任天堂新作『バディミッション BOND』パッケージ「CEROアイコンの位置」がちょっぴり不思議。実は色々あった特殊CERO配置

 

任天堂は「Nintendo Direct mini ソフトメーカーラインナップ 2020.10」にて、『バディミッション BOND』を発表した。任天堂とコーエーテクモゲームスが開発するアドベンチャーゲームで、「アイシールド21」「ワンパンマン」などの作画で知られる村田雄介氏がキャラデザを担当。Nintendo Switch向けの野心的な新作として、2021年1月29日に発売される。同作はパッケージ版も発売されるのだが、パッケージのCEROアイコンの位置がやや不思議な場所に存在しているようだ。Twitterユーザーのnaruki氏が指摘している。

同作のパッケージデザインは、村田氏が描くキャラクターを押し出したものになっており、背景にはコマ割りのイラストが敷かれている。そして最下部には、ポップなタイトルロゴが映し出されている。緑を基調としつつ、漫画のようなゲームであることを想起させる、なかなか面白いパッケージデザインである。


興味深いのが「CEROアイコンの位置」だ。パッケージデザインにおいては、CEROレーティングを示すアイコンを左下に記載するのが通例。『バディミッション BOND』でもCEROアイコンが左下に存在するが、通常よりかなり高い位置に存在しているのだ。ゲームのパッケージデザインでは、CEROアイコンは一番左下に記載されることが多い。その通例はNintendo Switchでも同じ。ほとんどのタイトルは、左下の底部分に記載されている。比較してみると、『バディミッション BOND』の位置の特殊さがわかるだろう。


では『バディミッション BOND』だけが特別かといえば、そうでもないようだ。Nintendo Switchタイトルのパッケージをざっと1000本ほど確認してみたところ、いくつか同様のケースが存在した。まず『ポケットモンスター ソード・シールド + エキスパンションパス』だ。同作においては、CERO Aのアイコンが左下にあるが、他のタイトルの位置よりもやや上部。理由としては、注意喚起文が記載されているからだろう。同作には、エキスパンションパスが含まれているので、新規購入が必要ないことを、赤の背景帯にて注意喚起されている。この文章を邪魔しないために、CEROアイコンは上に追いやられたわけだ。


CERO Bの『リトルバスターズ! Converted Edition』もまた、アイコンの位置が特殊。プロトタイプから今年4月に発売された同作は、日本語だけでなく英語テキストも用意されている。日本語と英語をゲーム中に随時切り替えることができ、ちょっとした勉強材料にもなるわけだ。この機能がパッケージデザインでもプッシュされており、それゆえにCERO Bアイコンは少し上の位置に置かれているわけだ。


そして、さらにアイコンの位置が高いタイトルも存在している。コナミデジタルエンタテインメントが発売する『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』である。人気野球シリーズ『パワプロ』最新作であり、おなじみとなるサクセスモードは3本収録。eFootball ウイニングイレブン 2020』シリーズと同様に、eスポーツを意識したタイトル名になっている。『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』のパッケージイラストでは、CEROアイコンの位置がかなり高い。下からみていくと、2020-2021シーズン対応の文言が最下部にあり、その上に各プロ野球球団のアイコンやコピーライトが入っている。そしてようやく、CERO Aのアイコンが確認できるのだ。事情は違うとはいえ、『バディミッション BOND』にかなり近い仕様だろう。


実はNintendo SwitchパッケージのCEROアイコンの位置については、それほど厳しいレギュレーションはない。パッケージの左下範囲内に収まればいい、といった温度感である。なので、これらのCERO位置が特殊なタイトルもまた、ルールの範囲内でアレンジされているのである。CEROアイコンは、いわば単なる記号。動かす理由は特にないので、左下のお決まりの位置に置かれているのだろう。逆にいえば、CEROアイコンを動かしてでも、ロゴデザインの見栄えを優先した、『バディミッション BOND』のパッケージで事案への任天堂のこだわりが感じ取れる。

デジタルコミックスタイルのグラフィックが導入されるという、バディもののアドベンチャー『バディミッション BOND』は、2021年1月29日に発売予定だ。ニンテンドーカタログチケットの対象作品でもある。


※ ややケースは異なるが、『ふたりで!にゃんこ大戦争』のパッケージ版は、無理やり横向きにしたデザインとなっている。