任天堂タイトルの発売前レビュー用ゲームROMが違法アップロードされる。メディアおよびYouTuberに疑惑の眼差し

多くのゲームメーカーがメディアおよびYouTuberを対象に、発売前よりゲームROMを渡し、プレイしその内容をレビューしてもらうというプロモーションを採用している。任天堂もそのメーカーのひとつだ。これまで多くの同社のタイトルが発売前にレビューされてきたが、その方針はある事件をきっかけに変化しつつあるという。その詳細をUSgamerが報じている。

きっかけとなったのはニンテンドー3DS向けタイトル『マリオ&ルイージRPG1 DX』だ。今月10月5日および6日に全世界で発売された同作のゲームROMが、発売前である9月21日に4chanにリークされISOファイルを配布するサイトに掲載されていると報告されたことが発端となる。Redditにてこの違法アップロード版をプレイしたユーザーは、アメリカ向けの本物のROMであることを確認したと報告。その後も同作のプレイ映像がインターネット上で投稿され始めたことから、同作が違法アップロードされたことが確定している。プロモーションを目的に、メディアもしくはYouTuberに送ったゲームROMが流出したことのショックは小さくないだろう。

USgamerが近しい関係者から得た情報によれば、この事件をきっかけに、米任天堂は方針を転換しゲームROMを渡す相手を極めて限定し始めたという。確かに欧米向けには10月20日に発売が予定されている『ファイアーエムブレム無双』は依然として海外メディアによるレビュー掲載がされていない。『スーパーマリオ オデッセイ』も同様で、有名雑誌であるEDGEにレビューは掲載されているものの、レビューを取り上げるメディアは少ない。

実際に海外メディアNintendo World Reportの運営者もまた『ファイアーエムブレム無双』のROMが手に入らないので発売前のレビューは掲載できないと述べている。別の親しい関係者に証言によれば、配布したゲームROMのシリアルナンバーから流出させたユーザーを特定できるものの、方針自体を大きく変更したという。ただし、発売後に関してはこうした配布型のプロモーションは引き続き従来の形式でおこなわれるほか、欧州任天堂もこうした方針をとる動きになってきているようだ。

NeoGAFの様子を見るに、このホリデーには『スーパーマリオ オデッセイ』だけでなく『ゼノブレイド2』の発売も控えており、メディアやYouTuberにとっては“稼ぎ時”であっただけに、リストから漏れてしまった人々にとってショックは大きいようだ。リスト外になってしまったユーザーは信頼できないというより、影響力が小さいユーザーであるという点で、ひとりの愚か者に巻き込まれてしまった状況を嘆くユーザーも少なくない。ただ、カナダのYouTubeユーザー向けには依然としてレビュープロモーションが健在であるとの報告もある。全世界のユーザーが対象というわけではないながらも、プロモーション相手の選定を始める動きが出てきたようだ。

任天堂プラットフォームに限らず、こうしたケースは最近目立ってきており、たとえばPC向けタイトルでは配布したSteamキーをいわゆる「鍵屋」で販売するユーザーが増えてきている。こうしたゲームROMの配布は、そのキーにシリアルを振ることである程度追跡できるようになっていることがほとんどであり、転売や流出といった不正行為をはたらくユーザーはいずれ淘汰される宿命にある。しかし、ひとりでも発売前にROMを流出させる人がいれば、プロモーション以上の打撃を負いかねない。影響のあるメディアもしくユーザーに紹介してもらうという、定石とされているメーカーの販売促進プロセスも、見直すべき段階になりつつあるのかもしれない。

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