『CoD:BO4』のネットワーク環境が改善の兆しを見せる。ただしバトルロイヤルモードBLACKOUTはそのまま

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『Call of Duty: Black Ops 4(コール オブ デューティ ブラックオプス 4)』の開発元Treyarch Studiosが、本作のネットワーク環境のパフォーマンス改善を約束していたことについて、その成果がユーザーから報告され始めている。

オンラインゲームプレイの快適さを計るひとつの指標として、クライアント(ユーザーのゲーム側)とサーバー間でやり取りされるデータのSend rate(送信頻度、Update rateとも)があり、本作の発売前におこなわれたベータテスト時は、Client send rateとServer send rateの双方がおよそ60Hzであることがユーザーによって確認されていた。つまり、クライアントからサーバーに、また逆にサーバーからクライアントに、プレイヤーの操作入力情報などのデータパケットを送る頻度は、共に1秒間に60回程度だったということ。しかし、ローンチ後にユーザーが改めて計測した結果、Server send rateが20Hzに引き下げられていることが判明。Send rateが大きく低下すると、特に本作のようなジャンルのゲームではプレイヤーの操作に対するレスポンスに影響するが、Treyarch Studiosからは当時この変更について告知はなく、一部のファンからは批判の声が上がっていた(関連記事)。

Image Credit: Smcro
Image Credit: soja92

Treyarch Studiosは10月22日、Server send rateを引き下げたのは、ローンチに合わせて膨大な人数のプレイヤーが本作をプレイすることが予想されたため、サーバーの負荷を抑制することが目的だったと説明。そしてローンチから一定期間過ぎたことを受けて、パフォーマンスの調整をおこなうことを約束した。Server send rateは、その日のうちに30Hzまで引き上げられ(Charlie INTEL)、10月27日には一気に2倍の約60Hzまで高まっていることがユーザーの検証により明らかになった。

上に掲載した画像の上段は、RedditユーザーのSmcro氏がパケット取得・プロトコル解析ソフトWiresharkを使い計測した改善前の数値で、画像下段は同じくRedditユーザーのsoja92氏による最新の計測結果だ。共にPS4版でマルチプレイをおこなった際の数値となっており、上段の画像では緑のグラフ、下段の画像では青のグラフでServer send rateを表している。以前の20Hzを下限としていたところから、60Hzをやや超える辺りまで上昇していることが一目瞭然である。Client send rateについては、変わらず60Hzを上限としているようだ(値が大きく落ち込んでいる部分はプレイ休止中)。

BLACKOUTモードでの計測結果 Image Credit: soja92

soja92氏は、PC版についても同じ改善を確認できたと報告している。一方で、バトルロイヤルモードのBLACKOUTをプレイした場合は、いずれのバージョンでも20Hzのまま変わっていないという。約100人で対戦をおこなうBLACKOUTについては、ベータテスト時も20Hzだったそうなので、ほかのゲームモードとは事情が異なるのかもしれない。また、Treyarch Studiosはこうしたネットワークのアップデートについて、全体のパフォーマンスを注視しながら段階的に導入していくと述べている。そのためか、一部地域ではまだ改善が確認されていないようだ。今回変化が見られなかったBLACKOUTモードについても、たまたま検証時に間に合わなかっただけである可能性はある。

本作の場合、ベータテスト時から告知なくパフォーマンスを引き下げて販売開始したことから批判を招いてしまったが、ローンチから日にちを置いてネットワークのパフォーマンスを引き上げること自体はほかのタイトルでも見られる。たとえば『オーバーウォッチ』のPC版では、発売から4か月後にHigh Bandwidthモードを導入して、デフォルトのServer send rateを21Hzから63Hzに引き上げており、地域ごとに段階的に適用していくスタイルも同じだった。Treyarch Studiosが以前説明していたように、インフラ構築にはゲームの安定性を確保することが最優先されるため、各社ローンチ時やネットワークのアップデートの際には特に慎重になるのだろう。

ちなみに、オンラインマルチプレイ対応の大型タイトルというと、『バトルフィールドV』の発売が来月に控えている。同作を手がけるDICEのマルチプレイ・プロデューサーDavid Sirland氏は、今回の『コール オブ デューティ ブラックオプス 4』での話題を引き合いにしたファンからの問い合わせに対し、同作では前作『バトルフィールド1』のローンチ時と同じく、PC版では60Hz、コンソール版では30Hzになると回答している。おそらく、サーバーの更新頻度を示すTick rateのことを指しているものと思われるが、いずれにせよ実際にこれらの頻度でクライアントとサーバー間でデータパケットがやり取りされる環境(Send rate)になるということだろう。またSirland氏は、これらの数値はスタートに過ぎず、のちに改善を検討していくとしており、やはりローンチ後に引き上げを目指すことになるようだ。

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