『Rust』で“オープンワールドタルコフ”が作られる。ゲームシステムまで再現、『Escape from Tarkov』開発者ニキータ氏も「クレイジー」と驚嘆

Facepunch Studiosが手がけるサバイバルゲーム『Rust』におけるカスタムマップとして、脱出シューター『Escape from Tarkov』を忠実に再現するユーザー制作プロジェクトが公開され、注目を集めている。各マップを再現しつつシームレスなオープンワールドとして繋げる試みだ。
『Rust』は多人数参加型のオープンワールドサバイバルFPSだ。最大100人のプレイヤーが一つの島の中に放り込まれ、協力したり敵対したりしつつ限られた資源を確保して生き延びるのが目標になる。ゲーム開始当初は石斧や弓といった簡素な装備しか作れないが、資源を獲得すればライフルやロケットランチャーのような銃火器もクラフト可能になる。
そんな『Rust』のカスタムマップおよびプラグインを制作する開発者TomasTon氏は3月18日、自身が手がけるプロジェクト「Rust: City of Tarkov」、通称「Rustarkov」の進捗をXにて公開した。このプロジェクトはその名の通り、Battlestate Gamesによる人気脱出シューター『Escape from Tarkov』のマップを、『Rust』のカスタムマップで再現したものである。今回Xにて公開されたのは、『Escape from Tarkov』のマップのうち「Customs」・「Reserve」・「Woods」の3つを写した画像だ。なお、このほかにもすでに「Factory」と「Lighthouse」の一部が制作済みとのこと。
同氏はこのマップ作成に4年間もの歳月を費やしてきたという。投稿された画像を見ると、序盤のタスクで訪れる「Customs」の赤倉庫や、狙撃が怖い「Reserve」のアイコニックな天球など、印象的なロケーションが忠実に再現されている。コンテナや岩などを含め、細かいオブジェクトも正確に配置されているようだ。また、これらのマップは全て建物の室内まで完全に再現されているというからさらに驚きだ。細部にわたる作者のこだわりには目を見張るものがある。加えて、『Rust』というゲームにおける建築の自由度の高さも改めてうかがえる。


ところで、このプロジェクトで制作されているのはマップの見た目だけではない。脱出を目指すゲームルールや、タスク・トレードなど、『Escape from Tarkov』の要素がこれでもかと実装されている。マップ上には、敵対勢力のScavやボスまでもが存在するという。もはや単なる『Rust』のカスタムマップではなく、別の作品として楽しめそうだ。また、進捗が一斉にリセットされる「ワイプ」なども本家と同様におこなう模様。プレイヤーは「Usec」か「Bear」かのどちらかの陣営を選択し、ワイプ後のスタートダッシュ、いわゆる「ワイプダッシュ」を決めることになるのだろう。
この「Rustarkov」は「オープンワールドタルコフ」と銘打たれているだけあり、複数のマップがひとまとめにして作られている。たとえば「Reserve」の遠景には、高くそびえたった「Customs」の建造物が存在することがわかる。『Escape from Tarkov』でも2024年にマップ間移動の機能が実装されているが、これはあくまでもロードを挟んだ簡易的なもの。「Rustarkov」では、本家で味わえないシームレスなマップ間移動が楽しめる可能性もあるだろう。

このプロジェクトがXにて公開されると、ネット上ではたちまち大きな反響を呼ぶことに。日本では「ニキータ」と呼ばれ親しまれている、『Escape from Tarkov』の開発元Battlestate Gamesの代表Nikita Buyanov氏もこれに反応。マップのつくりだけでなくシステムまで本家をリスペクトした再現マップには、「crazy」と感嘆の声を上げている。
また、早くも「Rustarkov」でのゲーム体験を想像して楽しむユーザーも散見される。『Escape from Tarkov』をよく遊ぶストリーマーの2Lew氏は、「ill see you in d2(D-2で会おうな)」とポスト。この「D-2」というのは、『Escape from Tarkov』のマップ「Reserve」における、地下バンカーの最深部に存在する脱出地点のことだ。奥まった場所にあるため比較的人通りは少ないが、インパクトグレネードを構えて出待ちをする“凶悪プレイ”も見られる作品屈指の危険地帯。貴重なアイテムをたくさん持った帰り際に「D-2」で散っていったプレイヤーも多く、もっとも恐れられている脱出地点の1つだ。『Rust』でも、ダブルバレルショットガンを持って「D-2」に潜むプレイヤーが大量に現れるのかもしれない。
TomasTon氏によると、このプロジェクトはテストの最終段階にあるとのこと。すでに必要なプレイヤー数に達してしまっているため、現在は新規プレイヤーを受け入れることはできないものの、来月4月には公開サーバーとして正式リリースをおこなう計画のようだ。気になる方はTomasTon氏のXアカウントおよびDiscordチャンネルをチェックしてみてほしい。