鈴木裕氏、Twitch配信で『シェンムー3』について語る。「物語は3で完結しない」こと明言

 

鈴木裕氏は先週末に実施されたTwitchでのQ&Aセッションにて、『シェンムー3』に関する詳細をさらに明らかにした。先日から『シェンムー4』の存在を海外フォーラムRedditにてちらつかせていた鈴木氏だが、あらためて『シェンムー3』では『シェンムー』シリーズの物語が完結しないことを明言した。

いろいろな良いところ、飛んでしまう

E3 2015のSCEプレスカンファレンスにて正式発表を迎え、Kickstarterではギネス記録にも残るほどのペースで開発資金を集めている『シェンムー3』だが、プロジェクト全体の見通しや開発体制へは疑問符がつく展開が続いている。特にサードパーティーとの協力体制や、“どの程度の資金が集まればどのようなプロジェクトになるのか”を最初から提示していなかった点や、完全なオープンワールドゲームになるためには1000万ドルが必要などの鈴木氏の発言もあり、一部ファンからは不安の声も漏れ聞こえつつある。

そんななか、もう一つの懸念であったのが、『シェンムー3』でシリーズの物語が完結するかどうかという点だ。鈴木氏は先日、海外フォーラムredditにて「涼は『3』では日本に戻らない」と発言していた。この点に関して鈴木氏は、Twitch配信にて「『シェンムー3』にて物語は完結しない」と明言しており、涼とシェンファの結末を知るにはさらに別の作品が登場する必要があることを示唆している。

「『シェンムー』のおおもとになる11章のストーリーからすると、まだ『シェンムー1』と『2』でちょっとしか進んでいなくて。残りを全部1回で終わらせるってことも考えたんですけども、それをやるといろんな良いところが飛んで、良い結果にならいという結論になったので。みなさん最終の結末まで知りたいっていう声もたくさんあったんですが、やっぱり、よりゲームとしての完成度を高めるために、今回は最後までいかない構成になっています」

PS4のディスク版、HDリマスター

このほか鈴木裕氏はQ&Aセッション中、PS4のフィジカルリワードについて、もっともファンからの要望が多い案件であり、自身も実現したい気持ちであると明らかにしている。現在Kickstarterキャンペーンにおいてリワードとして提供されているのは、PCダウンロード版とPS4ダウンロード版、さらにPCパッケージ版の3種類だ。鈴木氏は「実現できるようにいまいろいろと検討を重ねている」としており、「お待ちください」と続報を待つようファンに告げている。

またこれに続いて、初代『シェンムー』と『シェンムー2』のHDリマスターも鈴木氏が実現したいことの一つとなっているようだ。鈴木氏は「『シェンムー』の1、2が『シェンムー3』の発売の前に出てくれると、前のストーリーもわかるし、『シェンムー3』もより楽しめると思うので、ぜひこれが実現してほしいと、僕もすごく強く思ってるんですけども」とコメント。一方で「いま『シェンムー』の1、2の権利がですね、セガにあるので、僕がこれに対してコメントできる立場にないんです。ただ、僕からもセガにぜひやってほしいなあということを、お願いしたいと思います」と続け、両作のHDリマスター実現はセガの判断も影響することを強調している。

『シェンムー3』は2017年末にリリース予定であり、デモの配信は2017年初頭になるという。現在はKickstarterにて開発資金を募っており、すでに370万ドル以上が集まっている。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。