アクションRPG『Cube World』10月1日にSteamでリリース。アップデート放棄から5年の時を経た“訳あり作品”が再スタート


個人開発者Wolfram von Funck氏は9月21日、『Cube World』の新映像を公開し、同作を日本時間10月1日にSteamにてリリースすると発表した。アルファ版を所持するユーザーを対象としたクローズドベータテストが9月24日より開始され、一足先にゲームをプレイすることが可能。なお、アルファ版所持ユーザーは、Steamキーを受け取ることができる。

『Cube World』は2013年に公式サイトを通じてアルファ版が販売されたアクションRPG。自動生成された広大なファンタジー世界を舞台に、ウォーリアやレンジャー、メイジやローグといった職業を選択し冒険に出かける。武器をクラフトしたり、ペットを飼ったり、自動生成される文化を見つけながら冒険者を強化していく。Steamでは販売されていなかったものの、早期アクセスタイトルの先駆けのひとつであった『Cube World』。かわいらしいビジュアルに冒険寄りのテーマが掲げられており、『マインクラフト』の原案者であるNotchことMarkus Alexej Persson氏からも称賛されていた。

期待を集めたままアルファ版の販売が始まったが、2013年7月にアップデートが実施され、2014年半ばに次回の更新告知がなされたあと、突如としてゲームのアップデートが途絶える。ロードマップを示しアップデートを予告した早期アクセスゲームの更新が突如止まったということで、20ドルで同作を購入したユーザーから批判が集まっていた。Funck氏は時折自身のTwitterにてゲーム開発の進捗報告をしていた一方で、アップデートの停止についての言及や批判についてはまったく触れてこなかった。

しかし、今年の夏よりTwitterアカウントの雰囲気が一変。ゲーム画像の投稿ペースが上がるほか新映像などが公開されていき、今年9月にはFunck氏はSteamで『Cube World』をリリースすると発表した。Steam版は『Cube World』バージョン2.0にあたるものだと説明したほか、アップデートが止まったことについてはDDoS攻撃を受けたショックによるものであったと釈明していた(関連記事)。Steam版は9月もしくは10月の終わりにリリースすると予告されていたが、発売はすぐそこまで迫っていたようだ。

今回公開された新映像では、複数のプレイヤーが『Cube World』の大地を駆ける姿が確認できる。森や渓谷などを歩くほか、闘技場らしき場所を訪れるシーンも。氷の大地や砂漠、そしてピラミッドの中にあるダンジョンを冒険する姿も確認できる。グライダーで滑空するシーンや、目的地を決めて鳥に乗りひとっ飛びするような場面も映し出されており、その世界の壮大さが改めて確認できる。前述したように、本作はかなり複雑な背景を持つゲームであるが、新映像では高評価が低評価を圧倒しており、再生回数も一晩で25万回を上回っている。確かな期待と歓迎ムードが感じられる。

アップデートの放棄から5年近くの時を経て、再び新たなスタートを切ろうとしている『Cube World』。高まった期待と、一部アルファユーザーたちの失意に、作品のクオリティでもって応えられるだろうか。同作はSteamにて10月1日に発売予定だ。