下半身が釜の男が山を登るアクション『Getting Over It with Bennett Foddy』すでにSteam版発売前から海外をイライラの渦に巻き込む


個人開発者Bennett Foddy氏は、『Getting Over It with Bennett Foddy』を12月7日にSteamにて発売する。本作は『QWOP』を代表に、物理演算を導入した奇妙な作品を開発してきたBennett Foddy氏の最新作。Humble Bundleとパートナー契約を結んでおり、10月のHumble Monthlyにて先行発売された。

『Getting Over It with Bennett Foddy』はそうした“Bennett Foddy氏らしさ”全開の2Dアクションゲームだ。主人公となるのは、上半身は裸で下半身は釜にうずまっている奇妙な男性。そんな身体をしているので、もちろん歩いて移動することはできない。両手に持ったハンマーをあらゆる場所に引っ掛けて、高みを目指すのだ。2002年に公開されたゲーム「Sexy Hiking」を意識したタイトルになっている。

Foddy氏は本作を「特定の人々を傷つけるために作った」「2時間から無限に遊べる苦しみのゲームプレイ」「忍耐力の未知の領域に挑戦」と紹介するなど、悪意たっぷりのタイトルに仕上げられている。その文言に偽りなく、Humble Monthly版リリース直後からユーザーをイライラの渦に巻き込み、特に動画投稿サイトでは多くの悲鳴が聞こえてくる。ただでさえもどかしい操作性、物理演算による無慈悲な挙動。一度の失敗によって多くのものを失うゲームデザイン、絶妙なタイミングで穏やかに皮肉を言いプレイヤーを逆撫でるナレーションなど、イライラ要素が盛りだくさん。進んで苛立ちを覚えたい人々、またその光景を楽しみたい数奇な人々を惹きつけた。

*人気を呼んでいるSodapoppin氏の絶叫プレイ。汚い言葉が多いので注意。

Steam版の発売を控えながら、最近ではふたたびメディアが取り上げさらにその熱は高まるばかり。GameSpotは「2017年におけるもっとも奇妙なゲームになるかもしれない」と評し、Kotakuでも本作のプレイに苛立ちを抱く人々がスピードランを見て絶望するシーンを取り上げている。Humble Monthlyの10月分は購入できないということもあり、『Getting Over It with Bennett Foddy』を遊びたいユーザーはSteam版を待つことになる。

一般的に発売前のゲームに集まる期待とはまた違う、異様な期待の視線が注がれている本作。苛立ちへの耐性に自信を持ち、積極的に苦しみを味わいたい方は、12月7日にぜひSteamストアをチェックしてみよう。