Ubisoftは23日、タクティカルFPS『Tom Clancy’s Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』の新シーズン「OPERATION GRIM SKY」のテクニカルテストサーバー(以下、TTS)に寄せられたフィードバックに伴い、今後の調整プランと合わせて、Y3S3.0パッチに関する情報を公開した。目玉となるのは火花、グラズ、フィンカの弱体化とSMGのリコイル調整だろう。計5人のオペレーターを改変する予定と、SMGやその他武器に関する、リコイル問題への取り組みプランも発表されている。これらはTTSで得られたプレイヤーからのフィードバックを踏まえた上で、新シーズンに合わせて反映される予定だ(「OPERATION GRIM SKY」のパッチノートはこちら)。
9月4日より始まる「OPERATION GRIM SKY」にて追加予定の、新たなオペレーター2人に関するフィードバックが、現在実施中のTTSに多く寄せれられている。特に多かったのが、新オペレーターの一人であるマーベリックに関する意見だ。彼のブリーチングトーチは現状、起動音が大変聞き取り辛く、防衛側が一方的に裏取をされてしまうケースが目立つ。これはゲームのバランスを大きく損なう要素なのではないかと多数報告されていた。また、彼のガジェットにより、有刺鉄線を一瞬で破壊できてしまう点などにおいても、彼が優遇されすぎているのではないかと、プレイヤーの間で問題視されていた。そうしたフィードバックに答える形で、修正が施されることになる。
まず、ブリーチングトーチのダメージ量を減らすことで、有刺鉄線の破壊の為に必要な時間を増加。また、現状よりも少し、ブリーチングトーチの起動音を大きくするなどの変更が加えられる。さらに、彼の持つスモークグレネードは、スタングレネードに変更される。また、もう一人の新オペレーターであるクラッシュに関しては、開発者は現在のTTSによるフィードバックを監視中であるとし、急激な変更は予定にないとした上で、シーズン中間アップデート(Y3S3.2)にて細かな修正を施す可能性を示唆した。
本当の意味での「サブ」武器として機能させるSMG
現在のTTSにて実施されている、SMGのリコイル制御に関する修正も、今回のパッチには含まれないものの、今後本番サーバーに反映される予定だ(現在のところ、明確な時期は発表されていない)。これまで、メイン武器と変わりのない程に愛用されていたサブ武器であるSMGが、より荒々しいリコイルに変更される。これは、高まり過ぎたSMG人気を緩和させると共に、戦闘状況により、プレイヤーがメイン武器とサブ武器を明確に使い分けられるよう、本当の意味での「サブ武器」として機能させることが目的だ。横へのバラつきが少々軽減されるが、激しい縦揺れが追加され、これまでと同じようなリコイル制御だと、プレイヤーはそのバラつきに戸惑うかもしれない。修正対象は、トッケビ、ヴィジルのSMG-12とC75 Auto。スモーク、スレッジのSMG-11だ。これは実質、これらのオペレーターの弱体化と言えるだろう。
また、他武器のリコイル制御プランも、いくつか予定されている。サッチャーのAR-33と、トゥイッチのF2は、横へのバラつきが緩和、より精密な射撃が可能になる。アッシュのR-4Cは、右斜め上にずれていくだけで、ブレが改善される。優秀なキルオペレーターとして君臨していた彼女も、さらに使いやすさに磨きがかかる。バックのC8-SFWも、横ぶれが軽減され、素直な縦反動に変更される。さらに、以前のパッチにより、リコイルパターンの弱体化が施されたエラのScorpion EVO 3 A1は、横ぶれが多少規則的になり、荒ぶっていたリコイルも、僅かに手懐けやすくなる。
ショットガンのリコイルに関しては、開発陣によると、同武器の拡散範囲がプレイヤーの意図したとおりに機能しておらず、よりバランスの取れた射撃を可能にするべく、見直しが検討されているとのこと。
火花のブリーチングペレット仕様変更と、グラズ、ゾフィアの弱体化
現在のTTSでの火花は、落とし戸を完全に破壊するために必要なブリーチングペレット数が、6つに変更されている。これまで落とし戸は、1つのペレットで破壊できたが、新シーズンより落とし戸の部分破壊が可能になることから、全破壊/部分破壊の選択肢を与えるために、全破壊に必要なペレット数が変更された。だが、全破壊を狙ってもペレットがうまく当たらず、X-KAIROSを2回使わなければならなくなるという事態が生じることから、余裕を持たせて必要ペレット数が6つから4つに再調整される。多少緩和はしたが、前シーズンまでよりも正確に、落とし戸にペレットを撃ち込む必要があるだろう。
ゾフィアのコンカッショングレネードの数は、4から3に減少する。この修正は、プロリーグなどにおいて、相手にネガティブ効果を与える機会はもちろん、敵がいるフロアにコンカッションを撃ち込むと通常よりも早く爆破する性質を利用した簡易的なクリアリング法や、イェーガーのADSの無効化など、多くの場面において貢献していた彼女が、問題視されていたことによるものだ。コンカッショングレネードの数を減少させることで、これまでより、必要な場面を選んだ使い回しが必要になるだろう。
大きな修正と調整を繰り返してきたグラズにも変更が加えられる。具体的には、OTs-03によってキャッスルのアーマーパネルを破壊することが不可能になる。開発者曰く、これはもともとバグとして存在していたものであるが、結果敵にグラズによる理不尽なシーンが減ったことから、そのまま残しておく形で、調整プランに含まれる予定だ。これは、Y3S3.0ではなく、Y3S3.2にて配信予定となっている。
また、トッケビのロジックボムに時間制限を設けるという、ユニークな調整プランが検討されている。現状、コールを受けた防衛側は、解除をしなければ、永遠とアラームが鳴り続けるが、これを7〜8秒で自動的に停止するという調整だ。この調整が施されるかは定かではないが、彼女のガジェットを、より計画的に利用してもらうプランとして、今後変更が加えられるかもしれないとしている。
これらの調整は、Ubisoftより14日に発表されたデザイナーズノート記載の変更内容に合わせて反映される(関連記事)。新シーズン「OPERATION GRIM SKY」は、現地時間9月4日より開始予定。現在行われているTTSのフィードバック次第で、さらなる調整が入る可能性もありそうだ。本作のTTS版に関しては、ダウンロードするだけで誰でもプレイ可能なので、気になる方、またフィードバックに参加したい方は、是非プレイしてみてはいかがだろうか。