『ダークソウル』シリーズや『ブラッドボーン』『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(以下、SEKIRO)にて未使用データの発掘作業を行っているLance McDonald氏が、各作品のデバッグモードに着目。『ブラッドボーン』および『SEKIRO』用に、敵キャラクターを操作するModを制作している様子をSNS上で報告している。
McDonald氏が制作しているのは、ロックオンしたNPCにプレイヤー操作を切り替えるMod。製品版には含まれていないデバッグメニューから、敵NPCをコントロールする「Switch player control」機能を呼び出すものだ。デバッグ機能として、各NPCには既に固有の操作方法が割り振られており、複数の武器を操るNPCに関しては武器切り替えボタンが設けられているという。『ブラッドボーン』ではゲーム本編およびDLC追加エリアの全てで対応可能であることが検証済みだ。
Currently working on a Bloodborne mod that allows you to take control of enemies by locking onto them. Works on any enemy. Proof of concept but working nice so far, lots of work left to go to make it useable though. pic.twitter.com/Dkmkpa6xpR
— Lance McDonald (@manfightdragon) May 23, 2019
あくまでもデバッグ目的でつくられた機能であるため、そのまま利用すると、ハシゴをのぼったり、他の敵NPCを攻撃したりできないといった制限がある。またプレイヤーキャラクターから遠ざかると消失してしまうほか、敵にロックオンした時点で操作対象が自動的に切り替わってしまう。そのためMod化にあたっては、ロックオン後に追加のボタン入力を行うことで操作対象を変える任意切り替えを実装(ロックオン後にL3)。他の敵NPCを攻撃できるほか、死亡時には自分を倒したNPCに乗り移れるよう改造している。
Bloodborne enemy control mod improved, now when you take control of an enemy, you can target and fight other enemies! And they'll fight you, too. And if one kills you, you can just jump into the body of the one that killed you! Nice! pic.twitter.com/9n6EQFZEdM
— Lance McDonald (@manfightdragon) May 26, 2019
『ブラッドボーン』においてはMod制作に必要なデータを探し当てるだけで約4日かかったが、『SEKIRO』ではコード内容がほぼ同じであったため、すぐに見つけ出せたとのこと。McDonald氏いわく、まずは『ブラッドボーン』用のMod制作をつくり、それが終わってから『SEKIRO』用の同様Mod制作を始めるという。なお作品ごとのAIの挙動の違いが影響し、『SEKIRO』においては交戦状態の敵でないと操作を移せない仕様となる。
So how about an enemy control mod for Sekiro. Proof of concept just for now. Seems to work. You have to aggro the enemy first before you can take control of them though. Not a huge issue I think. Just due to a difference in the way Sekiro's AI works. pic.twitter.com/cqVXel4IOZ
— Lance McDonald (@manfightdragon) May 25, 2019
Good progress on my Sekiro "Enemy control" mod. Lets you take full control of any enemy instantly. ANY enemy. "But lance, what about .. " ANY ENEMY. Still a work in progress but the hard part is done now. pic.twitter.com/BPOhGmZYUB
— Lance McDonald (@manfightdragon) May 25, 2019
McDonald氏は自身のYouTubeチャンネルにて、フロム・ソフトウェア作品のデータマイニングにより発掘した未使用データを定期的に紹介している。4月には『SEKIRO』にて未使用に終わった、竜咳の別バージョンおよび関連ダイアログを発掘。当初の竜咳は個別治療が必要となり、発症者を放置していると死を迎える。回生の力と引き換えに「竜咳の薬」という治療用アイテムを作成するという仕組みだったという(関連記事)。
また最近では『SEKIRO』のデータを分析することで、本作にてテキストミスが発生した理由を考察している。日本語テキストではDynamic Stringsを使用しているため、たとえばNPCが主人公に付与するアイテムの種類が開発中に変わったとしてもテキストに変更を加える必要がない。だが英語テキストはDynamic Stringsを使用していないため修正漏れが生じた(結果、実際に付与される内容とは異なるアイテム名が表示される)というものだ。
Translation bug in Sekiro. This dialogue is quite rare, and asks if you want to buy a Dragon's Blood Droplet from Anayama, but actually gives you a Divine Grass. This is because the item he gives you was changed late in development, but the English team didn't use dynamic strings pic.twitter.com/u2AnT2UKds
— Lance McDonald (@manfightdragon) May 21, 2019