新たな携帯ゲーム機「Playdate」発表。“クランク”を回して遊ぶキュートなハード、高橋慶太氏や壺男開発者もタイトルを提供

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アメリカの開発会社Panicは5月23日、新たな携帯ゲーム機「Playdate」を発表した。2019年後半より予約の受付を開始し、2020年より出荷予定。本体価格は149ドルになるという。なお本体には、12本のシーズンタイトルが含まれており、充電用のUSB Type-Cケーブルも同梱されるという。

「Playdate」は、白黒モニタを備える小さな携帯ゲーム機だ。特徴なのは、操作インタフェースとして十字ボタンやABボタンのほかに、右側にクランクがついていること。クランクをまわすことで操作に新たなひねりが加えられるという。本体サイズは74mm × 76mm × 9mmと薄く小さい。胸ポケットに収まる程度のサイズにデザインされている。モニターはシャープ製の2.7インチディスプレイで、解像度は400 × 240ドット。高コントラストで超高精細、高反射でバックライトを必要としないモノクロのスクリーンになるという。充電は前述したようにUSB Type-Cでおこなう形で、クランクでは充電できないので注意。

タイトルはというと、すでに『塊魂』などを手がけた高橋慶太氏による新作『Crankin’s Time Travel Adventure』が公開されるなど、著名なクリエイターのちょっとしたゲームが収録される。ちなみに『Crankin’s Time Travel Adventure』は、クランクだけで遊ぶ時間操作アドベンチャーになるようだ。そのほか壺男こと『Getting Over It with Bennett Foddy』を手がけたBennett Foddy氏や、『SpellTower』などを手がけたZach Gage氏、モバイルゲームなどを数多く手がけてきたデザイナーShaun Inman氏がゲームを提供するという。マルチプレイ対応することも可能であるが、多くのゲームはシングルプレイ向けだそうだ。

※ 実は3月にこっそりと『Crankin’s Time Travel Adventure』の存在を明かしていた高橋氏

「Playdate」はWi-FiおよびBluetooth接続に対応しており、毎週月曜日に自動的に「Playdate」専用のゲームが追加されていくそうだ。ひとまず12週続けることをシーズン1と定義しており、シーズン方式でゲームを提供していくという。電源を入れた時点でシーズンが始まるが、すでに配信されたタイトルはすぐに受け取ることができるそうだ。シーズンが続いていくかは、売上次第であるとしている。

ハードウェアスペックはリリース時に公開する予定のほか、OSはPanicが開発したカスタムOSで動作する。開発環境としては、MacベースのSDKとシミュレーターを用意。Lua言語とC言語での開発が可能だという。

PanicはMacやiOSのアプリを開発している企業で、ファイル転送クライアント Transmit、またWeb開発環境である Codaを手がけてきた。近年はビデオゲームの分野にも進出しており、Campo Santoと共に森林火災監視員ADV『Firewatch』をリリースしたほか、今年にはいたずらガチョウゲーム『Untitled Goose Game』を配信予定。個人・ビジネス両方の面でゲームに対する価値を見出しており、アプリ開発者として停滞するのではなく冒険をするために「Playdate」プロジェクトを立ち上げ、4年をかけて制作してきたそうだ。なお、クランクについてのアイデアは、スウェーデン企業Teenage Engineeringスタッフの「タッチ依存病患者を減らしたい」という案をきっかけに実現されたという。

なお「Playdate」の立ち上げにあたっては、“愛すべき他のデバイス”と競合することを望んでいないという。あくまで、補完的な関係になれるよう設計。外出先で携帯電話を、また自宅でコンソールで遊ぶ時間の合間に、ちょっとした楽しみを届けたいと考えており、スキマ時間にサッと手にし、ふとした時間を満たしてもらえるよう設計したそうだ。ゲームハードの市場を狙うのではなく、その“スキマ”を狙った製品として作られているだろう。

「Playdate」は2020年出荷予定。本体価格は149ドル。日本語サイトがあること、そして日本にもパニック・ジャパンが存在することから、日本でも購入できるようになるかもしれない。さらなるニュースをいちはやく得たい方向けには、メーリングリストへの登録が推奨されている。

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