ニンテンドースイッチ向け装着型モバイルバッテリーが新たに開発中。特徴は薄さと軽さ、ドック機能を持つモデルも

 
「Pelda Pro」

周辺機器メーカーのAMDISIがニンテンドースイッチ向けモバイルバッテリー「PELDA」を開発中だ。現在Kickstarterで出資を求めるクラウドファンディングキャンペーンを募っており、締め切りまで27日を残してすでに目標額の1万ドルを達成、製品化が決定している。以前弊誌では同じくニンテンドースイッチ向けの装着型モバイルバッテリー「SwitchCharge」を紹介した。同製品との比較をしながら「PELDA」の特徴を見ていきたい。

「PELDA」には3種類のモデルがあり機能が異なる。まず標準的なモデルとなる「PELDA」は、8000mAhのバッテリーを搭載している。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を遊ぶ基準で考えると、約6時間強がニンテンドースイッチの稼働時間に加えられることになる。仕組みとしては、上下に分かれたキットをニンテンドースイッチ本体に取り付けることで充電できるという仕組みだ。ゲームカードを2個まで収納することができ、キットの下部にはバッテリー残量を表示する機能も搭載されている。またキットの裏側には横長の穴が空いており、ここから放熱されるようだ。厚さは7ミリで重さは240グラムとなっており、最安では45ドル出資すればひとつ手に入る。世界各地の配達に対応しているが、送料は別途かかるので注意してほしい。

「PELDA Pro」は「PELDA」と形状や形はほぼ変わらないが、こちらはMicro HDMIケーブルがついており、ニンテンドースイッチにはめこむと1080pをテレビに出力するドックとしても機能する。バッテリー容量は「PELDA」より少ない6000mAh。厚さは同じく7ミリで重さは230グラムとなっている。最安では95ドルの出資にて入手可能。

さらにもうひとつ「PELDA Dock」というモデルがあり、こちらはバッテリー機能を持たずUSB 3.0ポートがふたつとUSB Type-CポートとHDMIポートがそれぞれひとつずつ用意されているポータブルドックとなっている。こちらは縦横ともに10センチに満たず80グラムという軽さ。最安69ドルの出資から入手ができる。

似たようなコンセプトではあるものの、「PELDA」が「SwitchCharge」と大きく異なる点は、バッテリーの容量だ。あちらは1万2000mAhを誇っていたことに対し、「PELDA」は6000mAhと8000mAhのモデルが用意されている。また「SwitchCharge」の重さは380グラムであったことに対し「PELDA」シリーズは230および240グラムとなっているので、重量感は大きく変わりそうだ。また厚さも三分の以下である7ミリという薄さになっている。さらに異なるのは価格だ。「SwitchCharge」は現在では出資不可であるが75ドルから入手可能だった(希望小売価格は120ドル)ことに対し、「PELDA」は45ドルの出資から入手できる(希望小売価格は99ドル)。ちなみに「PELDA Pro」と「PELDA Dock」の希望小売価格はそれぞれ139ドルと89ドルとなっている。

容量も重さも価格もボリューム満点なのが「SwitchCharge」で、それに比べてさまざまな部分がある程度コンパクトなのが「PELDA」という考え方でおおむね間違いないだろう。ちなみにその「SwitchCharge」は今月8月に出資者の手元に届く予定であったが、本格的な生産を控えてのサンプル生産に遅れが出てしまい、3~4週間製品の到着が遅れると8月16日頃にIndiegogoにて報告されている。

SwitchCharge

ちなみに「SwitchCharge」開発チームは同Indiegogoのコメント欄にて「PELDA」への明らかな対抗心を見せており「HDMI機能との合体は放熱の観点から考えて、非常に危険で高価なものになります。チップセットは任天堂のライセンスがいりますし、機能を証明する証拠もないので、HDMI機能の実装には苦労すると思われますよ。」とコメントしている。確かに「PELDA」のスケジュールを見ると、すでにプロトタイプはできているとはいえ、9月からすでに大量生産をはかり(Kickstarterの締め切りは9月22日)、1月に出荷するという計画に不安を抱く方も少なくないだろう。

AMDISIは実際にアメリカのAmazonで周辺機器を販売しているれっきとしたメーカーであるので、製造のラインやノウハウは十分にあると予想できる。こうした点は強みであり信頼を置ける部分ではある。とはいえ、クラウドファンディングはハードウェアに限らず延期が当たり前になってきているので、出資する方はそういったリスクがあることを留意してほしい。


国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)