Nintendo Switch『ポケモンユナイト』はちょうどいい。『スカーレットネクサス』で脳が熱くなる。『ENDER LILIES』は丁寧だった。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。292回目です。実は梅雨です。


海外では新作のCBTが始まっている模様

Steamサマーセールで、リアルギターゲーム『Rocksmith 2014 Edition – Remastered』を購入しました。シリーズ新作『Rocksmith+』が先日発表されたことを受けて、久々に弾きたくなったのです。コンソール版も持っていますが、後方互換しておらず本体を引っ張り出すのも面倒なので買い直し。互換対応にあたっては各種権利関係をクリアにする必要があるようで、本作のような作品は特にいろいろ難しいのでしょう。あとPC版は、INIファイルを書き換えることでレイテンシを詰められるのが良い。

本作でのお気に入りはセッションモード。プレイ内容に合わせて、AIのバックバンドがリアルタイムに追従し伴奏してくれるモードです。もう何も考えず延々と弾いていられる。練習用アンプにこんな機能が搭載されていたら便利そうですが、現状ドラムマシンくらいのようですね。時代を先取りしすぎた作品だったのか。
by. Taijiro Yamanaka


少女と甲冑騎士の旅

『ENDER LILIES』をプレイしていました。死の雨によって人々が異形へと姿を変えた「果ての国」を舞台に、少女・リリィと甲冑騎士の旅路を描く2DアクションRPGです。退廃的な世界観を彩るグラフィックやBGM、すべてを語りきらない程よいボリュームのテキストなど、雰囲気作りがとても丁寧な作品でした。か弱い女の子と無骨な甲冑騎士、組み合わせがまず最高。

ゲームとしての難易度はそこそこ高く、探索中もあまり気が抜けません。ですが、敵の攻撃はわかりやすく、回避やパリィの判定もやさしめ。ボスには強敵が多いものの、直前にファストトラベル地点が設置されているためリトライしやすくできています。道中のショートカットも多く、ストレスフリーに遊べました。

総じて非常に楽しめているのですが、ムービーなどのアーカイブが見られないのが残念でした。自慢ではありませんが、私はアクションゲームが得意な方ではなく……プレイヤーもゲーム内のキャラも、いつでも満身創痍です。ボスを倒した後は特に放心しており、イベントやムービーがあっても集中力が底をついていることもしばしば。本作はボスを倒したあとに短いムービーが挟まるのですが、テキストなどもすべて自動で送られ、ぼんやりしていると終わってしまいます。元気なときに見返したいと思っても、見ることができないのがもったいない。アップデートでの機能追加に期待しています。
by. Aki Nogishi


楽しいバスアクション

今週は、超脳力を使って怪異と戦うアクションRPG『SCARLET NEXUS』を遊んでいます。現在のプレイ時間は10時間ほど。おおむね序盤から中盤といったところでしょうか。ためらわず、アクセルを踏み続けるスピーディーなストーリー展開。キャラクターの脳力が拡張されると、プレイヤーの脳も熱くなるアクション。ホラー風味なフレーバーに惹かれたので、あまり期待はしていなかったんですけど、どちらをとっても密度の高い体験が詰まっていました。

クリアしていない以上ストーリーについてはなんとも言えませんが、アクションではかなりプレイヤーのやりたいことをやらせてくれます。キャラクターたちには、超能力ならぬ超脳力が備わっており、固有の超脳力を使った戦闘が展開されます。たとえば、主人公には物体を動かす念力があり、その場にある車や崩れた床など、オブジェクトを飛ばして敵に攻撃すると言った具合です。さすがに念力で動かした電柱に乗ってどこかへ飛んでいくことはできませんが、電車やバスを使った轢き殺しは可能。特にバスは、上に乗って自由に操作したあと、爆発オチまでついていて、異常にテンションが高いです。ゲーム開始から1時間ほどはちょっと地味な気もしていたんですが、成長要素で複数の超脳力を同時に扱えるようになったり、転移や高速移動が登場したあたりで、超能力を使った戦闘も熱くなってきました。
by. Keiichi Yokoyama


ポケモンでMOBA入門

今週はNintendo Switch版『Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)』のネットワークテストを遊んでいました。筆者は『Dota 2』や『リーグ・オブ・レジェンド』などMOBA系ゲームに一通り触れてはいました。しかし、ビルドの多彩さや定跡の多さに圧倒されてしまい、面白いことは理解していながらも食指はいつしか他のゲームに。したがって、MOBA系ゲームについて筆者は、ほとんど初心者と言えるレベルでした。

そこへ来て『ポケモンユナイト』です。基本的にキャラビルドは事前に持たせる「もちもの」と、ポケモンの習得する「わざ」を選択していくのみで、ルールやUIも比較的単純。しかしながら、プレイしていくうちに「このもちものは相性がいいな」、「あ、先に雑魚を倒してレベルを上げた方が有利なんだな」などの学習があったり、各ポケモンのロール(役割)への理解が進んで布陣の良し悪しがなんとなく判断できるようになったりと、奥深さも感じる内容となっていました。

MOBA系ゲームもやりたいけど敷居が高そう、そんな意識を持っていた筆者にちょうどいい塩梅だった『ポケモンユナイト』。おかげさまでMOBA系ゲームに無事入門できそうです。正式サービス開始の際には、お気に入りのワタシラガとともに、みんなに癒やしのフワフワを撒き散らしたいと思っています。
by. Seiji Narita



贅肉なし

PS5『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』をクリアしました。収集要素も集め終えて、完全クリアです。次世代グラフィックをベースに、気持ちよさと可愛らしさを詰め込んだ、すんごいゲームでした。物語もゲームプレイも、本当に無駄がない。かといって接待しすぎているわけでもなく、本当に絶妙な楽しさがクリアまで続く、ここ最近のタイトルの中でも屈指の完成度でした。欠点といえばやはり不具合まわり。筆者はたびたびプレイを休憩するタイプなのですが、レストモード突入時の復帰成功率は50%ぐらいでした。本作起動中にレストモードに入ると緑画面になり本体が強制終了するケースが多く、これはアップデートでも直りませんでした。それとエリア内のファストトラベルももうちょっと多いと嬉しかったなあ。

とはいえ、本当に気になったのはそれぐらい。ゲームの内容として不満点はないので、評価はゆらぎないです。個人的に気に入ったのはリベット。女性のロンバックスなのですが、かっこよさとかわいさのバランスがちょうどよい。耳にピアスをつけていて、素振りもクールなのですが、かわいらしさもしっかり詰まっている。最近の海外タイトルの女性キャラは、かっこよさと見せたいという開発者のメッセージが伝わってくるケースが多いのですが、リベットは自然とそれが感じられる。人間ではないからこそ、そうした中性的な魅力は描きやすいのかもしれません。
by. Ayuo Kawase