『あつまれ どうぶつの森』の博物館や家の前に「もの」が埋め尽くされる。もどかしい時間を楽しむ人々の“あるある”

Image Credit : どなべ /任天堂
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『あつまれ どうぶつの森』が発売されてはや2日。世界中の人々が無人島に住処を構えて、スローライフを満喫している。自由度の高い本作であるが、すでに“あるある”ネタが数多く登場し、笑いを誘っている。なお本稿は、『あつまれ どうぶつの森』の序盤の展開について記述しているので、まだゲームを始めたばかりで新要素を自身の目で確かめたいという方は、注意してほしい。

 

 

 

 

 

 

本作は歴代シリーズ以上に、段階的に要素が解禁されていくことが特徴。最初は、川の向こうにいけなければ高台に登ることも不可。生活において必須環境は用意されているものの、無人島が舞台らしく、自身で開拓してくのが醍醐味で、徐々に要素が追加されていく。そうしたアンロック要素のひとつが、シリーズ恒例の博物館である。まず魚や虫を捕まえ、たぬきちに渡していると、おなじみのキャラであるフータが島に来訪。そしてフータに化石を含んだサンプルを渡し続けると、博物館を建てることをプレイヤーに告げる。

と、ここまでは至って普通の流れなのだが、問題はサンプルを15種類渡したのち、博物館を建築するためにフータが一時的に「寄贈受け入れを中断する」。つまり、新たな魚や虫、そして化石(はそもそも鑑定してもらわねばならないが)を贈ることができなくなるのだ。15種類のサンプルを寄贈してから、その日と翌日の2日間が「寄贈不可」となるのだ。しかしこの2日間に待ち焦がれたプレイヤーは、建築予定の博物館や家の前に寄贈予定のサンプルを並べまくっており、これがちょっとしたネットミームじみたネタになっているわけだ。

『どうぶつの森』シリーズといえば、魚や虫を捕まえるコレクション要素の醍醐味のひとつ。本作ではクラフト要素も実装されているが、プレイの柱にあるのは魚・虫の捕獲(もしくは化石採集)。寄贈の受け入れが中断されている間にも、プレイを続けていれば新しい魚や虫が手に入ることだろう。しかし、また同じように手に入るかはわからない。そんなプレイヤーたちは、「建物の前」に寄贈予定のものを保管しているわけだ。実は建物の前にものを飾るように置けるのは、本作ならでは。これまで家具を含めたものはフィールドに飾ることはできなかった。しかし今作からは、フィールドに自由に物を飾れるようになったことから、海岸に小便器を置くといった島ごとデザインすることが可能になったのである。

本作は5時に日付変更の判定があり、発売日5時以降に遊んだプレイヤーのほとんどは、21日から寄贈不可状態を強いられている。発売日0時から熱心に遊んでいるプレイヤーには、すでに博物館をオープンさせている人もいるようだが、プレイヤーの多くは、3月22日現在、開業待ちの博物館に思いを焦がれている。多くのプレイヤーのあるあるネタだからこそ、共感し笑いになっているのだろう。そして、このあるあるネタは進化を遂げており、建築中の施設を題材にした楽しげなジョークも生まれている。

こうしたプレイは、ある意味ではきちんと時間の制限を守っている証でもある。もどかしい待ち時間を、自分なりに楽しんでいるのだ。本体時間設定を変更し、要素を“先取り”するプレイヤーもいるが、その様子をSNSで公開すればネタバレになるし、オンラインプレイの障害にもなりえ、のんびり遊ぶプレイヤーに迷惑をかける可能性もある。なにより開発者自身も、現実と同じ時間で遊ぶことを望んでいる(IGN)。時間操作はせず、お行儀よく遊ぶプレイヤーの我慢と期待を、こうした「博物館前展示」からは感じ取れることだろう。

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