『Apex Legends』レイスとワットソンの調整方針を開発者が語る。レイスの無双は止められるのか、ワットソン大幅強化はありえないのか

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Apex Legends』キャラクター群の中でも人気の高い、レイスとワットソンのコンビ。クールで影のあるニンジャな女性と、天真爛漫でちょっぴりクレイジーな科学者の少女は、間違いなく本作に花を添える存在だ。しかし、戦闘シーンにおける両者の立場は大きく異なっている。かたや屈指のピック率を誇り、いかなるナーフもはねつける盤石の強キャラ。かたや通常のマッチではほとんど見られない、玄人向けのレアキャラ。それぞれの調整方針について開発者の口から語られているため、詳しくチェックしてみよう。
 

 
レイスの調整については、その難しさが以前より語られてきた。前シーズンのパッチ6.1では、「“ナルト走り”ができなくなる」という奇妙なナーフが施された彼女。この忍者ナーフは、開発チームによる苦肉の策だった。開発陣がレジェンドごとの能力を評価した際、「プレイヤーによるレジェンドの選択率」「レジェンドが相手をダウンさせた割合とダウンさせられた割合」「対象レジェンドを含む3人チームの勝率・上位入賞率」などの情報が検討される。そして、いずれのデータでも傑出した結果を残しているのがレイスだった。

彼女に対しては、アビリティのクールタイムや有効距離の修正など度重なる変更が加えられてきた。しかし、どれだけ弱体化を図ってもレイスはものの数週間で成績を回復してしまう。次元移動を用いた能力はソロ・パーティプレイ双方でも実用的。おまけにキャラクター人気も根強いことが、レイスの独走を許している状態だった。開発チームは、これ以上彼女のアビリティを弱体化することはプレイの楽しさを損なう限界点だと判断。代わりにスプリント時のモーションを変更し、当たり判定を大きくするという搦手の判断に至ったのだ。
 

 
どうやら、この調整と同じ方針が今後も続きそうな見込みだ。ポッドキャスト「The Third Party」にて、ゲームデザイナーのDaniel Zenon Klein氏が語っている。今後も彼女の能力については極力手を加えず、代わりにヒットボックスを拡大する方向へ舵を切っていくという。Klein氏によれば、来たる取り組みはパスファインダーにおこなった処置と似たものになるとのことだ。

パスファインダーといえばシーズン7にて、ヒットボックス20%増大という大幅な逆ダイエットを施された(関連記事)。レイスについてもまだ確定ではないが、同様の調整方針が採られるようだ。Klein氏としては、もし当たり判定の調整で折り合いがうまくつけば、能力を強化することも視野に入れたいとのこと。一方、この施策でも改善が見られなければお手上げかもしれない。まだ計画は始まったばかりで、テクニカルアーティストに調整を打診したばかりだという。レイスの覇道をコントロール下に置くことは、現在の開発チームにとって大きな目標となっているようだ。
 

 
対するワットソンについては、まずユーザーの側から声が上がっている。海外掲示板Redditで「お願いだからワットソンを強化して」というスレッドが立てられ、切々とワットソン強化の必要性が解かれている。曰く、開発チームは彼女のピック率の低さを認識しているにもかかわらず、シーズン7で大した強化を与えなかった。戦術アビリティのフェンスは多くのレジェンドにとって回避・破壊可能であり、ウルトもありがたみが薄い。ライフラインやミラージュがリワークで人権を獲得したのと同様、ワットソンも防衛レジェンドとして大幅に見直しを図ってほしい。この嘆願は多くの反響を呼び、1万5000件ものUpvoteを獲得している。
 

 
本スレッドに反応を返したのもKlein氏。レイスと異なり、同氏はワットソンの強化に対しては慎重な構えだ。まず同氏は、ワットソンが競技シーンで大きな活躍を見せていることを強調。ALGS(『Apex Legends』の公式大会)では50〜60%の割合でチームに所属しており、篭城系の彼女がいることでチームの個性が定まるなど、大きな役割を果たしているとした。

とはいえプロシーンの人口は全体のユーザーから見ればほんのわずか。確かに一般人枠で見ると、ワットソンのピック率は最低に近いという。しかしKlein氏が指摘するのは、「ピック率と性能の良し悪し」は必ずしも一致しないという点だ。事実、ワットソンの勝率自体は実は初心者〜高ランク帯のいずれでも高く、トップ4に入る実力をもっているという。ワットソンは決して弱い部類のキャラクターではないのだ。では、なぜプレイヤーにとって彼女は選ばれづらいのか。
 

 
Klein氏はその原因が、各レジェンドによる成功体験と満足感にあると推測している。たとえば「パスファインダーの成功体験」は、チームを高所へ連れていくことだ。有利なポジションからの奇襲に成功すれば、プレイヤーは自然と達成感を得られる。あるいは「ブラッドハウンドの成功体験」なら敵を検知し、迎撃することだろう。うまく相手の位置を割り出しチーム間で共有できれば、索敵係として仕事をした満足感が得られる。つまり「何かを成し遂げた」という実感がいずれのレジェンドにもあるわけだ。

ところがワットソンはどうだろう。彼女の仕事はフェンスを建て、敵の侵入を未然に防ぐこと。すなわち「何も起こらないこと」こそがワットソンのプレイにおける成功なのだ。周辺セキュリティのおかげで敵がやってこないこと。インターセプターパイロンのおかげで敵がグレネードを投げられないこと。こうした“ないこと”の積み重ねこそがワットソンの勝利といえる……のだが、それゆえに彼女をプレイしていて「何か役割を果たした」と実感できるタイミングは限られている。すなわち、プレイしていて得られる満足感が少ないからこそ、一般ユーザー間でのピック率が低くなるわけだ。ちなみにこれはオクタンと対照的で、彼は勝率が低いにもかかわらず、アビリティのエキサイティングさから高いピック率を誇る。
 

 
ワットソンは競技シーンで効果的に使われている。しかし一般シーンでは、プレイ時の満足感の低さから選ばれにくい。Klein氏によるワットソンの今後の見通しは、構築系レジェンドとしてのアイデンティティを損なうことなく、いかに直感的な楽しさを強化していくかという方向を向いているようだ。リワークによる再構築は確かに有望ではあるものの、レジェンドの作り直しは莫大なコスト=時間を必要とする。かつてライフラインやミラージュがリワークを受けた際は小規模な改修だったが、それでも複数の開発者が数週間かけてやっと完成させたものだ。ワットソンの将来も、時間をかけながらの調整となっていくことだろう。

なおワットソンの問題点に関し、オリンパスにおける不利さについてはKlein氏から触れられていない。現状としては複数のワットソン使いから「封鎖しづらい」「トライデントにパイロンを置けない」「上からふわっと着地される」などの嘆きが寄せられており、現環境との相性の悪さも逆風となっている向きはあるかもしれない。パイロンにEMP・ガス耐性を付与するなど、何らかのバフを望む声は少なくないといえる。
 

 
万能すぎるレイスにニッチすぎるワットソン。両者とも対照的な課題を抱えており、どちらの行末も気になるところだ。ちなみにシーズン7では、レイスとワットソンが同チームにいる際の特殊なセリフのやり取りがさらに追加されている。機会があれば、それらを確認してみると面白いだろう。

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