『ダークソウル』ファンが『エルデンリング』ネットワークテストを遊び、読者に伝えたくなった12の要素

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フロム・ソフトウェアが贈る新作オープンワールドアクションRPG『エルデンリング』。『ダークソウル』など人気過去作の要素を継ぎつつ、舞台はオープンなフィールドに。自由度を高めて新たなる要素を盛り込んでいる。過去作品のファンはもちろん、新規プレイヤーにもアプローチする集大成的な作品だ。本誌では一般ネットワークテストに先駆け、同作のテストプレイに参加する機会を頂いた。

背景として、筆者はフロム・ソフトウェア作品の約23年来のファンだ。『ダークソウル』シリーズや『Bloodborne』、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』など近年の作品も、網羅的にプレイしている。本稿では、過去作品ファンとしての目線から、伝えたいと感じた『エルデンリング』の注目ポイントをお届けする。いずれの内容も製品版では調整・変更される可能性がある点に留意されたい。なお、本稿はPS4版での体験に基づき執筆している。


・“フロム節”は健在
まず、本作『エルデンリング』は、紛れもなく過去作品の遺伝子を受け継いでいる。戦闘やゲームプレイにまつわる多くのシステムに、過去作との共通点がある。例として、ジェスチャーや武器モーションは『ダークソウル』シリーズをベースにしているようだ。NPCとのやりとりや、アイテムのフレーバーテキストも想像力をそそる。過去作ファンは「これこれ!」という馴染み深さを味わえるだろう。一方で、新規追加されたスキルは予想外の挙動や派手さで心を掴んでくる印象だ。

・一新された世界の魅力
『エルデンリング』には新鮮な魅力もある。その最たるものが、オープンワールドの開放感だ。明るく広い草原は萌え、野生動物たちの命を育んでいる。狩猟や植物採集はクラフトにも繋がる要素だ。そして、一定の方向性は示されるものの、東西南北どちらに向かうかはプレイヤーの自由。また、天候・時間システムも新しい感覚をもたらしている。例として、「雨降りしきる夜陰に、敵の背後から忍び寄る」といった魅力的なシチュエーションが展開される。なお、本作は公式には「オープンワールド」と呼称せず、「オープンなフィールド」と表現されている。過去作の緻密なレベルデザインとオープンワールドの融合を感じさせる言い回しだ。本稿では、便宜上「オープンワールド」の呼称を使用させていただく。

・「黄金樹」は雰囲気最高
そして、プレイヤーの胸を高鳴らせるのが巨大な「黄金樹」の存在だ。黄金樹は物語の根幹をなし、目的地ともなっている。空を覆わんばかりに巨大で、基本的に屋外のどこからでもその威光を拝めるほどだ。視界に入るたびに「根本にはなにがあるのか」「いつたどり着けるのか」とプレイヤーに感慨を湧かせる。また、カメラの動き目まぐるしい戦闘では、背景を横切るアクセントになり、黄金樹を巡る戦いを演出する。


・オープンワールドでゲームプレイにも広がり
広大なオープンワールドでも、目的を見失うことはあまりない。本作で追加された地図と、チェックポイントで主目標を示す「導きの光」のおかげだ。あえて主目標と違う方向を目指せば、報酬の眠る敵拠点やダンジョンが存在する。また、フィールドが広いため敵の迂回も容易。敵と戦って戦力増強を図るか、まっすぐボスとの戦いに挑むか、選択がより楽になった印象だ。

・世界の広がりにともなうゲームプレイの変更
本作には、身を低くして姿を隠す「しゃがみ」、障害物を飛び越える「ジャンプ」などの新アクションも追加されている。また、戦闘中以外のアクションではスタミナが減らない。移動中にスタミナを気にする必要がなくなる気遣いだ。『ダークソウル』シリーズに存在した武器耐久度も廃止されたようだ。ほかにも、ストレスなくオープンワールドを楽しめる調整が随所に見られた。

・2種類存在するチェックポイント
本作では、『ダークソウル』シリーズでの篝火にあたる復活・休憩ポイント「祝福」が登場する。また、別の復活ポイントとして「マリカの楔」も存在。祝福から遠い位置で死亡した際には復帰も一苦労。しかし近場にマリカの楔があれば、そちらで復活しテンポ早く再チャレンジできる。マップの広大化に伴い、移動時間でプレイヤーの心を折ってしまわない工夫だろう。なお、休憩やキャラクターのレベルアップは篝火でのみ可能となっている。マリカの楔はあくまでも簡易チェックポイントの役割だ。


