『Mosaic』PC版がSteam/GOGで配信開始。都市に生きる孤独な男を描いた、シュールでダークなADV


スウェーデンのインディーゲームパブリッシャーRaw Furyは12月6日、『Mosaic』をPC向けにリリースした(日本語対応)。『Mosaic』は、孤独な大人を描いたADV。ホラーADV『Among the Sleep』で2歳のキャラクターの視点から物語を描いたKrillbite Studioが開発を手掛ける。Steam/GOGで販売されており、Steam版の価格は税込2050円。ゲーム内アイテムの高級ネクタイやゲーム中のアプリに対する課金、OSTなどを含んだ「Mosaic 1% Edition」は税込2587円。なお、PC版のリリースに先駆けてApple Arcadeでも配信が行われている。

『Mosaic』は、ディストピアめいた都会を舞台に奇妙な体験を描いた、ダークでシュールなADV作品だ。主人公は、大企業の一員として孤独な都市に住み、極めて無に等しいクリッカーアプリ『BlipBlop』を慰みに生きる男。毎朝アラームに叩き起こされては通勤し、帰ってきては泥のように眠る生活を続けてきた彼には、友人はおらず趣味らしい趣味もない。やってくるのは請求書ばかりで、生きる目的すら見失っている。

しかし、ある朝いつものようにアラームに起こされ、部屋から飛び出した彼にはいつもと違う白昼夢か幻覚のような出来事が待っていた。幻想的な朝の風景。語りかけてくる金魚のおもちゃ。都会の隙間に潜む演奏家。灰色の世界に生きてきた男は、ある朝の出来事をきっかけに、次第にシュールな幻想にのめり込んでいく。また、ふとした瞬間に垣間見える都市の美しさや、都市の隙間に潜む自然など、グラフィックも本作の特徴と言えるだろう。

現代社会の闇を映し出したような作品だが、そのダークな世界観は作中に留まらず、現実にまで及んでいる。『Mosaic』の公式サイトの一部は、Mosaic Corporationの企業サイト風になっており、人材募集風の文言が並んでいる。また、作中で大々的に広告が展開されており、人気具合が窺えるクリッカーアプリ『BlipBlop』は、Mosaic CorporationのiOS/Android向けアプリとしてリリースされている。ゲーム中でもプレイ可能だが、本作の世界観が気になる方はダウンロードしてみるのもいいかもしれない。