『SEKIRO』『ブラッドボーン』操作キャラを敵NPCに切り替えるMod制作中。未使用データ発掘中に見つけたデバッグモードに着目

 

『ダークソウル』シリーズや『ブラッドボーン』『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(以下、SEKIRO)にて未使用データの発掘作業を行っているLance McDonald氏が、各作品のデバッグモードに着目。『ブラッドボーン』および『SEKIRO』用に、敵キャラクターを操作するModを制作している様子をSNS上で報告している。

McDonald氏が制作しているのは、ロックオンしたNPCにプレイヤー操作を切り替えるMod。製品版には含まれていないデバッグメニューから、敵NPCをコントロールする「Switch player control」機能を呼び出すものだ。デバッグ機能として、各NPCには既に固有の操作方法が割り振られており、複数の武器を操るNPCに関しては武器切り替えボタンが設けられているという。『ブラッドボーン』ではゲーム本編およびDLC追加エリアの全てで対応可能であることが検証済みだ。

あくまでもデバッグ目的でつくられた機能であるため、そのまま利用すると、ハシゴをのぼったり、他の敵NPCを攻撃したりできないといった制限がある。またプレイヤーキャラクターから遠ざかると消失してしまうほか、敵にロックオンした時点で操作対象が自動的に切り替わってしまう。そのためMod化にあたっては、ロックオン後に追加のボタン入力を行うことで操作対象を変える任意切り替えを実装(ロックオン後にL3)。他の敵NPCを攻撃できるほか、死亡時には自分を倒したNPCに乗り移れるよう改造している。

『ブラッドボーン』においてはMod制作に必要なデータを探し当てるだけで約4日かかったが、『SEKIRO』ではコード内容がほぼ同じであったため、すぐに見つけ出せたとのこと。McDonald氏いわく、まずは『ブラッドボーン』用のMod制作をつくり、それが終わってから『SEKIRO』用の同様Mod制作を始めるという。なお作品ごとのAIの挙動の違いが影響し、『SEKIRO』においては交戦状態の敵でないと操作を移せない仕様となる。

https://twitter.com/manfightdragon/status/1132122809868513280

McDonald氏は自身のYouTubeチャンネルにて、フロム・ソフトウェア作品のデータマイニングにより発掘した未使用データを定期的に紹介している。4月には『SEKIRO』にて未使用に終わった、竜咳の別バージョンおよび関連ダイアログを発掘。当初の竜咳は個別治療が必要となり、発症者を放置していると死を迎える。回生の力と引き換えに「竜咳の薬」という治療用アイテムを作成するという仕組みだったという(関連記事)。

また最近では『SEKIRO』のデータを分析することで、本作にてテキストミスが発生した理由を考察している。日本語テキストではDynamic Stringsを使用しているため、たとえばNPCが主人公に付与するアイテムの種類が開発中に変わったとしてもテキストに変更を加える必要がない。だが英語テキストはDynamic Stringsを使用していないため修正漏れが生じた(結果、実際に付与される内容とは異なるアイテム名が表示される)というものだ。