・霊馬はレスポンス機敏で乗り心地良好
本作の広大な世界を駆ける友、霊馬も重要だ。小回りが効かないイメージと裏腹に、機敏な動きで快適に操作できる。普段の移動では不便を感じることなく、移動速度向上や2段ジャンプの恩恵を受けられる。また、馬上からのアイテム拾得も可能だ。そして、霊馬が活きるのは移動だけではない、戦闘にも新しい風を吹き込んでいる。

・騎乗戦闘はピーキーで爽快
馬上での戦闘には慣れが必要だ。機敏な霊馬とて、プレイヤーほど緻密な回避はできない。ガードも不可能で、霊馬はダメージを受けすぎると消えてしまう。馬上攻撃は比較的モーションが大きくなり、しっかり的中させるには慣れが必要だ。しかし、高い機動力は特に単体の巨大な敵との戦闘に向いている印象。騎乗した敵との決闘では、まさに“一騎打ち”の快感が味わえる。また、慣れれば道すがらの歩兵をなで斬りにしながら移動するようなプレイも可能だ。


当たり判定はより細かくなった印象
筆者の主観になるものの、“当たり判定”の精密化が感じられた。前述の霊馬も、プレイヤーと別の当たり判定をもっていた。大型の敵の薙ぎ払い攻撃などは、ふところに入り込むことで効果的にやり過ごせることも。また、普通の敵との戦闘で「今のは食らった」と思った攻撃が、よく見ると空振っており命拾いしたケースも。ボスの一部攻撃については、ジャンプやしゃがみでの回避にも何度か成功した。新アクションとあわせて、今までにはない戦術の可能性が生まれそうだ。

・ガードカウンターは使い勝手抜群
ガードカウンターは、本作で新たに登場した戦闘アクション。敵の攻撃を盾で受けると同時に攻撃すると、素早く威力の高い攻撃が出せるのだ。また、敵の姿勢へのダメージも高い。姿勢を崩せれば、大ダメージを与える致命の一撃にも繋がりやすい。まさに攻防一体となった対応力の高いアクションだ。一方で、パリィや回り込みなど『ダークソウル』シリーズにあったアクションも健在。腕に覚えのあるプレイヤーは、そのままプレイヤースキルを持ち込めそうだ。


・数の不利を覆す霊体召喚
霊体召喚の使い心地も面白い。霊体は戦闘を一時的に助ける「使い魔」のようなシステム。対応する遺灰を入手するとアンロックされる。精霊は一度に1種類しか呼び出せないものの、複数体がセットで出現する遺灰も。ソロプレイでも「数の暴力」で攻められる精霊はプレイヤーを大きく助ける存在だ。単独の敵をプレイヤー+精霊で襲うのはもちろん、拠点総出で迎撃された際などに、こちらも乱戦に持ち込めるメリットがある。しかし、集団型はボス相手には一網打尽にされがち。シチュエーションに応じた使い分けが肝心だ。

・「戦灰」は戦技だけでなく武器強化派生も変更可
新要素で筆者が特に驚いたのが、 戦灰システムだ。武器固有の特殊スキルである「戦技」は、過去作『ダークソウル3』でお馴染み。本作においては、「戦灰」なるアイテムを付け替えることで武器カテゴリに適した戦技を好きに適用できる。しかも、戦灰によっては武器強化派生も任意で適用できるのだ。そして少なくとも、テスト版では調整にはリソースを要求されなかった。そのため、「あの敵は物理が通りづらいのでいったん雷派生にしよう」など柔軟な調整が容易にできる。


実際のプレイの様子をご覧になりたい方向けに、動画を用意した。本稿で紹介した騎乗戦闘や、新スキルなどの様子を収めている。なお、こちらはPS4版でプレイしている。次世代機や高スペックPCでは、一層なめらかで美麗な体験が期待できるだろう。また、ネタバレにはある程度配慮しているものの、映像の最後にはダンジョンボスとの戦闘を収めている。楽しみを取っておきたい方は注意されたい。


今回のテストプレイでは、本稿には収まらないほどの濃厚なコンテンツを体験できた。来年の製品版リリースの際には、さらなる広い世界と深い冒険がプレイヤーを待っていることだろう。

『エルデンリング』は2022年2月25日、PC(Steam)およびPlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売予定。なお、明日11月12日からは当選者向けのネットワークテストも実施される。




※ The English version of this article is available here

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