事件について公表した。プレスリリースによれば、容疑者は2019年に同社Web窓口宛に脅迫文を送信。被害届の提出や捜査を経て、今年2021年10月5日に有罪が確定したとのこと。

アリカは『FIGHTING EX LAYER』や『ストリートファイターEX』シリーズなど、数多くのタイトルを手がける国内デベロッパーだ。代表取締役はかつてカプコンにて『ストリートファイターII』などに携わった西谷亮氏。同社は対戦格闘ゲームのほか、傑作ゲームを多人数対戦化した『TETRIS 99』『PAC-MAN 99』など、幅広い作品の開発を担当している。


プレスリリースによれば、今回有罪が確定した人物は2019年9月3日、アリカWeb窓口宛に同社および役員の殺害をほのめかす文章を送った。同社は同日中に警察に通報し、同年11月15日に被害届を提出した。その後、2020年10月上旬には警察による容疑者本人への取り調べがおこなわれ、罪状を確認。今年2021年4月13日に書類送検となり、容疑者が罪状を認めたため9月には略式手続がなされ、今月10月5日に有罪判決が下ったとのこと。

なお、今回の脅迫被害について現在まで伏せていた理由としては、警察から「捜査協力の為に情報公開を控えてほしい」との要請があったそうだ。また、同社は「脅迫行為は決して許される物ではなく、弊社は今後もこの様な行為に対して毅然とした態度で対応してまいります」と発表を締めくくっている。

アリカへの脅迫被害があった直後である2019年10月前後には、アリカ取締役副社長の三原一郎氏が、自身のTwitterアカウントにて脅迫被害に関するツイートを投稿していた。同氏は脅迫犯逮捕の報を取り上げていたほか、後述のスクウェア・エニックス脅迫犯逮捕に触れて、脅迫への対応を示唆していた。

ゲーム会社を脅迫した容疑者が逮捕された事例としては、2019年から今年にかけて、スクウェア・エニックスに対する別々の脅迫事件で、脅迫をおこなった会社員など複数人が逮捕された例がある(関連記事)。こちらのケースでは生放送イベントが中止に追い込まれるなどの被害も出ていた。実際的な被害の有無に関わらず、脅迫は許されざる行為だ。今回のアリカによる毅然とした対応が、脅迫加害の抑制に繋がることを祈りたいところである。




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