アクションMMO『Destiny 2』開発元、サーバー停止&ロールバックの理由をやたら詳細に白状する。正直すぎて褒めるユーザーも


Bungieは1月27日、基本プレイ無料MMOFPS『Destiny 2』にまつわる公式ブログ投稿を公開した。そのなかでは、先日本作にて発生した「ほぼ1日サーバー停止後のロールバック」というトラブルについての事情が説明。やけに詳細かつ正直な報告に関心が寄せられた。


『Destiny 2』は、Bungieが開発・運営するMMOFPSだ。本作でプレイヤーたちは、人類を守る戦士ガーディアンとなり、全宇宙から迫りくる敵との戦いを星系を股にかけて繰り広げる。オンライン専用タイトルとして、仲間と協力して楽しめるPvEコンテンツや、各種PvPモードも提供している。本作は2017年にリリースされ、大型拡張コンテンツの配信を重ねている。現在同作はPC(Steam)およびコンソール向けに配信されており、Steamでは毎日ピーク時で8万人前後の同時接続プレイヤー数を記録するなど、根強い人気のあるタイトルだ。

そんな本作にて1月25日、約20時間という長時間にわたって本作サーバーが停止される一幕があった。ほぼ丸一日のあいだ、だれも『Destiny 2』をプレイできなかったのである。『Destiny 2』では、大小の不具合や予期せぬ挙動の発生や、Bungieによる修正対応はしばしば発生する。しかし、サーバーが長時間にわたり停止し続けるのはかなり異例といえる。BungieのサポートTwitterアカウントであるBungie Helpが状況を随時伝え、ユーザーたちは復旧はまだかと見守る状況となっていた。

結果として『Destiny 2』サーバーは再始動したものの、ユーザーデータのロールバックが実施。日本時間で1月25日午前1時20分の時点へと、全ユーザーのデータが巻き戻された。サーバーが停止されたのは25日午前4時頃と見られるため、プレイヤーによっては最大3時間弱のプレイ進捗がなかったことに。一連の異例の出来事にユーザーの懸念が寄せられるなか、Bungieが事情の詳細を説明することとなった。

Bungieの今回の発表によれば、一連の出来事の発端となったのはHotfix 6.3.0.5.の配信だったという。このアップデートに伴い、「勝利の道のり、称号、媒体」といった要素の一部が消失しているとの不具合が発生した。これらは本作におけるやりこみ実績や武器強化関連の要素となる。Bungieはこうした要素消失の原因を探るうちに、とある「とてもパワフルなので、慎重かつ入念に扱わなければいけない社内ツール」の運用が原因であると気づいたそうだ。同ツールの設定ミスにより、古いデータ移行プロセスが誤って発動。拡張コンテンツ「光の超越」配信以前の一部データを現在のデータに上書きしてしまい、不具合に繋がったのだという。

「光の超越」の配信は2020年11月10日。つまり、一部とはいえ2年以上にわたるプレイヤー進捗があっさりと巻き戻り、消え去ったことになる。この事実に気づいたBungieはゲームサーバーを直ちに終了し、対策に乗り出したという。これが、約20時間にわたるサーバー停止の始まりだった。Bungieはサーバー停止後、一連の不具合の原因となった部分の特定・解消を実施。並行して、2年の空白を取り戻すべく、ユーザーデータベースの直近タイミングへの全体的なロールバックも実施していた。修正のテストが完了し、アップデートの配信およびサーバーが再始動できたのが約20時間後となる。


大規模なトラブルとはいえ、「2年以上前のデータを上書きしました」と正直かつ詳細に白状する姿勢はユーザーの関心も集めたようだ。上述のブログ投稿後の『Destiny 2』開発チームツイートには、透明性を歓迎する声がリプライで寄せられているほか、KotakuもBungieによる重厚な事情説明に着目し報じている。大きなミスをした時ほど、説明責任を果たすのが大切ということかもしれない。


『Destiny 2』はPC(Steam)およびPlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中。