『バンジョーとカズーイの大冒険』の名前の由来は「楽器」ではなかった?発売から20年、任天堂元社長山内溥氏の親族が由来との説浮上

 

約20年前にNINTENDO64にて発売された『バンジョーとカズーイの大冒険』の主人公のふたりの名前の由来が、定説となった「楽器由来説」ではないとの噂が出回り始めた。さまざまなゲームメディアに寄稿するほか、『Yooka-Laylee』のシナリオライターを担当したAndy Robinson氏がTwitter上でこの説を提案したことが注目を集め、Nintendo Lifeなどが詳細を報じている。

2008年にはXbox 360向けにリマスターとして再リリースが果たされた。2015年発売の『Rare Replay』にも収録されている

『バンジョーとカズーイの大冒険』は、1998年12月に発売されたアクションアドベンチャーゲーム。開発を手がけたのは、イギリスのゲームスタジオレア。本作の主人公となるのは熊のバンジョーと鳥のカズーイだ。バンジョーの妹であるチューティがさらわれたことをきっかけに、妹を助けるために広大な世界へと旅立つ。『スーパーマリオ64』を参考にしながらも、ダブル主人公という設定を生かしたユニークな3Dアクションに仕上げられており、今もなお根強い人気を誇る。

バンジョーとカズーイというキャラクター名はかなり独特であるが、名前の由来は楽器であるとコミュニティ内で認識されていた。具体的には、はじき楽器のバンジョーと、鳴らし楽器のカズー。ともにアフリカを由来とした楽器とされており、オープニング映像でそれらしき楽器をバンジョーとカズーイがともに演奏していることから、楽器説がほぼ確実であると思われていた(FANDOM)。

しかし発売から20年経ち、思わぬ説が浮上する。その説とは、バンジョーとカズーイの由来が「山内溥前社長の親族である」というもの。バンジョーは、山内元社長の孫(次男という説も)である山内 万丈氏からとったもので、カズーイは山内元社長の長男である山内 克仁氏からとったものだという。楽器などは関係なく、当時社長を務めていた山内溥氏の親族の名前をつけたという考えだ。さらにこの説が強いのは、『バンジョーとカズーイの大冒険』の開発者がこの考えを支持している点。

前出のAndy Robinson氏は、同作の音楽を手がけたGrant Kirkhope氏にこの話を聞き驚いたと投稿している。テキストを担当していたSteve Mayles氏は知らなかったと驚いているものの、開発を総指揮していたGregg Mayles氏は、バンジョーの由来については山内 万丈氏であるとしながら、カズーイの方はわからないとコメントした。少なくとも、バンジョーの由来が楽器であるという説はここで崩れたことになる。それも、山内溥元社長の孫が由来だというのだから驚きだ。カズーイの説を論証できるもうひとりのスタッフがいるならば、山内溥氏の親族説は確実なものになるだろう。

当時レアに所属していたスタッフは、Gregg Mayles氏のように現在もレアに所属していたり、もしくはPlaytonic Gamesに移籍し『Yooka-Laylee』を手がけるなど、今現在も現場で活動しているケースが多い。さらなる追加証言に出てくることに期待を寄せたいところ。発売から20年経ってから、タイトル名の由来に関する議論が浮上するケースはかなり珍しい。SNSが発展した現在からこそ発生する、非常に興味深いケースだと言えるだろう。
【UPDATE 2019/3/11 23:30】
記事初版にて、山内溥氏を前社長と記載しておりましたが、元社長へと記載を変更しました。