駅運営シミュレーション『Train Station Simulator』12月14日に早期アクセス版発売へ。慌ただしく客が入り乱れる駅を管理し、ながめる


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第488回目は『Train Station Simulator』を紹介する。

『Train Station Simulator』は、「駅」を運営するシミュレーションゲームだ。街や電車を運営する作品は数多くリリースされているが、本作は駅の運営に特化したタイトルになっている。まずプレイヤーは壁を作りタイルを敷き、床を設置し駅を設計していく。基盤となるハコができれば、券売機、ベンチ、売店、トイレ、植物などさまざまな設備を置くことで施設を充実させていく。そしてホームを設置することで、電車との接続が生まれ駅として機能していくというわけだ。ゲームモードとして「キャンペーン」や「ミッション」「サバイバル」「エンドレス」などが搭載される予定で、キャンペーンモードには25以上のシナリオが用意されるという。

駅を運営するうえでは、管理者を配置することは欠かせない。駅を利用する人々の全員に、モラルがあるわけではない。迷いなくポイ捨てをする人々や、サラリーマンを狙ったひったくりが後を絶たない。駅員や警備員を配置することで、きれいで安全な駅を作り上げていく。管理者の仕事のモチベーションは給料に比例するので、人におけるコストのマネージメントも重要になってくる。

駅の基盤ができてきたなら、規模をさらに拡大していこう。ホームを増やすことで新たな鉄道との接続を増やす。どの鉄道線や電車がくるかはコントロールできないので、スケジュールやダイヤを調整することで駅を回していく。バス停およびバスターミナルを設置することで客をうまく循環させることもできるという。また施設をさらに充実させていくことも重要になるだろう。軽食をしたいユーザーためにレストランやカフェを構え、さらにお金を落としてもらうためにバーを作っていくのもいい案だ。ビジネスを拡大させ、人が入り乱れる巨大な駅を作っていくことになる。もちろん規模が大きくなれば、汚れや犯罪が多くなり、運用コストも増大する。利益とコストとにらめっこしながら駅を繁栄させていくのだ。

本作の魅力として、「眺めていても楽しい」という要素があげられている。たとえば、駅をうろつく利用客にはそれぞれAIが搭載されており、「空腹」「喉の渇き」「疲労」「ムード」というパラメータに基づきつつ、駅の構造に対応し行動が決定される。まったく同じ行動をするNPCがいないので、ピクセルアートでちょこまかと動く乗客を眺めているだけでも楽しいだろう。こうしたパラメータの傾向は統計によって見られるので、乗客を観察することはビジネスを成功させるうえでも重要になるかもしれない。

また本作では、拡張パックによりそれぞれの国に合わせた電車が登場するという。たとえば、販売開始時のものに含まれている電車はオーソドックスなものであるが、2018年Q2には山や谷を通るアメリカ式の電車が導入される。Q3にはヨーロッパ式と世界各地から選ばれた電車が登場する。これらはいずれも8ドルおよび9ドルで販売される有料の拡張パックとなり、コミュニティの声を聞きながらこうしたコンテンツを拡張していくとのこと。

『Train Station Simulator』は2017年12月14日にSteamにて早期アクセス版がリリースされる予定。約1年をかけて早期アクセス販売し、天候の概念の追加や新たなオブジェクトやスタッフを導入し、2018年Q4の正式リリースする予定のようだ。