ネメシスがアンブレラ印の海パン一丁に。『バイオハザード RE:3』のMod、発売前から続々登場

Image Credit : TechPlusGame / カプコン
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カプコンが3月19日より配信している『バイオハザード RE:3』の体験版、『バイオハザード RE:3 Raccoon City Demo』。現行機ならではの密度で精彩に蘇ったグラフィックや、肩越し視点・緊急回避を使ったスタイリッシュなゲームプレイが楽しめるデモ版となっている。その中でも目玉となるのは、本作最大の脅威ネメシスとの遭遇だ。主人公ジルが所属するS.T.A.R.S.の隊員たちを抹殺するため、アンブレラ社が放った強靭な追跡者。兵装を用いた遠隔攻撃や触手による拘束など、原作以上の強敵となってプレイヤーを苦しめる。『バイオハザード RE:3』の顔ともいえるネメシスだが、一部の界隈ではすでに看板キャラとしての洗礼を受けているようだ。あるファンが早くもネメシスに改変を加えるModを公開したのである。その内容とは、ネメシスを海パン一丁の姿にしてしまうというもの。

Mod制作者のMarcos RC氏が作品を公開したのは3月26日のこと。動画内のネメシスはいつもの黒装束を脱ぎ、筋骨隆々たる肉体をあらわにしている。彫刻的ともいえるボディが唯一身にまとうビキニパンツは、ご丁寧にもアンブレラ社マーク入りだ。Marcos RC氏がベースとしたのは別のModクリエイター、MisterHecks氏が2019年に制作した作品。MisterHecks氏はすでに『バイオハザード RE:2』のタイラント(ミスターX)をビキニボーイ化するModを生み出している。

来月3日に正式版の発売を控える『バイオハザード RE:3』だが、リリースを待ちきれないファンたちの間からは早くもさまざまなModが生み出されている。海パンネメシスの作者はほかにも、ネメシスを「スパイダーマン」シリーズのヴェノムに、あるいは「IT」のペニーワイズに置き換えたりするお遊びModを公開している。同系統でいえば、もはや伝統芸と化した「きかんしゃトーマス」Modも忘れることはできないだろう(関連記事)。イジられているのはネメシスのみにとどまらず、主人公ジルの協力者・カルロスもコスプレModが登場している。こちらはカプコンつながりなのか、ロックマン風の出で立ち。わざわざ国内外で悪名高い旧北米版をモチーフとしている点が味わい深い。

また大きな潮流のひとつが、オリジナル版『バイオハザード3 ラストエスケープ』に近づけるタイプのものだ。たとえば海パンModのMarcos RC氏は、原作に近い造形のネメシスを『バイオハザード RE:3』に登場させるModも発表している。本作のネメシスは旧デザインからやや改変が施されており、強調された鼻や歯茎の落ちた口元に対し一部のユーザーから不満が寄せられていた。“Nemesis Classic”と題されたModは、1999年のPlayStation版に登場したネメシスに近いモデルを再現したもの。既存ファンに馴染み深い姿を最新作に登場させられる本Modは、当初のビジュアルを愛好するプレイヤーの間で人気を集めるかもしれない。

ちなみにオリジナル版デザインを指向するタイプとしては、ジルの服装を旧版に近いものに変更するModも登場している。かつてのジルはチューブトップにミニスカートというフェミニンな姿だったが、本作ではタンクトップにデニムジーンズのジェンダーレスなファッション。時代に合わせ、セックスアピールを抑えた服装に改めた旨をアートディレクター・Yonghee Cho氏が語っている。明確なデザイン思想のもと装いを新たにしたジルだが、20年来の姿への愛着を捨てがたいプレイヤーはDarknessvaltier氏のModを使うといいだろう。同氏のModを導入すると、懐かしくも現代風のディティールで再現されたジルで遊ぶことができる。

また懐古志向が一寸突き抜けた領域まで発揮されたのが、リメイクならぬ「ディメイク」と呼ばれるジャンルだ。こちらはハイクオリティな画質で描かれたゲームをあえて“ショボい”グラフィックに落としこむ楽しみ方。FluffyQuack氏が作成したModでは、高精細によみがえったジルたちがペラペラの紙人形に置き換えられてしまっている。画像の切り抜きデータを使っているのか、シリアスな会話シーンでも誰ひとり表情を動かさない様子ががなんともシュールだ。街で襲いくるゾンビや、マッシブさが売りのネメシスすら黒っぽい海苔のような仕上がりに。作者曰く、「作れるかどうかを考えるのに集中しすぎて、作るべきかどうか考えてなかった」とのこと。

発売前にもかかわらず、すでにすさまじい盛り上がりを見せる『バイオハザード RE:3』のMod界隈。なかでもやはり、本作の象徴ネメシスはModderにとって格好のターゲットのようだ。ぜいたくな「敵全部ネメシス」Modも作られるなど、すでに“愛され”ぶりを発揮している。前作『バイオハザード RE:2』においても強敵・タイラントがネットミーム化した事例があった(関連記事)。ホラーにおける脅威が笑いをもたらすキャラクターと化していく現象は、恐怖を馴致しようとする心性がもたらす自然のならいだ。本作が数々のModで賑わっているのは、それだけゲーム本編が恐ろしいことの現れとも捉えられるだろう。

『バイオハザード RE:3』については、収録予定のオンラインコンテンツ『バイオハザード レジスタンス』のオープンβテストが3月27日に予定されていたが、不具合によりPS4版/Steam版双方において延期がアナウンスされている。『バイオハザード RE:3』の製品版は4月3日発売予定だ。

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