今月11月13日、『Diablo III: Eternal Collection』のNintendo Switch上におけるメニューアイコンが変更された。同作は、国内向けには12月27日に『ディアブロ III エターナルコレクション』として発売予定であるが、海外向けには11月2日に発売済みだ。
『Diablo III: Eternal Collection』は、移植作品であるものの、TVモードと携帯モード(テーブルモード)が良好に動作すると海外レビューなどでは評されており、ネクロマンサーがバグで機能していないといった難点もあるようだが、おおむね高い評価を獲得している(Metacritic)。しかし、一部ユーザーはあるポイントに不満を抱えていた。それはホームメニュー上で表示されるアイコンだ。9月にそのデザインが公開されたアイコンは、白の背景にDというロゴがあるのみ。極めてシンプルなアイコンに対しては、「白背景が嫌い」「コピペみたい」「仮のものであってほしい」「とにかくひどい」とRedditでも不評。シンプルさを好むユーザーやゲーム内容の質を重要視するユーザーからアイコンを擁護する声もあったが、多くの投稿が否定的であった。
そして、仮のものであってくれという願いは届かず、この「D」のアイコンの状態でゲームがリリースされた。もちろん、アイコンを変更することを求める声は、Diabloのsubredditでも生まれていた。その声に反応したのは、BlizzardのコミュニティーマネージャーであるBrandy ‘Nevalistis’ Camel氏。Nevalistis氏は発売日当日である11月2日、バグの修正とともにアイコンの修正をおこなうことを明言。その宣言には15名以上のユーザーから感謝の声が届けられた。
そして先日、ようやくそのパッチが実装され、パッケージや公式サイトでも確認できるイメージアートに、ロゴを重ねた荘厳なデザインのアイコンへと変更された。Nevalistis氏によると、Dのアイコンは実際に仮のものであったが、最終ビルドを提出時に置き換え忘れてしまったという。まぬけなミスと自虐しつつ、茶目っ気まじりに謝罪をおこなっている。最終的にアイコンが変更されたことで、多くのユーザーは満足しているようだ。
Nintendo Switchのホーム画面のアイコンについては、昨年末から今年頭にかけてしばしば話題にあがっていた。『Snake Pass』のアイコンを筆頭に、『SteamWorld Dig 2』や『ソニックマニア』のアイコンなど、ロゴマークだけもしくはキャラクターの顔だけというデザインはもっぱら不評で、変更要望が届けられたのちにいくつかのタイトルはアイコン変更をおこなった(関連記事)。たかがアイコンであると考えるかもしれないが、Nintendo Switchのホーム画面をできるだけ魅力的に彩りたいと願う人も一定数いるのだろう。また、アイコンという細かい部分に修正要望が殺到するというシュールなシチュエーションが発生したことや、開発者側がジョーク交じりに変更対応をおこなっていたという背景もあり、ひとつのネットミームのような位置付けになりつつあった。
“ブサイク”なデザインは話題づくりにもなるが、アイコンを変更するのにも手間がかかることは事実。2日にNevalistis氏が変更宣言をしてから10日以上実装に時間を要したことから、いろいろと面倒な手続きがあることが予想される。こうしたこともあってか、多くの開発者が「過去」から学びきれいなアイコンづくりを心がけているようで、“アイコン批評家”から批判される目立ったゲームは最近見当たらなかった。Blizzard はNintendo Switch初参戦ということで、慣れないことも多く、アイコンの置き換えを忘れてしまったのかもしれない。いずれにせよ、まだまだ人々がNintendo Switchのホームメニューアイコンの見映えが気になっているということを、あらためて実感させてくれる事例といえる。日本語版は、このクールなアイコンを発売日から堪能できることになるだろう。