45秒以内にBotを10体倒せば倍率ドン。FPS型のギャンブルマシン「Danger Arena」が米国のカジノで稼働中

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米国ではカジノの若者離れが進みつつあり、それを止めるためにビデオゲームを利用したギャンブルマシンを開発しようという動きが始まっている。新興企業「GameCo Inc.」が開発を進めている「Video Game Gambling Machine(以下、VGM)」はその第一陣だ。先月始め、「VGM」の第一弾となるギャンブルFPS「Danger Arena」の詳細が、現地のカジノガイド「American Casino Guide」を通じて映像と共に公開された。

映像に登場する「Danger Arena」はラスベガスで開催された「Global Gaming Expo 2016」に展示されていたもので、「GameCo Inc.」のCEOであるBlaine Graboyes氏がマシンについて解説している。なおGraboyes氏は25年間にわたりビデオゲームとe-Sports業界に関わってきた経歴を持つそうだ。

「Danger Arena」はゲームコントローラーでプレイするFPS型のギャンブルマシンだ。筐体の上部の画面にはペイテーブル(支払い額の一覧)、下部にはゲーム画面が写しだされている。0.5ドルから20ドルまでのあいだで賭け金を決め、「Baz」「Thyme」どちらかの操作キャラクターを選択すればゲームはスタート。45秒間に何体のBotを倒せるかに挑戦し、制限時間内に6体以上倒せば賭け金に倍率をかけた額が返ってくる。倍率は6体で0.5倍、7体で1倍となっており、賭け金以上の額を手に入れるには8体以上を倒す必要がある。10体を倒した場合の倍率は25倍で、最大賭け金の20ドルを賭けていた場合は500ドルのペイを受け取れる。

一見すると腕前さえあれば簡単に稼ぐことができると思うかもしれないが、「Danger Arena」には約1万種類のマップが収録されており、これが同作がギャンブルマシンたる所以となっている。「ブラック・ジャック」で配られた手札が悪い時があるように、「Danger Arena」でもどのマップが選ばれるのか、どのような敵が登場するかはランダムになっているというわけだ。

カジノマシンながら標準型に近いコントローラーがつながれている
カジノマシンながら標準型に近いコントローラーがつながれている

このほか「Danger Arena」には、取得するとシールドと共に100ドルの支払い金が手に入るパワーアップの要素や、操作方法のイントロダクションとチュートリアル用のレベルなども用意されている。実際のプレイ映像を見るとフレームレートがガクつく場面が多々あり気になるが、ビデオゲームとして見ても遊べるレベルにはなっているようだ。

なお以前の記事でもお伝えしたように、e-Sportsタイトルを中心とした合法的なギャンブルや賭け試合などは世界的にすでに存在しているが、ギャンブルマシンにビデオゲームの要素を導入した例は今回が初となる。米国の従来の法律ではギャンブルマシンにプレイヤーの腕前が入る余地は許されなかったが、今回の動きに合わせて法整備が進んだという。

「Danger Arena」は米国内の複数のカジノで10月から稼働中。日本国内でもカジノの設立・運営を可能にする統合型リゾート整備推進法案が進みつつあり、成立すればプレイできる機会が来るかもしれない。

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