『MGS V: TPP』パッケージから消された小島監督の名前、それでも表記する小売に見るメタルギアの遺伝子

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小島プロダクションの解体に伴い、先日パッケージから“Hideo Kojima Game”の表記が消されたコナミデジタルエンタテインメント(以下、コナミ)の『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』。それでも自作のバナーで表記を続けるオーストラリアの小売店が、ファンの間で注目を集めている。小島秀夫あってのメタルギアという認識は根強く、その愛念は遺伝子となってこの世界を駆け巡っているようだ。

小島秀夫が残したメタルギアという遺伝子

海外メディアAttack Of The Fanboyによると、オーストラリア最大手のエンターテインメント小売業者JB Hi Fiのとある店舗が、『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』用の陳列棚に“A HIDEO KOJIMA GAME”と表記した自作バナーを設置。その光景を写した写真をシドニー在住のファンがTwitterに投稿したことでたちまち脚光を浴びることとなった。小島秀夫氏も自身のTwitterアカウントにてリツイートしているという。報道を受け、フォーラムサイトNeoGAFでは、小売店の対応に多くのファンから賞賛の声が挙がっている。

『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』のボックスアートに元来刻まれていた“Hideo Kojima Game”の表記は、コナミによる小島氏の役員解任と小島プロダクションの解体に呼応するかのように取り除かれた。コナミは今年3月、公式サイトにてメタルギアフランチャイズの今後に関して英文の声明を発表。今後も同シリーズの開発を続けていくことに加えて、小島プロダクションの後任をオーディションを通して募集すると説明していた。パッケージの表記削除は次回作以降を見越しての処置なのかもしれない。

メタルギア作品の代名詞ともいえる小島監督の名前がボックスアートから消されたことは世界中のファンに衝撃を与え、本作のリリースを最後に今年いっぱいで同氏がコナミを去るというまことしやかな話まで流布している。また、先日には、中国の大企業Tencentが同氏のヘッドハントに乗り出したとの噂が報じられていた。余談だが、“Hideo Kojima Game”の表記が削除された際、遺憾に思った『Goat Simulator』のゲームデザイナーはダウンロードコンテンツ「GoatZ」のクレジットになぜか小島監督の名前を加えるという奇行にて同氏への愛を示した。そのほか、Eurogamerは「gamescom 2015」にて会場のパネルに無断で“A HIDEO KOJIMA GAME”の張り紙を残すという暴挙に出ている。

funs-want-hideo-kojima-name-on-metal-gear-solid-v-the-phantom-pain-0049月1日の『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』発売を目前にして本日、レビュー集積サイトMetacritcにてメタスコアが解禁された。記事執筆現在、PlayStation 4を対象にしたレビューの投稿数は15で、平均点は95点。IGNをはじめ、4つのメディアが満点の太鼓判を押している。中でも核心に迫る辛口の評価で定評のあるGameSpotに、ほとんど非の打ち所がない100点を付けさせたことは特筆すべき点だろう。「疑うべくもなくシリーズの最高傑作」と言わしめる好評の背景には、初の試みとなるオープンワールドの実装がある。

今回、小売店が取った行動からは小島監督あってのメタルギアという認識が深く根付いていることがうかがえる。ファンの心に刻まれた愛念はプロダクション亡き後も消えることはないだろう。ノベライズ作品『メタルギアソリッド ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』から、「人間は消滅しない。ぼくらは、それを語る者のなかに流れ続ける川のようなものだ。人という存在はすべて、物理的肉体であると同時に語り継がれる物語でもある」という伊藤計劃氏の言葉を借りて、小島秀夫というクリエイターが残した遺伝子に賛辞を呈したい。

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