魔法特化型3Dアクションゲーム『Fictorum』配信開始。シームレスに魔法を生み出し敵も建物もすべて豪快に破壊せよ

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インディースタジオScraping Bottom Gamesは、8月9日より『Fictorum』の配信をSteam/GOGにて開始した。価格は1980円。『Fictorum』はUnreal Engine 4 によって制作された3Dアクションゲーム。以前には弊誌でも紹介している。主人公は、かつて世界を恐怖に陥れた大魔法使いの一族「Fictorum」の末裔だ。平和に暮らしていた主人公はある日、大災害などを理由に家族や友人を殺害される。こうした政府のやり方に憎しみを抱いた主人公は、復讐を果たすために眠れる大魔法の力を用いて敵と戦う。

『Fictorum』は魔法に特化したアクションゲームとなっている。操作としては、WASDでキャラクターを移動させ、右クリックでシームレスに魔法を生成し、左クリックをすることで作った魔法を放つ。ゲームシステムはシンプルであるが、この魔法を作って放つという操作がなかなか面白い。フィールドや敵、建物といったグラフィックはそれほど作り込まれているとはいえないのだが、エフェクトがとにかく派手で美しい。むしろエフェクトだけに力を入れているのではないかと思えるほどの凝りようだ。さらに魔法を使えばオブジェクトを破壊することができる。破壊できるオブジェクトはやぐらや家から城や橋まで、さまざまだ。お手製の魔法を使い、大きな建物が崩壊していくのを見る快感は格別。もちろん、敵も魔法によって撃退できるので、とりあえず魔法を作って撃っていくだけでもそれなりに楽しい。

ただ残念なのは、「魔法を作って撃つ」という一点に特化しているがゆえに、ゲームシステムが全体的に練られていない点だ。ミッションでの活躍に応じて歴史が書き換わるというシステムや、マップを移動するごとに政府の軍が迫ってき、追いつかれると自宅の家が襲われるという奇妙な制約はユニークではある。しかし、ミッションはどれも「敵を何体倒せ」「市民を守れ」といった単調なものが多く、敵やNPCのAIも特定の行動を繰り返すシンプルなもの。フィールド上の木や岩が浮いていることはざらにあり、オブジェクトの判定もかなりいい加減だ。

『Fictorum』は、芯となる部分はしっかりと作られているものの、それを楽しむための整備やプロデュースはまだまだされていない状況にある。何かとバグが多く、多くの面で洗練されていない。本作は早期アクセスタイトルであれば希望を持てたが、フルリリースタイトルでありながらこうした状態で出てくると先行きはやや不安だ。「魔法を作ってオブジェクトを破壊する」という点は非常に秀でているだけに、今後のアップデートに期待といったところだろう。

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