『Outer Wilds』シナリオライター、『The Outer Worlds』開発元に加わる。ややこしさ加速

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シナリオライター・ナラティブデザイナーのKelsey Beachum氏は4月15日、Obsidian Entertainmentに加入したことを発表した。今週より勤務し始めているようで、その興奮を伝えている。Beachum氏はシナリオライター・ナラティブデザイナーとして評価を高めており、その手腕が認められ、名門スタジオObsidian Entertainmentに採用されたのだろう。一方で、そのキャリア選択はややこしいものがあるようで、ユーザーの笑いを誘っている。

『Outer Wilds』
『The Outer Worlds』

Beachum氏はかつてMobius Digitalに所属し『Outer Wilds』を手がけ評価を高めていた。もともと報道機関The Onionにて科学雑誌の編集アシスタントを務めていた同氏は傍らで、契約スタッフとして、ゲームのシナリオライター・ナラティブデザイナーとして活動。持ち前の知識とライティング技術を活かし、活躍していた。

シナリオをリードした『Outer Wilds』については、Golden Joystick Awards を含めた6つのアワードで賞を獲得するなど、高く評価された。同氏は2017年からはフルタイムのゲームライター・ナラティブデザイナーとして活動しており、『Outer Wilds』以外にもInsomniac Gamesの『Stormland』や、『Dying Light 2』、『The Pathless』といった目玉の新作開発にも参加。そうした実績が買われ、ステップアップしたのだろう。

そして移籍先となるObsidian Entertainmentといえば、『The Outer Worlds』開発元である。つまり、『Outer Wilds』の開発者が『The Outer Worlds』開発元へと移ったわけだ。字面を見るだけでも、かなりややこしい。これはBeachum氏自身も発売当初からネタにしており、“『Outer Wilds』は「I(私)」が手がけたので「i」が入っている、そう覚えると便利でしょう“と語っていた。移籍に際しても、このジョークを披露しており、“Obsidianには「O」が入っているから、『The Outer W「o」rlds』を作った”と説明している。わかりやすいような、わかりづらいような。いずれにせよ、Beachum氏本人は楽しそうである。

『The Outer Worlds』と『Outer Wilds』がややこしいということについては、両作のパブリッシャーも困惑。カスタマーサポートにそれぞれ“逆”の問い合わせが届いているとして、ジョークまじりにお互いをいじりあっていた(関連記事)。共に評価が高い作品であり、メディア露出も多く、ごっちゃになりがち。このふたつだけでもややこしいが、1991年に発売された名作アドベンチャー『Outer World(アウターワールド)』や、Steam向けアクションRPG『Outward』が混ざってくれば、さらにややこしくなる。一方で、『Outer Wilds』開発者であったBeachum氏の、『The Outer Worlds』開発元への移籍は、そうしたやややこしさが結んだ縁と解釈することができるかもしれない。名門スタジオ移籍にあたり、Beachum氏のもとには数多くの祝福の声が寄せられている。

『Outward』

なお共通点といえば、『The Outer Worlds』と『Outer Wilds』共にEpic Gamesストア時限独占販売されたという点もあげられるだろう。ただし、先に発売された『Outer Wilds』は1年の時限独占期間を経て2020年6月18日にSteam版が配信予定。2019年10月発売の『The Outer Worlds』もSteamストアが用意されており、のちにSteamに加わることになりそうだ。

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