ディストピア2DアクションADV『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』Switch版5月7日発売へ。管理社会のリアリティーショーを描く

PLAYISMは4月23日、『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト(Ministry of Broadcast)』Nintendo Switch版を2020年5月7日に発売すると発表した。

弊社アクティブゲーミングメディアのインディーゲームブランドPLAYISMは4月23日、『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト(Ministry of Broadcast)』Nintendo Switch版を2020年5月7日に発売すると発表した。価格は税込1480円。なお、『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』は、先行してSteam版が発売中。Nintendo Switch版は、Steam版でリリース後に行われたバランス調整や簡単モードが最初から実装された状態でリリースされる。

『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』は、ディストピアを描いた2DアクションADV。チェコのインディーデベロッパーMinistry of Broadcast Studiosが、ジョージ・オーウェルの著作「1984年」の世界観をベースに開発した作品である。本作の舞台となるのは、全体主義思想の政府によって支配された国家。主人公は、壁によって家族と引き裂かれてしまった赤毛の男だ。

この国では、政府が主催するリアリティ番組「ウォールショー」が放送されており、番組に出演すれば壁の向こうへ行くチャンスがあると言われていた。主人公は亡命して再び家族と会うため、「ウォールショー」へと参加。番組への出演をとおして、管理社会の歪さや世界の構造について、知っていくことになる。果たして、壁の向こうにはたどり着けるのだろうか。

ゲームプレイでは、ギミックの用意されたステージを、ジャンプやぶら下がりなどを駆使し踏破していく。本作は古典的な2Dアクション『プリンス・オブ・ペルシャ』に影響を受けており、癖のある操作性も相まって、やりごたえのあるアクションが展開されていた。ダークな世界観を描いたナラティブを楽しみたいユーザーにとっては少々難しい内容だったが、簡単モードが実装されたことにより、幅広い層のプレイヤーが遊べる内容になっているだろう。また本作には、ドットによる2Dグラフィックを採用。緻密なドットアートによって、雪の降り積もった壁の中や、抗議活動をする市民、リアリティーショーのワンシーンなど、世界が表現されている。

本作を開発したMinistry of Broadcast Studiosは元々アートスタジオを運営していた夫婦と、プログラマー2名によるチェコのスタジオである。東ドイツ・ソビエト連邦に近いチェコの位置と、チェコの複雑な歴史。アメリカにおけるドナルド・トランプ大統領の就任、中国における管理システムといった昨今の情勢が「1984年」のテーマに似ている部分もあり、本作のテーマが決定。『プリンス・オブ・ペルシャ』を始めとしたアクションゲームの要素を組み合わせ、ストーリーも重視したいと考えた結果、『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』が出来たのだという。なお、弊誌には開発チームへのインタビューが掲載されている(関連記事)。『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』Nintendo Switch版は、2020年5月7日発売予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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