『モンスターハンターワールド:アイスボーン』イベントにて、テオ笛で辻本Pの「ゾンビ状態」を妨害していたプレイヤーが謝罪

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カプコンは11月24日、「モンスターハンターフェスタ’19-‘20」を開催し、その中で『バイオハザード RE:2』とのコラボクエストの紹介を行った。紹介は順調に進行。しかし辻本良三プロデューサーがコラボクエストに登場する限定の状態異常「ゾンビ状態」を視聴者に見せようとしたが、まさかの失敗に終わる。この出来事は話題になり、Twitterでは「ゾンビ状態」が一部地域ではトレンド入りするまでになった。弊誌でもこの出来事をおもしろおかしいハプニングとして紹介していたが、実際には意図的に妨害していたプレイヤーがいたことが明らかになっていた。妨害者への批判が強まる中、11月27日になり「ゾンビ状態」を妨害していたプレイヤーは謝罪を行っている。

カプコンは11月24日「モンスターハンターフェスタ’19-‘20」を開催。モンスターハンターフェスタは東京・幕張メッセで開催され、会場内ではグッズ販売や、モンスターの討伐タイムを競う「狩王決定戦」東日本大会が行われていた。オンラインでプレイヤーを募集して辻本氏と視聴者と一緒にクエストを攻略する、視聴者参加型の企画が採用されていたわけだ。

辻本氏はこの企画にて、『バイオハザード RE:2』とのコラボクエスト「RE:戻り来た生物災害」の紹介をおこなおうとしていた。コラボクエストの主目的は、「死を纏うヴァルハザク」の討伐である。「バイオハザード」シリーズにちなんだ内容になっており、ヴァルハザクの瘴気を受けつづけると「瘴気浸食状態」のかわりに「ゾンビ状態」になる。「ゾンビ状態」になると、プレイヤーの動きが制限されてゾンビのようになってしまう仕組み。辻本氏はこのコラボクエストで「ゾンビ状態」のプレゼンテーションを行いたかったようだが、結果的に「ゾンビ状態」になることはないままあっという間にヴァルハザクは討伐され、目当てとなる紹介をできずクエストが終了してしまった。

辻本氏が「ゾンビ状態」になれなかったのは、「全状態異常無効」の効果を付与されていたからである。テオ・テスカトルの素材から作成できる狩猟笛には「全状態異常無効」の旋律攻撃が用意されている。辻本氏は、この効果が自身のキャラクターに付与されていることに気が付いていない状態でクエストを進行。一方で、辻本氏以外のプレイヤーは非常に慣れた様子で、ヴァルハザクを圧倒している。当初は和やかなムードであったが、「ゾンビ状態」にならない状態でイベントが進行し続けたことにより、暗雲漂い出す。

辻本氏以外のプレイヤーが開幕からヴァルハザクのダウンを取った時点で、市原大輔ディレクターが「みんな上手すぎて、ゾンビ状態にならなかったら」と心配している。結果的に懸念していた通りゾンビ状態になれないまま討伐が終了。もちろんゾンビ状態になれないのはプレイヤーの腕前ではなく「全状態異常無効」が原因だが、いずれにせよ市原氏の予想は的中してしまった。辻本氏はヴァルハザクの剥ぎ取りをする気力もなく、溜息をついてしばらく放心状態に。「(ゾンビ状態を)見せたかったのにな……」と力なく呟いている。

※ 視聴者参加型企画は53分あたりから

そしてのちに、ゾンビ状態にならなかったことが、ひとりのプレイヤーの妨害によってであることが明らかになった。というのも、狩猟笛を使用していたプレイヤーQuA氏は、視聴者参加型企画の様子をミラーリングしながら、ニコニコ動画で配信をしていたのだ。同氏は、YouTubeやニコニコ動画で狩猟笛を使用したタイムアタック動画を投稿しているやりこみプレイヤー。11月24日に狩猟笛で辻本氏に「全状態異常無効」を付与していた動画は現在視聴できないが、別のユーザーが録画した映像を視聴できる。動画を見る限りでは、最初から辻本氏の妨害をするつもりだったかまでは分からない。しかしながら、ステージから『バイオハザード RE:2』とのコラボクエストを行うという発表があった段階で、辻本氏の妨害をするという旨の発言をしている。特殊な状態異常「ゾンビ状態」の紹介などを行う説明も行っているため、意図的に妨害していたと見ていいはずだ。狩猟笛による「全状態異常無効」は通常の戦術としては有効かもしれないが、企画の趣旨とは反する。それはQuA氏ほどの腕のプレイヤーならば、十分に理解していたことだろう。

※ ニコニコ動画に投稿された映像のYouTube版

「モンスターハンターフェスタ’19-‘20」でのコラボクエストの放送後ハッシュタグ「ゾンビ状態」がTwitterのトレンド入り。ある意味では、話題を集める形となった。その後QuA氏が辻本氏を「ゾンビ状態」にさせないよう狩猟笛を使用していたことが発覚。QuA氏のとった行動にたいする批判的な意見は多く、同氏のTwitterアカウントは一時的に鍵付きとなっていた。11月24日の時点ではとぼけるような投稿を行っているが、事が大きくなるにつれ考えを改めたようだ。

25日には、「罪悪感から吐き気と冷や汗と倦怠感に襲われ続けた。まともな感性が残っているうちにしっかり反省する。」と、自身のとった行動を悔いる旨の投稿をしたのち、騒動3日後の11月27日になり、QuA氏はTwitterの鍵を外し自身の行動を反省する旨の投稿を行った。辻本氏を含むイベント関係者、および配信イベントの視聴者にたいして謝罪している。自身の活動を見直すため、YouTubeとニコニコ動画の動画も削除していく方針とのことだ。

「モンスターハンターフェスタ」のステージは多くのファンが視聴しており、QuA氏の思う以上に否定的かつ大きな反応があったのだろう。配信中に身内のノリで軽い気持ちでやったことかもしれないが、ステージの生放送の視聴者からすれば「荒らし」として映るのは当然。依然として不信感を持つユーザーも多いようだが、謝罪という形で一種のケジメをつけた形だ。

『モンスターハンター』シリーズではこれまでにも視聴者参加型の企画を行うこともあったが、オンラインで人を募るため不確定な要素も多い。参加ユーザーが協力的でなければ、あっという間に企画倒れになってしまう。こうしたイベントにおいては、運営の質が問われるだけでなく、参加するプレイヤーにモラルが問われることを、改めて示した事例であるといえそうだ。

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