『ディビジョン2』ギアシステムを刷新するリブート計画が進行中。ビルド構築のビッグバンを目指す

 
「The Division 2: State of the Game #143」よりキャプチャー

Ubisoftは1月16日、『ディビジョン2』の開発者ライブストリーム「State of the Game #143」を配信。同作で予定されているギアシステムのリブート計画について説明した。『ディビジョン2』では、2月に大型アップデート(エピソード3)が配信される予定。ギアシステムの刷新は、そのエピソード3配信以降に適用される。

現状の課題

まず現在ゲームが抱えている問題点としては、以下の点があげられている(「State of the Game」の内容をまとめたredditスレッドの記述を参照):

・一定の段階に達すると、有意義なアイテムの入手頻度があまりに低くなってしまう
・装備品の性能や特性の仕組みを理解するのが難しく、優劣の判断がしづらい
・すぐには既存ビルドに組み込めない、もしくは再調整用に残しておきたいといった理由で、プレイヤーが保管庫に大量の装備品をストックする傾向にある
・性能値や特性、タレントの組み合わせが最適な「神ロール」を得る喜びが少ない。これには、そもそも何をもって「神ロール」とみなすのか、判断しにくいという点が影響している
・これといったトレードオフが生じない、満遍なく高性能なビルドが作りやすくなりすぎている

 

解決方法

こうした課題を解決するため、「装備品(ギア)」「再調整」「スキルパワー」の3点にメスが入れられる。そして今回の開発者放送で説明されたのは、装備品に関連したギアシステムの刷新についてである。単なるバランス調整の域を超えた「リブート」として計画されており、全ての装備品の刷新、新装備の投入、ギアスコアの上限引き上げなどをセットにすることで、新鮮な感覚でビルド構築や装備品収集をし直せるようになる。

 

刷新後の目標

ギアシステム刷新後の目標は、以下のとおりである:

・エクセルシートとにらめっこしなくてもビルド構築できる直感的なシステム
・Google検索しなくても性能や効果を把握できるような透明性
・わかりやすくしつつも、シナジー効果、相互作用による奥深さを維持
・グループ内での役割を明確にすることや、シナジー効果を発揮することに、より焦点をあてる
・使い道のある報酬を得られ、効果的なビルドを組み立てたときに満足感を得られるようにする
・ビルドの軸を決めて、そこからスムーズに組み立てていけるようなビルド構築のしやすさ

 

具体的な刷新内容

1. タレントは原則2つまで

本稿挿入画像は、「The Division 2: State of the Game #143」よりキャプチャー

まず大きな変更点として、装備品のタレントは原則バックパックとベストの2部位のみに付随するようになる。他の部位には、エキゾチック装備を除けばタレントは付かない。よって同時に装備できるタレント数は減るが、代わりにタレントひとつあたりの効果を強化。それぞれがビルドの方向性を決めるほどの強いインパクトをもたらすという。

また、現在はタレントの組み合わせだけでなく、タレントの発動条件を満たすための特性(赤・青・黄)の組み合わせも考えねばならない。ギアシステム刷新後は、タレントの発動条件が廃止されるため、パズルのように頭を悩ますことなく、純粋に使いたいタレントを選んで使えるようになる。

先述したように、グループメンバー間のシナジー効果をより重視することが、システム刷新の目標のひとつとして掲げられており、タレントもそれを踏まえた内容になる。もちろん、すべてがすべてシナジー効果を前提としたタレントになるわけではなく、プレイヤー本人のみに効果をおよぼすタイプのタレントも残る。

2. 特性の合計値上限を取り払う

現状、ひとつの装備品に付く特性の合計値には上限がある。つまりどれかひとつの特性が高いと、上限の関係でほかの特性は低くなってしまう。システム刷新後にはこの合計値上限が取っ払われ、理論上すべての特性が最大値になることがあり得る状態となる。

あわせて装備画面のUI変更により、各特性が最大値にどれだけ近いかを示す品質ゲージが表示されるようになる。その装備品がどれだけ優れているのか、パッと見て把握できるようになるわけだ。そのほかにも、装備品の特性タイプ(赤・青・黄)やブランドが一目でわかるようUIの改善が図られる。

3. 「コア特性」が登場

システム刷新後は、通常の特性と「コア特性」というふたつのカテゴリーに分かれるようになる。初代『ディビジョン』にあったメイン特性とサブ特性を彷彿とさせる。コア特性は、武器ダメージ、アーマー、スキルティアー(現在のスキルパワー)、いずれかのボーナスを与えるものであり、これらのボーナスは通常の特性枠では得られない。攻撃力、防御力、スキル。どれを軸とするのか決める上で、コア特性に注目することになる。なおコア特性の種類は、装備品のブランドにより決まる予定とのこと(コア特性も再調整可能)。

4. ブランドセットとギアセット効果の見直し

ブランドセットの効果について、より実際のプレイスタイルにマッチするような、そして他のブランドのセット効果との組み合わせ方が増えるような見直しが進められている。セット装備品の効果もすべて見直され、よりわかりやすく、より強力なボーナス効果を発揮するよう生まれ変わる。なお必要なセット数は2~4ピース。バックパックとベスト枠にセット装備品をはめると、通常タレントをつけられなくなるが(上述の「1. タレントは原則2つまで」参照)、その代わりにセット装備の効果を増幅させる特殊なタレントが付き、セット装備のフルポテンシャルを発揮できるようになる。

5. 装備MODの刷新

装備品だけでなく装備MODも刷新。MODひとつにつき特性ひとつまでとなり、装備品と同様に品質ゲージが表示されるようになる。これによりインベントリー整理が楽になると見込まれている。

そのほかにも、エキゾチック装備、ネームド装備、ルートシステムの変更。対エリートダメージ特性の削除など、抜本的な見直しが図られる。ルートシステムに関しては、現状は一定段階に到達すると使いものにならない装備品ばかり拾うようになり、インベントリー整理に時間を食う。システム刷新後は戦利品のドロップ総数は減るが、その多くは使い道のあるものになるという。

開発陣の計画通りにいけば、ビルド構築の流れがシンプルかつスムーズになり、しばらく離脱していてもゲームに復帰しやすい仕組みになるのではないだろうか。わかりやすくしつつも奥深さをもたらすことが目標のひとつとなっており、開発陣はその点にも自信を覗かせている。過去にも大規模なバランス調整や仕様変更はあったが、ここまで抜本的なシステムリブートは本作初。適用された際には、また新鮮な気持ちでゲームに挑めそうだ。

『ディビジョン2』の次回大型アップデート(エピソード3)は2月配信予定。本稿で扱った変更点は、エピソード3の配信よりも後のアップデートで実装される。

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