Windows 10/Xbox One用周辺機器「Xbox Adaptive Controller」発表。汎用スイッチを活用し、ハンディキャップにも対応するコントローラー

 

マイクロソフトは5月17日、Windows 10/Xbox One向けの周辺機器「Xbox Adaptive Controller」を海外発表した。Adaptiveとは適応や順応という意味で、このコントローラーは、Xbox Oneコントローラーなど従来のゲームパッドを使用することが難しい身体的ハンディキャップを持った人たちを含め、可能な限り誰もがゲームを楽しむことができるようにデザインされたデバイスだ。病院やチャリティ団体などの協力を得ながら開発したという。

Xbox Adaptive Controller本体には、割当をプログラムできる大きなボタンが2つと、十字キーなどが天面に搭載されている。この大きなボタンは、たとえば指の力を失った人でも押しやすいよう設計されている。そして本機のもっとも大きな特徴は、筐体後方に並んだ19個の3.5mmジャック差し込み口だ。ここには汎用のスイッチを接続可能で、Xbox Oneコントローラーに存在するすべてのボタン入力の一つひとつをスイッチに置き換えることができる。

一言に身体的ハンディキャップを持つといっても、人によってその状況はさまざまであるため、ゲームをプレイするとなると、どのような形状・方式のスイッチをどのように配置するのかなど、その人に合わせた最適なセッティングを組むことが必要になる。従来であればコントローラーを改造して入力方法を置き換えていたところを、Xbox Adaptive Controllerが、そのスイッチ類をまとめてコントロールするハブとしての役割を果たすのだ。すでに自分に合ったスイッチを持っている場合は、それを流用することができるのも重要なポイントだろう。またXbox Adaptive Controller自体も、裏面にマウントを取り付けて自由な配置が可能である。

本体の両脇にはUSB端子も備えている。これはそれぞれ左右のアナログスティックの入力をおこなうためのもので、ゲーム周辺機器メーカーから発売されているフライトスティックや、片手用のジョイスティック。また口にくわえて操作できるQuadstickや、足で操作するような特殊な製品にも、各メーカーの協力を得て対応している。なお、それぞれの入力は、Xbox Oneであれば「Xbox アクセサリー アプリ」を利用することで自由にマッピングしなおすことが可能だ。

マイクロソフトは、これまでにも身体的ハンディキャップを持つ人たちにゲームを楽しんでもらうための施策をおこなっており、たとえばXbox Oneでは昨年のアップデート時に「Copilot」を追加している。日本語で副操縦士を意味するこの機能を利用すると、2つのXbox Oneコントローラーをリンクさせて1つのコントローラーとして使用でき、たとえば片方の手が不自由な人ともう一人が、コントローラーの役割分担をしながらゲームをプレイできる仕組みだ。このCopilotは、もちろんXbox Adaptive Controllerでも利用できる。

Xbox Adaptive ControllerはMicrosoft Store限定販売で、99.99ドルで2018年内発売予定。現時点では国内Xbox公式サイトに製品ページは用意されておらず、日本でも発売されるのかどうかは不明である。しかし、このようなデバイスのニーズに国境はないはず。追って国内発表があることを期待したい。なお、6月12日から開催されるE3 2018では、本機のさらなる詳細が伝えられるとのことだ。