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フィリピンにて“『VALORANT』や『LoL』について学ぶ単元”があると報告され話題に。政府も推し進める教育制度に、「eスポーツ」をがっつり盛り込み
『VALORANT』や『League of Legends(LoL)』などが、フィリピンの学校教育の“推奨教材”とされているようだ。

フィリピンの教育省が公開しているカリキュラムに“ゲーム教育”をあつかう単元があると報告され、話題となっている。『VALORANT』や『League of Legends(LoL)』など人気ゲームが学校教育の場での“推奨教材”とされているようだ。
フィリピン政府は2012年より教育改革を推進しており、学校教育に関するさまざまな制度が刷新。その一環として「MATATAGカリキュラム」というものが策定されている。現在フィリピンは小学校から12年にわたる教育制度を採用している。一方で「MATATAGカリキュラム」はフィリピン教育省が10年生までの各学年における指導要領をまとめたもの。基礎科目を重視したうえで、STEM教育導入のほか批判的思考力やデジタルリテラシーを備えた、現代的な人材の育成を目指して作られたという。2024年度より低学年から段階的に導入されており、2028年までに全学年向けに導入予定となっている。
そんなMATATAGカリキュラムに「ゲームを取り扱った単元がある」と海外Xユーザーが報告し、SNSで話題となっている。今回“ゲーム単元”の存在が報告されたのは中学4年生(Grade 10)向けの保健体育だ。15歳から16歳の児童が対象となり、日本でいえば高校1年生の年代となる。
MATATAGカリキュラムによると、同単元ではeスポーツおよびデジタルリテラシーの理解を深めることを目的としている。まずeスポーツの概念について学んだあと、実際に競技ゲームに触れていくそうだ。活動への参加を通じて、競技ゲームにおけるスキルと戦略や、チームワークとコミュニケーションについて学んでいくとのこと。またeスポーツイベントを自分で運営する方法についても学ぶという。生徒がデジタルサービスを積極的に活用しつつ、自身の健康とウェルビーイングを守れるようにするのが目標だそうだ。
そして推奨アクティビティとして『マインクラフト』『VALORANT』『League of Legends』『Hearthstone』『FIFA Online 4』『PUBG Mobile』『鉄拳』など、さまざまな人気タイトルが挙げられている。現場の運用においてはこれらの候補の中から教師の裁量で実際に扱う作品を決め、プレイも交えつつ授業をおこなっていくことになると思われる。

教育現場にゲームを導入する取り組みは世界各国で以前から見られ、たとえば『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』がアメリカの大学で、機械設計の講座の教材として採用されたことがある(関連記事)。またポーランドでも『This War of Mine』が学生向けの推薦図書リストに加わった例も(関連記事)。日本でもたとえば『マインクラフト』教育版を教材として導入し、プログラミング授業などに活用している学校の例は複数存在している(文部科学省)。親しみやすいゲームを学校の教材として活用する動きは世界的に見られるわけだ。
とはいえ、こうした例においては、教員が個別で各タイトルを採用しているほか、あくまでも教えたい科目がまずあり、ゲームはそれを学ぶためのツールのひとつという位置付けだった。一方今回のフィリピンのカリキュラムにおいては、オンラインマッチ中にリスペクトと公平性を示すことを学ぶなど、ゲームそのものについて理解を深める内容となっているようだ。「MATATAGカリキュラム」として政府単位で推進している制度に採用されたこと、そしてネット対戦のマナーも含め、学校教育でゲームについて正面から取り扱うのは珍しく、興味深い取り組みといえそうである。

上記のようにゲームを教育に活用する例も見られる一方で、世界保健機関WHOがゲームに依存的な状態となる「ゲーム障害」を依存症の一種として認定するなど、ゲームとの適切な付き合い方については社会的に話題になることも多い。またオンラインゲームでは暴言などの有害行為が増加傾向にあるとの調査報告も2023年にされており、児童のプレイについて懸念が寄せられることもある(関連記事)。
今回のフィリピンのカリキュラムでは、オンラインマッチ中にリスペクトと公平性を示すことを学ぶのも狙いの一つとされている。ゲームを学校の場で正式に単元として取り扱うことで、負の側面も理解しつつそれぞれの生徒が適切な付き合いをできるようにする狙いがあるのかもしれない。
なお、中学4年生向けのMATATAGカリキュラムは2027-2028年度より導入予定とされているため、今回話題となった“ゲーム単元”は実際の教育現場ではまだ運用されていないとみられる。実際の運用が始まった際にどのような授業になるかなどは、まだ未知数の部分もありそうだ。授業の効果が確認されれば追随する国や自治体が出てくることも考えられ、今後の展開も注目される。
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