終末系テキストADV『ナツノカナタ』Steamにて無料で早期アクセス配信開始。通話越しに描かれる、終わってしまった世界の夏の旅

国内の個人開発者Kazuhide Oka氏は8月5日、『ナツノカナタ』の早期アクセス配信を開始した。『ナツノカナタ』は、少女と終わってしまった世界を旅する、終末系テキストADVだ。

国内の個人開発者Kazuhide Oka氏は8月5日、『ナツノカナタ』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は無料。早期アクセス版では、シナリオの前半部分がプレイできる。また、早期アクセス期間終了後も、本作は無料で配信される予定だ。
 

 
『ナツノカナタ』は、少女と終わってしまった世界を旅する、終末系テキストADVだ。ある夏の日。平穏な世界に住む主人公は、祖母の遺品整理中に古いコンピューターを発見。思い出を期待して、中の映像データを開こうとする。しかし、コンピューターから聞こえてきたのは、知らない少女の声だった。

彼女は、東京に住んでいた高校2年生の少女ナツノ。ナツノの住む世界では、感染すると身体が崩壊し、正気を失って人を襲うようになる未知のウイルスによるパンデミックが半年前に発生。ナツノは、1か月前に東京を脱出し、両親や友達ともはぐれてしまったため、北に向かって1人で旅をしてきたという。世界を隔てて繋がる謎の通話。未知のウイルスで崩壊した世界と、何も起こっていない世界。主人公は、偶然通話が繋がったナツノの話し相手となり、画面越しに夏の旅路を見守り、終末を迎えた世界の謎にも迫っていく。
 

 

 
終末世界を旅するナツノは、放置されたキャンプや廃屋、誰もいない美術館などを探索する。時折感染者とも戦いながら、物資を収集。集めた素材を使って料理や新たなアイテムを作り出し、日々を生きる。

ナツノは自発的に探索を進めるため、プレイヤーは彼女の行動をただ見守っていてもいい。しかし、ナツノが主人公に意見を求めるシチュエーションも存在するほか、通話越しでの行動の指示もできる。たとえば、ナツノが部屋の中を探索する際には、木箱を調べるように提案したり、逆に棚を避けるように注意したりなど、状況に応じてナツノと会話。プレイヤーがナツノに話しかけることで彼女の行動に干渉し、状況に応じた行動を取らせられるわけだ。なおテキスト入力欄に単語を打ち込むと、主人公の声がナツノに聞こえる。キーボードを使った入力の代わりに、赤い単語をクリックしてもテキストが入力される。
 

 
またナツノは、探索中にほかの生存者とも出会う。世界崩壊前に何らかの理由で集められた人々と暮らし、マイペースで掴みどころのない女性アカネ。飼い犬を探して1人旅をする、引っ込み思案な少女キコ。写真の場所を探して旅する少女シノを含めたキャラクターたちが登場。行動を共にすると、新しい友人の想いに触れる機会もあるようだ。通話越しにナツノと交流を重ねる中で、終わってしまった世界の夏の旅が描かれていくのだろう。
 

 
本作は、企画/制作/シナリオをKazuhide Oka氏、キャラクターデザインをChiji氏、サウンドをruchiro氏が担当して開発が進められている。Kazuhide Oka氏の過去のツイートでは、本作を指して「読むローグライク」とも称されており、小説を読んでいるような体験を目指して開発されてきたようだ。

また、Steamのストアページによると、本作は最低6か月間の早期アクセス配信が予定されている。ユーザーのフィードバックを経て、よりよい体験を作り出すために早期アクセス配信を採用。現在はシナリオの前半部分がプレイ可能で、フルバージョンではシナリオの完結、アイテムやロケーションの追加、イベントの追加などが予定されている、。フィードバックによって、不足しているシステムの追加やストレスになる仕様の改善も考慮されているようだ。なおフィードバックは、Steamの掲示板や公式Twitterなどさまざまな場所で求められている。
 

 
ナツノカナタ』は、Steamにて無料で早期アクセス配信中。フルバージョンも、無料配信が予定されている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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