Nintendo Switch『スーパーマリオRPG』リメイクは「上手に3D化」できているとの調査報告。シンプルかつ効率的な技が光る

 

YouTubeチャンネルのDigital Foundryは11月16日、Nintendo Switchのリメイク版『スーパーマリオRPG』のパフォーマンス分析動画を公開した。同動画では、本作の動作仕様や変更点などが調査・報告されている。

『スーパーマリオRPG』は、1996年にスーパーファミコン向けに発売された同名作品のリメイク版だ。『マリオ』シリーズの世界観をもとにしたRPGで、リメイク版では3Dグラフィックで生まれ変わった。世界中に散らばった「スターピース」を探し集める、マリオと仲間たちの旅と冒険が描かれる。また、バトル時に仲間と強力な技を繰り出せる「3人わざ」や、道中で出会ったボスの一部との再戦要素といった新要素も導入されている。

本作はMetacriticにおいて、メタスコア83を記録。事前のメディアレビューで好意的な意見が多く見られた。オリジナル版の魅力の再現に成功しているといった声があるようだ。発売を迎えた本日11月17日には、SNS上でも多くのプレイヤーが本作について話題に。そんな本作の技術面について、Digital Foundryが分析報告している。


Digital Foundryによれば、本作のエンジンとしてはUnityが採用されているとのこと。この点は先だって、本作の知財権表記などからも明らかになっていた。動作解像度はドック使用時には1080pで、携帯モード時には720pとなるとのこと。フレームレートは60fpsに設定されているという。動的解像度などは用いられていない様子で、そのためか時折fpsの低下が見られるとのこと。特に冒頭カットシーンなどでその影響が顕著とされている。しかしながら、全体的な動作はなめらかで、基本的には60fps付近を保っているそうだ。

そしてグラフィック面について、オリジナル版では疑似的に再現されていた3Dグラフィックが本格的に3Dとなっていたことで、さまざまな変化が起きているようだ。たとえば、オリジナル版で少ないコマ数で工夫して表現されていた各種アニメーションは、3Dグラフィックのモーションによるなめらかな表現となっている。そしてキャラクターやオブジェクトからは、精細な影が落ちるように。お城の床や水面には反射表現も実装されており、Digital Foundryはこの手法を「地上の3Dモデルをまるごと反転して水面下にも描画している」と分析。シンプルかつ効果的な手法であると評価している。


ほかには、「オリジナル版と比較してみると、しばしばリメイク版の方がローディングが速い」「オリジナル版で虚空として表現されていた部分に背景がついた」といった変化が見られるとのこと。また、Digital Foundryはテクスチャについて「とてもシャープ」に作られているといい、これはオリジナル版同様にカメラが固定である点を考慮した最適化だろうと分析している。

なお、本作の開発には国内のゲーム開発会社アルテピアッツァが携わっている。同社は、エニックス(現スクウェア・エニックス)にて『ドラゴンクエスト』シリーズなどに携わった眞島真太郎氏が設立した。同社はオリジナル作品のほか、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』の2Dモードの開発や、リマスター版『ロマンシング サガ3』の企画・開発などを担当。今回Digital Foundryが高く評価した『スーパーマリオRPG』の技術面も、アルテピアッツァのノウハウが反映されているのだろう(関連記事)。

『スーパーマリオRPG』はNintendo Switch向けに発売中だ。