弾幕STG『怒首領蜂最大往生』真ボス「陰蜂」、12年間で初めて“通しプレイで”撃破される。しかし戦いはまだ終わらない

 

ケイブの弾幕系シューティングゲーム『怒首領蜂最大往生』アーケード版稼働開始から約12年。同作の「最終ボス」とも言える「陰蜂」がついにノーコンティニューで撃破された。過去にトレーニングモード上での撃破報告こそあったものの、通しプレイで撃破されたのは今回が史上初となる。


『怒首領蜂最大往生』は、『怒首領蜂』シリーズの流れを汲む弾幕系シューティングゲームだ。2012年4月にアーケード版が稼働開始。2013年5月にはXbox 360向けに、追加要素を盛り込みつつコンソール移植された。そして2020年11月には、Xbox 360版の追加要素、およびさらなる追加を取り入れたアーケード向け“逆移植”『怒首領蜂最大往生 EXAレーベル』がリリースされた。

今回ノーコンティニューで撃破されたのは、本作の裏ボス「陰蜂」だ。2012年4月の稼働開始から比較的すぐに「陽蜂」という真ボスの存在は確認されていた。しかし、公式のヒントなども踏まえて同作に陽蜂を超える「裏ボス」がいるのではないかという噂がまことしやかに流れていた。そして同年8月、公式から正式に「陰蜂」という裏ボスが存在することが発表された。

ケイブ作品の中でもかなりの高難易度で知られる『怒首領蜂最大往生』だが、この「陰蜂」の難易度は極めつけであり、トレーニングモードでのノーコンティニュー撃破が確認されたのですら2021年。猛者揃いのシューティングゲーマーたちをもってすら、実に9年近く単体でのクリアすら寄せ付けなかった。

*トレーニングモードでの撃破動画

ボス単体でももちろん難しいながらも、そもそも通しプレイで陰蜂を出現させるためには「ノーミスノーボム」「蜂アイテムパーフェクト」「特定以上のランク」「特定以上のヒット数」をすべて満たす必要がある。その姿を見るためだけでもただひとつの凡ミスすら許されないという、ただ高難易度なだけではなく非常に精神を消耗する条件だ。このためボス単体で撃破報告が上がっても、通しプレイでの撃破はあくまで「理論上人間にも可能」の域を出るものではなかった。

しかし2024年3月21日、ついにこの陰蜂を、通しプレイで撃破したプレイヤーが現れた。達成したのはトレーニングモードでの初撃破を達成したのと同じ犀領氏。Xbox360版にて、A-EX(TYPE-A機体のEX強化)を使用してのクリアとなった。『怒首領蜂最大往生』稼働開始からおよそ12年越しの達成である。


しかしまだ終わりではないと、犀領氏は動画でも述べている。同氏は引き続き練習を重ね、次はアーケード版での通しプレイ陰蜂撃破を狙うようだ。『怒首領蜂最大往生』は「人類への挑戦」をコンセプトとして掲げるケイブがアーケード向けに展開した最後のゲームでもあり、ケイブが人類に向けて残した最後の挑戦でもある。『怒首領蜂最大往生』の資料集では「人類に対しての挑戦も我々の勝利で幕を閉じさせていただきます」と書かれていたが、人類の逆転勝利が訪れる日もそう遠くはないのかもしれない。


PCとPS4をメインで遊んでいます。自分で遊んでも、観戦していても面白いような対戦ゲームが好きで、最近は格闘ゲームとMOBAをよく遊んでいます。