『あつまれ どうぶつの森』のパッチノート記述が、どんどん細かくなっていく。「どひょうバグ」などの修正を丁寧に明記

 

任天堂は8月21日、『あつまれ どうぶつの森』更新データVer. 1.4.2を配信した。問題点の修正を試みる今回のマイナーアップデートでは、5つの不具合が修正もしくは改善されている。対応された項目は以下のとおり:

・「どひょう」が正しく表示されない問題を修正しました。
・特定の条件を満たすことで、夢を見るときにゲームが強制終了する問題を修正しました。
・光る地面が建物の裏などに発生することがある問題を改善しました。
・親密になった島民のどうぶつから送られてくることがある、特定の手紙が届かなくなっていた問題を修正しました。
・一部の通信環境においておでかけ通信ができない問題の改善を図るため、おでかけ通信時のMTU値を1364→1240に変更しました。

特に注目したいのは、一番上に連ねられている“どひょうバグ”への対応だ。どひょうバグとは、ローランなどから購入できる床であるどひょうを敷くと、床が壁紙と同じ柄になってしまうという混沌バグ。壁紙を床に敷けるということで注目を集めたが日本相撲協会など、どひょうを使うコーデ好きは困っていたことだろう。今回のアップデートにより、修正が果たされている。そのほか、8月にて実装されたゆめみに関するクラッシュや、光る地面のスポーンルールについて修正されている。

※ どひょうバグを紹介する動画

いずれも小さなバグで、ゲーム体験を著しく変えることはない。興味深いのは、むしろ内容よりも発表形式かもしれない。というのも、今回の更新データVer. 1.4.2のパッチノートは、かなり細かい。具体的な問題への言及に加えて、それらがどのバージョンで発生していたかが記載されている。さらにおでかけ通信問題の改善においては、おでかけ通信時のMTU値の数字変更についても開示している。

振り返ってみれば、『あつまれ どうぶつの森』発売当初の任天堂は、問題点修正についての内容開示にはやや消極的だった。Ver. 1.1.0での不具合修正は「そのほか、ゲームを快適に遊んでいただけるよう、調整や不具合の修正を行いました」という記述。Ver. 1.1.1での不具合修正は「ゲームバランスに影響を及ぼす重篤な不具合を修正しました」と記述するのみ。ちなみにVer. 1.1.1は、アイテム増殖バグを修正するパッチであった。今回のアップデート記載と比べれば、スタンスが異なることがわかる。メジャーアップデート時の不具合修正について内容を開示しないスタンスは現在も変わらないものの、何が修正されたかはっきり認識できるようになっている。


不具合修正については、Ver. 1.1.2では細かく記載されおり、それ以来具体的な修正報告がされることが多くなった。Ver. 1.2.1では再び曖昧な報告に戻っているが、基本的には細かく修正内容がわかるパッチノートになりつつある。そして今回のパッチノートでは、不具合が発生していたバージョンについても記載されるようになった。

『あつまれ どうぶつの森』ではさまざまな不具合が存在するが、すべてが一度のパッチで修正されるわけではない。今回対応されたおでかけ通信問題については、Ver. 1.3.0(7月頭の夏のアップデート)より発生していた現象。何が修正されたかだけでなく、いつから起こっていた問題か把握することができれば、プレイヤーはより安心できることだろう。


任天堂がパッチノートの記載方法を変えることはそう珍しくなく、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では、発売直後はファイターのバランス調整内容もざっくりと記載されていたものの、現在は専用ページが用意され、変更対象とその内容についてみっちり記載されている。『あつまれ どうぶつの森』は対戦ゲームではなくバランス調整というより不具合修正。ジャンルはかなり異なるものの、同様にプレイヤーに納得してもらえるように努めていることがわかる。

『あつまれ どうぶつの森』は全世界で2200万本以上を売り上げたメガヒットタイトル。全員を満足させることは不可能ながら、できるだけ多くのプレイヤーに納得してもらうために試行錯誤しているのだろう。同作のアップデート内容発表は月末の恒例となっており、秋イベントについても来週あたりに告知されることが濃厚。進化と変容を見せる『あつまれ どうぶつの森』は、その運営手法にも注目したい。