Nintendo SwitchスポーツRPG、アプデで“秘密の部屋”への道が塞がれる。苦労話がやたらリアルだった、開発者のぶっちゃけ部屋


デベロッパーのSidebar Gamesは1月30日、現在海外Nintendo Switch向けに配信中のRPG『Sports Story』に最新アップデートを配信した。そのパッチノートにて、“秘密の開発部屋”について言及されファンの注目を集めているようだ。海外メディアThe Gamerなどが報じている。

*日本語版発表時の紹介映像。

『Sports Story』は、開発元Sidebar Gamesの前作『Golf Story』の数年後の世界を舞台にしたスポーツRPGだ。今度はゴルフだけでなく、テニスやサッカー、バレーボール、クリケットなど複数のスポーツ競技が登場。主人公が、巨大企業やヤクザの不穏な動きを調査するため冒険をするなかで、そうしたスポーツをモチーフにしたユニークなアクティビティに挑戦することになる。また、最大4人でのマルチプレイにも対応する。

本作は、昨年12月に海外Nintendo Switch向けに配信開始。日本語版のリリースも計画されているようだが、現時点では国内未配信である。本作について開発元は、これまでに何度かアップデートを実施し、本日にも新たなパッチを配信。そのパッチノートでは、主な更新項目として「Blocked access to the secret dev room(秘密の開発部屋へのアクセスをブロックしました)」と説明された。


秘密の開発部屋とは、本作のプレイヤーによって発見されていた隠しエリアのこと。通常のゲームプレイにおいて訪れることができる場所ではなく、とあるショップ内に置かれた段ボール箱を所定の位置に動かすことが求められる。ショップの入り口を塞ぐように段ボール箱を配置して入店し直し、ショップ内画面の“外側”に侵入することで開発部屋に到達できたようだ。

今回配信されたパッチによって、この段ボール箱を使った裏技が封じられ、開発部屋には行けなくなった模様。開発元は、アクセスをブロックした理由については説明していない。ただ、開発部屋を紹介する以下の映像からは、その隠しエリアには本作で使用されているアセットが格納されていることがうかがえる。

似たようなエリアは他社作品でも確認されており、以前には『Fallout 76』にて通称“Developer Room”が発見され注目された(関連記事)。テストやデバッグ用に開発者が仕込んでいるのではないかとの見方があり、そうした開発者向けエリアにプレイヤーがアクセスすることは好ましくないと考え、本作においては今回ブロックされたのかもしれない。


しかし理由はそれだけではないかもしれない。というのも、本作の開発部屋には、文字どおりの“開発者の部屋”が存在することでも話題となったからだ。その部屋には、『Golf Story』に収録されたミニゲーム『Galf』の開発者を名乗るキャラクターたちがおり、話しかけるとゲーム開発の苦労話を語る。たとえば、「開発が難航している」「不可能なプログラミング作業を成し遂げようとドツボにはまった」「物語を10回も書き直しているが、どんどん酷くなっていく」「誰かが新要素の追加を要求し続け、当初のビジョンはもう存在しない」など。開発者らが言い争いをする場面もある。

本作は2019年に発表され、もともとは2020年発売予定とされたが延期を重ねることに。そして、2022年12月に米国任天堂が放送したインディーゲームイベントに合わせて、サプライズ的にリリースされた。ただ、退屈なお使いクエストの多さや、ゴルフ以外の追加スポーツの作り込み不足、バグの多さなどによって評価は伸び悩むことに。解釈によっては、上述した開発苦労話は、本作の開発者らが漏らした本音と受け取れなくもない。

この“開発者の部屋”は、誰が何のために本作に仕込んだのかは不明。いつかプレイヤーが見つけ出すことを想定していたのか、あるいは開発者の身内だけで楽しむ目的だったのかも分からない。ただ、今回アクセスがブロックされたということは、ああいった苦労話を含め、プレイヤーが目にすることに不都合があったということのようだ。

『Sports Story』は、海外Nintendo Switch向けに配信中。日本語版についてはフライハイワークスから発表されているが、配信時期は未定である。